有名な話に年収800万円で幸福は頭打ちになるというものがある。
<参考 年収800万円を超えると幸福度は上昇しなくなる | 幸福の「資本」論 | ダイヤモンド・オンライン>
あくまで体感的な話にはあるが、これは真実だ。
確かに、お金は使おうと思えばいくらでも使える。
だが、普通にお金の事を気にせずに暮らし、必要十分には欲が満たされる水準のようなものがある。
僕はこれを真の意味での生活水準と呼んでいるのだけど、この真の意味での生活水準こそが年収800万円という数値に現れている。
都心部で車を買ったり家を買ったりすれば湯水の如くお金が流出はするけれど、それなりに気を使って生きられるのなら年収800万円近くともなれば難しい事を考えずに普通に暮らしていたらお金はむしろ余る。そういうものである。
お金で幸せを買うのは、底が抜けたボトルに水をいれるようなもの
この段階に到達した後、お金の力だけで幸せを増やそうとするとかなり無理がたたる。
フェラーリを購入したり洋服を一流のブランド品で固めたりと高価なものを身に纏う事で一時的には気分をアげる事は誰にもできるが、そのような表面的な消費の仕方での幸福は残念ながら早々にして飽きる。
誰にでも経験があると思うのだが、子供の頃おもちゃがどうしても欲しくて欲しくて仕方がなかったのに、実際に手に入れてみたらすぐに飽きてしまったなんて事があるだろう。
お金でインスタントに買える幸せはこれに似ている。
手に入らないうちは魅力的にみえるのだが、実際に自分のモノになると急速にさめる。
そういう幸せを維持しようとするのは底が抜けたボトルに水をいれるようなものであり、賢いお金の使い方ではない。
ZOZOの前澤さんのような人ならまだしも、普通の人はやらないほうが無難である。
日本のシリコンバレーは美少女ゲームという形で生じていた
だがこれはお金を使って幸せになれないという事を意味するものではない。
むしろ年収800万円から先の幸せを手に入れるのにお金は必要不可欠とすらいえる。
以下、実際の題材を使用してその手に入れ方を書いていこう。
「16bitセンセーション 私とみんなが作った美少女ゲーム」という漫画がある。
この漫画はパソコン黎明期の時代における美少女ゲームの始まりを描いたものだ。
よくスタートアップ界隈なんかではGoogleやヒューレット・パッカードといったシリコンバレー系の企業がガレージで始まりを遂げたという事がノスタルジックに語られているが、この漫画を読むと美少女ゲームも全く同じであったという事がわかる。
怪しいパソコンショップの二階で、ゴロつきとしかいいようがない怪しい人達が「あーでもない、こーでもない」とロースペックなパソコンを前に試行錯誤し、必死になって面白いことをしようと試行錯誤するその姿はもう完全にまんまベンチャー企業史である。
この本を読めば美少女ゲームという日本の素晴らしき文化もまた、Yahoo!やサイバーエージェントといったITの本流に負けないほどにガレージから生じた素晴らしきスタートアップだったという事がよくわかる。
残念ながら日本からGAFAは発生しなかった。
しかし日本は美少女ゲームという、世界に誇れる素晴らしい文化を生み出せたのだ。
その黎明期を追えるというだけでも、この本は本当に面白くて仕方がない。
お金を使って幸せになる為には努力がいる
この本には2つのタイプの人種がでてくる。
一つは制作サイドで、彼らは現代と比較すると馬鹿みたいに高くて使い勝手も悪いパソコンを振り回して必死になって”面白いモノ”を生み出そうと努力する。
僕が思うに、彼らはお金を使う事で”面白い仕事”を生み出し、結果として幸せを増大させた才能ある人達だ。
その当時、普通の人ならばどう考えても使用感に見合わなかった高価なPCを前にして、無限の可能性を信じてフロンティアを突き進んだその体験は、もう無茶苦茶に楽しかったに違いない。
単純にキラキラした装飾品を身に纏う以上の幸福が、間違いなくそこにはある。
お金で幸せを増やすのに、努力は最高の動力源だ。
お金×努力で仕事を発生させ、その業界の先陣を切れたりすれば、そこにあるのは夢中だけだ。
夢中になり続けてお金も稼げて業界での評判やファンをどんどん増やせるだなんて、どう考えても幸せしかそこには無い。
こういう表面的ではない使い方ができるのなら、お金は使えば幸せが増大するガソリンとしての機能を果たすようになる。
お金は努力と組み合わせて仕事にできれば、年収800万円の幸福の壁をやすやすと超える種銭となるのである。
お金で幸せになるには嗅覚がいる
先ほど16bitセンセーション 私とみんなが作った美少女ゲームには2つのタイプのお金で幸せになった人種がでてくると書いたが、そのもう一つとは消費者の事である。
実はこの消費者もまたお金で幸せを増大させる事に成功した人種である。
パソコン黎明期は現代と違って本当にクオリティの低いゲームしかなかった。
マインスイーパーやソリティアが高品質に思えてくるぐらいに、黎明期時代のゲームは散々なものである。
だが、そこには確かに新しい時代の息吹のようなものはあった。
その新しい時代が幕開けする可能性が開拓される事を促進させた一端には、間違いなく消費者が関与している。
現代のあまりにも高品質すぎるゲームと比較すると、黎明期の美少女ゲームは本当に散々である。ちょっとエッチな絵がでてくるだけで御の字、下手すると
「これはゲームと呼んでいいのか?」
なんて地雷がバカみたいに高い価格でショップに陳列してある中で、あなたはその地雷原にわざわざ突き進もうだなんて思うだろうか?
