最近のコロナウイルス関連の報道や、SNSでの日本人の反応を見ていて思ったことを書きたいと思います。
中国の武漢を中心に、コロナウイルスが猛威をふるっていますよね。
私は中国で二回働いたこともあり、また現在自分がやっている会社が中国視察ツアーなどを実施していることもあり、かなり注目して見ています。
コロナウイルスによる肺炎で多くの人が苦しんだり亡くなったりしていることそれ自体、とても心痛むし辛いですよね。
それに加えて、なんですが、コロナウイルス関連の情報を取ろうと色々な媒体を見ていると、情報と同時に「日本人の中国を叩きたい欲」みたいなのも一緒に摂取してしまい、もっと辛い気持ちになります。
あんまり具体的なことを書きたくないんですが、例えば「中国人はどうせ〜〜だからこうなった」とか「ほら見たことか」みたいなのとか。
「中国はダメ」というテンションで報道されるというニュースとか、ですね。
もちろん、中国政府や個々の人間の行動については、色々な見方があると思いますし、「至らないよね」と言いたくなるところもあると思うんです。
でも、それを差し引いたとしても、日本人は中国に対して偏見や見下す気持ちを持ちがちなんじゃないかなーと。
私の観測範囲では、人生で中国で特段関わりがなかった人もそんな感じなので、日本人は割と今までの人生で色々な場面で中国に対するマイナスイメージを刷り込まれているのだろうと思います。
※あくまで主観なので、「ぼくはそうじゃないよ!」という方はすみません。以下その前提で話しちゃうので、そうじゃない方は「そういう方もいるのか!」くらいの感じで読んでもらえればと思います。
「固定観念」を持っちゃうのは仕方がない
で、そう思っちゃうのは良くないか、と言うとそうとも言えないと思っていて……
と言うのも、「瞬間的にそう思ってしまう」というのはどうしようもできないからです。
例えば「大阪出身です」って言われたら「やっぱ面白いツッコミとかしてくれるのかな」とか思ってしまいますよね。
私はちょっと思います、すいません!
で、「その瞬間にそう思ってしまうこと」自体はどうしようもない話だと思うんです。
それはもう刺激に対する単純な心の反応だからです。
良く言われる話なんですが「思うのは自由」という話ですね。
ただ、その大阪出身の人を、勝手に面白いキャラと見なして出会い頭にいじったり、「ツッコんでくれないなんて期待外れだ!」と怒ったり、などしてしまうとちょっと良くないかな。。。と言う感じですよね。
中国の話に戻りますと、「中国ってちょっとな〜」みたいに瞬間的に思ってしまうという気持ちがあること自体は一旦仕方ないことだと思うのです。
そのへんは「大阪の人って面白いのでは」というのに近い、今までの人生で身についてしまった「固定観念」みたいなものだと思います。
災害時に「強く誤った固定観念」が判断に持ち込まれるのは危険
でも今の状況で、この固定観念、というより「強い固定観念がもたらす歪んだ見方と行動」は結構危険だなーと思って心配してます。
例えば、意識的かどうかにかかわらず
「どうせ中国は悪いこと考えてるんでしょ」
「嘘ばっかり言ってるんでしょ」とか「
日本の方が良いでしょ、正しいでしょ」と考えてしまう方々。
「中国と聞くだけで否定したくなっちゃう病」の人たちですね。割といらっしゃる気がします。
その状態でモノゴトを受け取って行動しちゃうとどうなるでしょう……!
「フェイクニュースを拡散する人」
「正しい情報で行動できない人」
「センセーショナルに人や組織を叩く人」
になっちゃう可能性が高いような気がします。
そうすると必要以上に不安が煽られて社会不安が広がったり、いわれのない差別が発生したり、感染が拡大したり……となります。
つまり「強い固定観念」が、情報のインプットや解釈に悪影響を及ぼしたりするかも……ということですね。
こういう緊急時は特に危険です。
関東大震災の時「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマが出回って、罪のない人がたくさん殺されてしまった、という話があったかと思うのですが。
人々が情報のインプットや解釈を正常に行わないと、そういう本来生まれ得なかった加害者・被害者を増やしてしまう事態になってしまうかもしれません。
加えて、自分は自分とは関係のない他者(中国)を叩いていたつもりでも、そういう振る舞いの積み重ねによってできた社会の世論や空気が、最終的に自分が感染者や感染が疑われる状態になった時に、回り回って自分を傷つける結果になるのかも……!と思います。
悲しいですね。
もちろん「全ての思いこみを捨てて、物事をフラットな目で見ましょう」というのは現実的には難しいです。
でも、自分のちょっと歪んだ認知を自覚して情報をインプット・解釈した方が、最終的には自分や周りの人の安全な社会生活を担保することに繋がるのでは!と思います。
また緊急時に限らず、「中国というだけで否定したくなっちゃう」となると、新たな知識や面白い情報を得る機会を自らシャットダウンしてしまっている、ということになる気がしてます。
それはちょっともったいないなーと。
今回の災害一つとっても、緊急時の政府や地方自治体の対応、テック系企業の素早いサービス提供、などなど色々勉強になります。
新型肺炎対策、中国民間企業から提供サービス続々、見習うべきポイントは数多い
中国の武漢を中心に、新型コロナウイルスが猛威をふるっている。
感染者が1万人を超える中(2/2時点)、中国政府・市政府も、交通機関を停止して武漢の封鎖、団体での海外旅行を中止、春節休暇の延長など、数多くの対策を行い、拡大防止に努めている。
その中でも驚くべきは、10日間というスピードで武漢に臨時病院が二つ建設されていることだ。
それは日本に対する「誇り」?それともただの「傲慢」?
