新入社員が入って約半年経ち、そろそろ仕事も一通り覚えてきた頃でしょうか。

自分が社会人になった10年前くらいと比べると、今の若い人達には転職や副業、起業など様々な選択肢がより身近になっていて、自分にあわないと感じたら既に転職エージェントと話を始めてしまっている人もいるかもしれないですね(笑)。

また、最近でこそ、ダイバーシティですとか、インクルージョンとか、男性や女性、LGBT問わず、区別しないようにという流れは出てきたように思います。

 

ところがつい先日、まだまだ日本企業で働く女性は、それほど自由な存在にはなっていないのかなぁと思うことがありました。

それは、最近までとある大企業に勤めていた女性の先輩とお話していた時のことです。

 

同じ企業で働き続けるかは別として、ダラダラとした目的意識で働き始める適当男子とは違い、女性には学生時代の頃から、結婚までのイメージ、結婚後のイメージを明確に持っている人が相対的に多いように思います。

 

大学を卒業して、いざ社会人になるのがだいたい22歳くらいだと思いますが、産休や育休はだいたい30歳前半だとしたら、キャリアに必ず一定時間空白が生じてしまう。だから、

・医療系の資格試験を取って、とにかく休み明けに復帰できる権利を確保しておく。

・最初から外資系でバリバリ稼いで、ある程度やりきった感を持って産休後はキャリアチェンジ。

・とりあえずベンチャーで経験を積んだ後は、福利厚生の充実した大企業へ転職して産休へ。

・若いうちは代理店等で遅くまで働いても体力が持つから、とにかく最初のスタートが肝心。

など、聞けば聞くほど、とてつもなく戦略的な女性の多いこと多いこと。

 

でも、それだけきちんとリアルに考えられているんだなと感心もさせられます。

同じ会社で働き続けるかどうか、転職するのにもヒト悩みするような弱い男子とは違うわけです(笑)。

 

充実していたワークが徐々に予想とは違う形で崩れる

そして、今回ご紹介したいのは、上記で挙げた例でいうと、1番最後の例に近い?女性についての話です。

職種は一般的にいうところの営業・コンサル職。

 

世間一般でいうところの大企業に属していた彼女は、夜遅くまで働くのはもちろん、同期や前後の同僚から見ても明らかに高いパフォーマンスを上げていました。

 

彼女自身、早い時期に結婚はしていたものの、子供が産まれて休まざるを得ない時期を想定。

それまでにできるだけ給料を引き上げておき、休んでいる際の実入り(給付等は給料に連動する部分が大きい)をいかに大きく出来るかということは意識していたと言います。

 

いくつかの仕事をローテーションし、やっとたどり着いた現在のコンサルティング業務は、自身にとっても大変やり甲斐がある仕事で、ノルマでさえ、その充実度を計る一指標でしかなかったと言います。

 

そうして、彼女はとうとう十数人を部下に持つマネジメント側に行きます。

とある金融機関で、30代男性が公募で支店長になったという例外はありますが、大企業で30代半ばでのその地位は、彼女のそれまでの仕事が評価されてきた事の比類なき証だったと言えます。

 

しかし、彼女にとっての不幸が始まったのはそこからでした。

マネジメント、管理とは往々にしてそういうものなのかもしれませんが、挑戦するというよりは、部下の事務処理の承認業務ばかり。

「こんな事務なんて、技術革新で近い将来無くなるのに、なんでこんなことに時間を使っているんだろう。」

疑問を感じ始めた彼女は、ずっと目をかけてくれていた役員にも相談します。

 

そこで言われたのは、「次は部長、その次は役員の可能性もある。失敗するわけにはいかないぞ。」

その言葉を聞いた時、彼女の中には大きな違和感が生まれました。

また、以前の業務へ携わりたいという気持ち、そしてこのまでは今後の未来がとてつもなくつまらないものになってしまうのではないか、という危機感が生まれたそうです。

 

そして、その後彼女はその企業を後にする決意をしました。

 

日本では、男性と女性でまだまだステージの違いがある

少し雑な議論になりますが、男女雇用機会均等法成立からも30年以上経った今でも、まだまだ男女の間にはステージの差があるように思います。

 

というのも、男性は何がしかの専門性を極める方向でのスペシャリスト職みたいな自由が広がってきている一方、

何がしかの専門職につきたい女性が、単に優秀というだけで望まないポジションに貼り付けられてしまうことが多々あります。

 

この背景には「女性の社会進出」というにわか目標があります。

つまり、優秀な女性であれば、すべてマネジメントへ登用したがる企業が多いのです。

しかし、これは、決して自由であるとは言えませんし、望ましい姿ではないでしょう。

 

今回取り上げた女性以外にも、優秀だという理由だけで望まないジェネラリスト的な管理業務をさせられそうになり、辞めた女性の友人は少なくありません。

もちろん、優秀な女性がマネジメントに登用されることは企業としても日本全体からも見ても望ましいことではあるのですが、それはその本人自身がその道を望んでいるかどうかが大前提かと思います。

 

さて、大企業を辞めた彼女自体はどうなったかといいますと、以前やっていた営業・コンサルティング業務を探す中で、海外での新たな業務にチャレンジすることになったようです。

常に挑戦する場所に自らの身を置きたい、そのような願いが叶ったみたいです。

 

日本の大企業には、まだまだ「古い出世の階段」しか存在しない

全ての日本企業がこのような状況になっているわけではないと思います。

ですが、柔軟に人を使えず、人を既存のポジションに当てはめていこうとする向きはまだまだ至るところに存在します。

企業は目の前の市場やお客さまへは迅速に対応しようとビジネスをしていますが、中の人の配置についてはまだまだ古い論理で動いているところも数多いようです。

 

そんな企業では、結局中での評価ばかりを気にすることになり、やがては企業全体がお客さまからはほど遠いところに行ってしまうかもしれません。

女性の待遇一つとっても、そんな事がよくわかります。

 

【著者プロフィール】

著者:ひろすぎ

30代、都内勤務の兼業投資家。

どうやったら普通の人がお金に困らない暮らしをできるかを模索し、自ら実験する日々。株、不動産をはじめ、いくつかの事業を展開。趣味はお散歩とお酒、旅行です。

(Photo:Pietro Motta