どう考えても、普通の人ならばそんな地雷原に脚なんて踏み入れない。
同じぐらいのお金を使って、もっと高品質な遊びに手を伸ばすのが”賢い”消費者である。
だが…その地雷原に脚を踏み入れた猛者達がいたのである。
彼らは身銭を切って魑魅魍魎が跋扈していた当時の美少女ゲームというジャンルに突き進んだ。
結果、その盛況史の生き証人としてリアルタイムに躍動感溢れる生を獲得できた。
あれをリアルで追体験できたという事には、お金では絶対に買えない価値ある。
昔を懐かしむのは最高の贅沢である
懐古厨という言葉がある。これは最近の流行にのれず昔だけを懐かしんで「あの頃は良かった」と言い続ける古くなった人間を指す言葉だ。
この言葉はネガティブなニュアンスで使われる事が多いが、実際問題として歴史の生き証人として当時の空気をダイレクトに味わうという事の心地よさは、ちょっと他に得られる性質の快楽ではない。
例えばビートルズがリアルタイムで流行していた時、ジョン・レノンが殺される瞬間まで追っかけてたら、そりゃもう無茶苦茶に心に残る体験となっただろう。
身銭を切ってリアルタイムに当事者をやるという事には、お金だけでは絶対に買えない楽しさがある。
その違いはレンタルやストリーミングサービスでコンテンツを楽しむのと、映画館で実際に最新のコンテンツを楽しむ事ぐらいには体験として異なる。
製作者だけでなく消費者だって、このようにお金で幸せを買う事はできるのである。
多少の嗅覚と地雷を恐れない強い心さえあれば、今でもフロンティアはそこかしこにあるだろう。
生活必需品の外側にある生活”非”必需品という領域であるからこそ、これらの楽しさには適正価格のようなお金の絶対金額では決して測れない尺度が発生する。
そういう生活”非”必需品の領域への課金は、年収800万円の幸福のNext stageを目指すにあたっては必要不可欠なものになる。
この世界をリアルタイムで追体験できるかどうかは、全て己の嗅覚にかかっている。
みんなが騒ぎ始める前から面白い文化の立ち上がりにフル・コミットできれば、後に残るのは幸せな思い出だけだ。
昔を懐かしむのは人生における最高の贅沢の一つだ。
その贅沢を手に入れるために何ができるかを淡々と深堀りしてゆけば、お金なんてただの思い出の種銭でしかないという現実に気がつくことができるだろう。
お金で変わらない人は既に狂気に至っている
最後に大金を前に変わる人と変わらなかった人について文章を〆よう。
16bitセンセーション 私とみんなが作った美少女ゲームの第2巻において、ゲーム制作が大当たりして金に人生を狂わされた人達の話が出てくる。
人間、仕事で大当たりして莫大なお金が手に入ると、使わなくていいようなものにお金を使いようになるのだという。
それが加速すると段々とお金で何でもできるような気になり、どんどんお金遣いが粗くなる。
気がついたら、そうして膨れ上がった自分と環境の為に働かなくてはならないようになり、結果的には一周回ってお金の奴隷のような役回りになってしまうのだという。
その後多くの人はかつての成功から転がり落ちて人生の下り坂に突入するわけだけど、その段階に至っても贅沢がやめられず、最終的には人も金も何もなくなっていたという段階にまで堕ちるのだそうだ。
一方、いくらお金を持っても何も変わらないタイプの人達もこの世にはいるのだという。
筆者いわく、これらの人は最初から狂気の領域に入っており、だからお金なんかでは変わらないのだという。
この狂気の領域に入っているようにみえる人達はお金のエネルギーに全く影響されずにその後も淡々と凄いものを生み続けているのだというが、改めて考えてみるとこれは現実社会でも全く同じである。
テスラのイーロン・マスクやソフトバンクの孫正義さんなんかを例にあげるまでもなく、世の中の超人達はお金を出汁にして、淡々と仕事に打ち込み続けている。
「あなたはそういう”狂人”の領域にたどり着けますか?」
人生が私達に問いかけている事は、そういう事なのだと自分は思う。
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奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
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(2026/01/19更新)
【著者プロフィール】
都内で勤務医としてまったり生活中。
趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。
twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように
noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます
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