「若いから良いよね」とか「若いから何でもできるね」とか「若いんだからどんどん挑戦した方が良いよ」とか、「若い」ことを理由にした励ましを良く受ける。
励ましていただけるのは大変ありがたい。
そして、たしかにまあ自分は若いとはおもう。
小中高生には負けるが、少なくとも社会人を分類した時に「若手」とか言われるところに入る。
いわば、オトナ部門の小学生だ。
ちょっと何を言っているかわからないけど、まあとりあえず、社会的に若いと言って大丈夫だろう。
ちなみにいきなり論点がずれるが、20代後半になると「もうおばさんだから~」とか言って、すぐに自分をネガティブなニュアンスを含んだ存在として扱う風潮。ありますよね。コレあんまり好きじゃない。
「おばさん」かどうかという言葉の定義はどうでも良いのだけど、あんまり自分を落とすようなメッセージをわざわざ自分に投げかけない方が良いんじゃないかと思う。
そんなよくわからない「身の程を知ってますよ~」アピールが、「大人のたしなみ」だとしたら、なんだか嫌だな。私は乗らない。笑
若くなくなったら何もできなくなるの?
さて、本題に戻ります。
とりあえず、数字的にある程度若いです、と。
それはわかった。
でもそのことを取り立て、あまりにも「若いから、いいね!」「若いから、〇〇でうらやましい」と言われるのは好きじゃない。
「若い」を強調されて引っかかる理由は明快だ。
「あなたの価値は若いことだけ」と言われているように感じること、そして「あとちょっとしたら若くなくなるから色々できなくなるよ」と言われているような気がするからだ。
なんだか、未来の可能性を消されているような気がしてしまう。
もちろん、褒めていただくのは嬉しいしとてもありがたいし、そういうつもりで言っているわけではないことはわかる。
純粋に、いいね!頑張って!って思って言ってくれてるんだろうな、と。
それに、現実的に20-30代での伸びしろは大きいことが多かったり、ライフイベントが目白押しする可能性も高かったりもする、また体力も割とありばりばりと働きやすい期間だ。
なので、「きみ、その期間なのはいいね!」とか「その時間を大事にしなよ!」みたいな話があるのは理解できる。すごく。
ただ、やっぱり嬉しい気持ちにはなりにくい。
まず「年齢の若さ」を褒められても、それは私の努力とは関係がないし、それは一時的なもの。
私個人を見てもらえると嬉しい。
そして「若い時こそが華、自分に年齢になるとねえ・・・」というようなニュアンスを出さないでもらえると嬉しい。
なんかもう、一寸先は闇、というような気がしてむっちゃ怖い。
特に、90歳の自分のおじいちゃんが言ってくれるならまだしも、自分と5歳くらいしか年が変わらない人に言われると、余計にそんな気持ちになってしまう。
「うおおおおお、あと5年しか良いことないの!!!???」みたいに感じることもある。
若くなくなったら良いことないの?そんなことはないですよね?
「若い若い」と言われると逆に考えてしまう。若くなくなったら良いことはないのだろうか、と。
私はそんなことはないと信じている。
ある程度制約がでてくるにせよ、「若くないからだめ」ってことはないはず。
むしろ経験が増すとできることの幅は広がって楽しくなると信じてる。
それに、いつからだって挑戦できるし、いつの年齢だって楽しく素敵にわくわくしながら過ごせるはず。
私はそうしたい。
なんてったって、「若くないから」ばかりを言い訳にしたくない。
いまの寿命は85歳くらい。
例えば一般的にはあまり「若い」とされない50歳からあと、30年くらい人生がある。
そこから新しいチャレンジをしたり、何か始めてもあと30年も楽しめるということだ。
自分の身近なところだと、40歳から語学勉強してビジネスで使いこなしておる人がいたりする。
この前は60歳でパソコン、81歳でプログラミングを始め、自分でアプリをリリースした方の記事を読んだ。
そういう人を見ると、いつからでも遅くないんだな、という気持ちにさせてもらえたりする。
それに、どんどん新しいチャレンジすることでより人生は楽しくなるんだな、とも。
そんな風に、自分は、いくつになってからでも挑戦できるということや、年を重ねるからこそ楽しくなるということを体現していきたい。
別にそれは、「起業しました!」みたいな大それたことじゃなくても良いと思ってる。
自分が楽しく年をとっていくことを通して、周り、特に自分と同年代や自分より年下の人たちに、「素敵に歳を重ねるっていいなー!こうなりたいなー!」と、希望を与えられる人になったら良いなーと思う。
どの世代にもありそうな「下の世代に向けた、未来への不安醸成」
類義語として、大学生に対する若手社会人の「学生のうちに遊んどきなよ~、社会人になったら大変だよ~」という発言がある。
なんかこう、これはマジでやばい。
未来を担う若者に「社会人って辛いんだ~」とばかり思わせて何が良いのだろうか。
この発言をする人の中にも色々な背景があると思うが、留保していたらもうキリがないので細かい場合分けに配慮せず書くと、個人的にはこれは「私は社会人として充実した生活を自分で作れません!だから昔の方が良かったでーす」ということを言っているのと同義に聞こえる。なんかちょっと恥ずかしいぞ。
それに、あなたと目の前の若者は違う人間。
今のあなたが充実していないからって、目の前の人が「あなたと同じ年齢になった時に同じように充実してない」とは限らないんだってば。
でも、だからこそ、つまり「自分に自信がないからこそ」出てしまう、「立場の差を利用した&相手をうらやむふりをした社会人マウンティング」みたいなのだろうか。
どの立場でも、次のフェーズに進むと享受できない良いことがある。
例えば、学生の時はもっとだらだら寝てられたとか、平日でも朝まで飲んでたとか、オトナになると得にくい体験をしていたというのはあったと思う。そういうのを懐かしんだり羨んだりする気持ちはわかる。
でも逆もしかりでは。
先述の通り、次のフェーズに進んだからこそできることや、見えるものもある。
例として社会人からの大学生の発言を挙げたが、色々な世代でこれと似たことってありそう。
とにかく、ネガティブな未来を想像させるようなことを言われなくないし、言いたくないよ。
これはほんと、自戒を込めて。
経験豊富なみなさんへのお願い
そして、私より年上のみなさんへのお願い。
いつも励ましてくださってありがとうございます。
ポジティブなお声掛けいただけること、とても嬉しいです。
できたら「年齢の若さ」だけじゃなくて、私個人を見てもらえると嬉しいです。
そして、「若くなくなったら終わり」みたいな話ではなく、ご自身が年を重ねるごとにできるようになったことや、若いころの経験が今にどう繋がったか、そんな話を教えてほしいです!
何歳になっても、今このタイミングだからこそできることがあると思うし、そういうことを見つけてわくわくしながら生きていたいな。
今日は以上です!
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
【プロフィール】
滝沢頼子
1991年生まれ。大学卒業後、UXコンサルとベンチャー2社を経て、現在はフリーランスとして幅広く活動中。
上海に2回住んだことがあり、中国に関する情報発信、視察アテンドや講演なども行っている。
神楽坂とワインとももクロが好き。
ウーパールーパー、カピバラなどの目が離れている生き物に似ていると言われがち。
ブログ:たきさんのちゃいなブログ
twitter:takiyori0608
note:たきさん
(Photo:Chris Hobcroft)