この件で、「こういう中国に対する固定観念はなんであるんだろう?」みたいなことを考えていたのですが!これは「『誇り』が『傲慢』になってしまっている」とも言える話かな、とも思っていました。
そもそも日本人は対中国のみならず、他のアジア国家に対しても見下しちゃう傾向はあるよね、という気もしています。
漠然と「日本よりすごいわけがない」と思ってしまっているという感じですね。
かくいう私も自分のそういう思考を感じる瞬間があります。(これも「そういう傾向がありそう!」という話なので、そうじゃない方はスルーしてください!)
そのような傾向を見るにつけ、また自分の中にもふと感じるにつけ、日本で暮らす中で「ジャパンアズナンバーワン」の時代の考え方やモノの見方が無意識のうちに自分に刷り込まれているのかしら、と思います。
私はバブル時代の終わりの年に生まれたので、実質的に「ジャパンアズナンバーワン」みたいなことを感じたわけではないはずなのですが……。
やっぱり無意識のうちにそんな気持ちがあるんですね。
とは言え、「日本がすごいという漠然とした気持ちがある」ということは、言い換えると「日本に対して何らかの部分で誇りを持っている」ということです。
とても良いことですね。
でもここで注意しなきゃいけないのは、その「誇れることがあるよ」ということが「日本以外」たる外国を見下す理由にもならないというところかな、と思っています。
無意識だったとしても「俺の日本よりすごい国があるわけがない」(ラノベのタイトルみたい)、というような思考に基づいたアウトプットは、「誇りを持っている」じゃなくて「傲慢である」ということになりがちかなーと。
ここ最近は日本が調子悪くなってきちゃったんで、「いやいややっぱり日本はすごいんだ!」という傲慢な気持ちが逆に強くなってきちゃってる所はあるのかもしれません。
昔と比較してどうだかわからないのですが……!
今やるべきこと
色々書いてきましたが!私個人としては、コロナウイルス関連の報道やSNSでの反応から、お決まりの陰謀論やここぞとばかりの中国叩きが各所で観測されて、なんだか辛いなーという気持ちでいっぱいです。
日本人が中国に対して色々な気持ちを抱くのはわかるんですが……。
それもういちゃもんじゃん!みたいなヘイトの発露は、恥さらしだし見ていて辛いものがあるな、と感じます。
またもちろんそういう方ばかりではないとわかりつつも、そのテンションで行動したら社会不安が大きくなるだけだよ!と思って心配になってしまうわけです。
私たちができることは、ファクトとは関係ないことを騒ぎ立てて不安や憎悪を拡大することではなく、社会を守る一人一人の責任を自覚しできる範囲で必要な行動をとることかなあと思っています。
やるべきことはそんなに難しいことではなくて、
・手洗い・食事・睡眠に気をつけて生活すること
・匿名のTwitter情報やワイドショー情報ではなく、公式機関の発表・見解を参考にして行動すること
・体調不良を感じたら電話して指示を受けてから医療機関を受診すること
・むちゃを言わず/むちゃをせず医師の指示に従うこと
とかだと思います。(他にもあるかもですが、できることをやろう!ということが言いたいです。)
特段特別なことではないと思うんですけど、そういうことが、自分を、社会を、国を、世界を守ることに繋がるんだろうなあと考えている今日この頃です!
皆様もご自愛ください!
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。

<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>
第6回 地方創生×事業再生
再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。
【今回のトーク概要】
- 0. オープニング(5分)
自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」 - 1. 事業再生の現場から(20分)
保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例 - 2. 地方創生と事業再生(10分)
再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む - 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説 - 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論 - 5. 経営企画の三原則(5分)
数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する - 6. まとめ(5分)
経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”
【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。
【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
ご視聴登録は こちらのリンク からお願いします。
(2025/7/14更新)
【プロフィール】
滝沢頼子
1991年生まれ。
大学卒業後、UXコンサルとベンチャー2社を経て、中国でのビジネス視察ツアーなどを実施する株式会社hoppinを創業。http://hoppin.co.jp/
神楽坂とワインとももクロが好き。ウーパールーパー、カピバラなどの目が離れている生き物に似ていると言われがち。
ブログ:たきさんのちゃいなブログ
twitter:takiyori0608
note:たきさん