前に交互浴の話を書いたのだが、最近、銭湯通いならびにサウナにハマっている。
究極の愉悦、「交互湯」を知ってしまった。 | Books&Apps
サウナ&水風呂の組み合わせは凄い。
サウナで得られる快楽を端的に言うと、覚醒剤をキメてるんじゃないかという位シャープにキマる快感や、フワッとじんわり多幸感に包まれるような快感の2つがある。
これを労働後の週末にやると
「くぅ~キク~」
のである。まるで働いた後の一杯目のビールのような気持ちよさがサウナにはある。
サウナのお作法
サウナでの一連の流れはこんな感じだ。
①さっと身体を洗う。入りたい人は軽く風呂に入る。
↓
②サウナに入る。身体の中心部まで熱が入ったように感じたら出る。
↓
③水風呂に入る。コツはパッと入って、じっとして動かない事。
↓
④そのうち段々と意識がシャープになっていくので、キマってきたら出る。
↓
⑤休むスペースがあったらそこでしばらく余韻を楽しむ。特に無いなら、風呂の椅子にでも座ってればよい。
これらを適宜水を飲みつつ、3~4回ほど繰り返すと至福になれる。
いわゆる”ととのった”というやつである。
<参考 サウナ学会の理事から直々に「サ道」を習って、サウナ嫌いからサウナ好きに変わった件|さとなお(佐藤尚之)|note>
とりあえず”ととってみたい”人はサウナが暑くて水風呂がキンキンに冷えてる所にいこう
前回、交互湯の記事を書いた時、いまいちパキッとこないという方を散見したのだが、実は銭湯によって”ととのいやすさ”は随分違う。
とりあえずサウナでぶっ飛びたい人にオススメなのが、サウナが暑くて、水風呂がキンキンに冷えてるタイプのとこだ。
僕はこの手の施設をハード系と呼んでいる。具体的に言うと、サウナが95度以上、水風呂は15度以下がいい。
熱いサウナでフーフーいい、吐く息がサウナの香りがするぐらいまで待ち、キンキンに冷えた水風呂に浸かる。
これをすると、次第に丹田に意識がシャープに沈んでいき、目が瞼の裏を這うようにぶっ飛ぶ。
ハード系のサウナは働いた後の週末にいい。もう働きすぎてヘトヘトになっちゃって色々無理・・・みたいなときにキメると、週末を実感できて最高だ。
ソフト系サウナはやっていく気持ちになる
一方で、サウナが70~90度程度、水風呂が20度~25度程度の比較的マイルドなところもある。
僕ははじめの頃、これらの施設の良さがイマイチわからなかった。
ハード系はわかりやすく”ととのう”のに対して、ソフト系はイマイチ刺激が足りないように感じてしまったからだ。
しかしハード系で一度”ととのう”回路が整備されたからなのか、ソフト系でもジンワリと逝けるようになり、むしろこれはこれで全然アリだという事に徐々に気がついてきた。
ソフト系サウナはハード系と比較すると刺激はマイルドなのだが、そのぶんジンワリと多幸感に包まれるかのように”ととのえる”。
同じ銭湯でも、温度差でこんなにも”ととのい方”が違うのだから、まったくサウナの道は深遠である。
ハード系は週末にキメると「もう何もしたくない」みたいな感じでドロドロになるが、ソフト系を週明けあたりにキメると「さあ、今週も頑張っていこうか」みたいな立ち上がっていこうという感じになるから面白い。
いろいろ試してみた結果、僕は土曜日にハード系に、日曜日にソフト系に通い、サ道を自分なりに楽しんでいる。
サウナで”ととのう”のはニュアンスとしては瞑想に近い何かがある。
慣れてくると、自分の身体をどう導いてあげればより深い所に到達できるのかが何となくわかってくるので、より「身体の声」に寄り添ったような形で効率よくサウナを使えるようになってくる。
一人孤独に自分の内なる声に耳を傾ける時間が持てるというのは実によいものである。
僕はサウナの間、随分といろんな物事に考えを巡らせる。
「最近働きすぎで、自分の事をないがしろにしてたかもな・・・」なんて考えに気がつけるのも、サウナのよいところである。
銭湯で気がついた青空の高さ
前にどこかの誰かが「いま住んでる家は天井が高くていい」と言ってて、随分と面白い事をいうなぁと思った事がある。
「使いもしないスペースが広くても何も意味がないじゃないか」
とそれを聞いた当時は思ったのだけど、銭湯に通って
「確かに天井が高いと、不思議な満足感があるな」と思うようになった。
湯船にゆっくりと浸かり、高い天井を眺めていると「天井を高く」感じ、非日常的な特別感を味わえる。
なぜ「天井を高く」感じるかと言えば、それは「家のお風呂の天井」と比較しているからだろう。
私達は総体的にでしか有意さを感じ取ることができない。
広い天井に特別感を感じるのは、心の中にそれより狭い天井がスタンダードとして仕込まれているからだ。
けど湯船に浸かりながら思ったのだ。
「確かに銭湯の天井は高いけど、街を歩いている時の青空はもっと高いじゃないか」と。
そうして湯気に包まれ、昼下がりの銭湯の帰り道に「毎日この道を歩いていたのに、こんなにも空が広くて高いという事をすっかりと忘れていたんだなぁ」と妙にしんみりとした気持ちを感じつつ、帰路についたのである。
意外と目の前にあるものほど、ないがしろにしがちである。
これからは日々の生活の細かい所にある小さな喜びを見つけ、日々感謝の気持ちで生きていこうとより深く認識するようになる。
銭湯に通い、自分に向き合えるようになると、こんな哲学が自分の中に生まれるようになる。
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(Photo:Hotel Arthur)