こんにちは。ソリマチ株式会社、営業の高原です。
たった20年前、「モノを買う」という行為はその商品がある場所に行って、その場で購入するということが当たり前でした。
書店、家電量販店、百貨店……
「買う」は「お店に行く」と等しい行為でした。
今では、インターネットで当たり前のようにありとあらゆるものが買えます。そして、もっとも劇的に変化したものは、ソフトウェアの購入方法かもしれません。
ただ「ソフトウェアの購入」と言っても、若干抽象的です。
ちょっとわかりにくいなあと言う方のために、1つの例をお話します。
テレビゲームをやったことのある人は多いと思います。
スマホゲームではなく、専用機のテレビゲームです。40代前後ならばファミコンやゲームボーイ、30代前後はWiiやプレステなどにどハマりした世代だと思われます。
当時、自宅でゲームをするには、例えばファミコンでは、ファミコン本体を持っているだけではダメで、当時カセットと呼ばれるゲームのプログラムの入ったソフトウェアを購入しなければいけませんでした。
すこし思い出してみてください。
それらをどこで買いましたか?おもちゃ屋とか家電量販店に買いに行っていたのではないでしょうか。
「ドラゴンクエスト」など、人気のソフトは、おもちゃ屋さんの前に長い行列ができたものです。一種の社会現象ともなりました。
「あー、そんなこともあったねー」
と、多くの人が思うのではないでしょうか。
そうです。昔の名残で、発売日に店舗で集うイベントのようなものが残っていますが、ゲームを店舗で購入することはほぼなくなりました。
インターネットが発達したおかげで、ダウンロード販売という形が浸透したからです。その典型的がスマホのアプリです。スマホのアプリを店舗で買った人はいないでしょう。
さて、「ソフトウェア」の販売方法が大きく変わってきた中、ソリマチは1972年に設立後、累計40万社以上に「ソフトウェア」を継続して販売し続けています。
なぜ長年、環境が変わり続ける中でソフトウェアを売り続けることができたのか。
今回はそんな話です。
ソリマチのソフトウェア販売の始まりは、1986年に開発された農業簿記です。
もちろんインターネットもなければ、家電量販店もなかった時代です。そんな時代に「ソフトウェア」をどう販売していたのか。
今では考えられないですが、田んぼに車で乗り付け、そこで働いている農家の方々をひとりひとり尋ねて説明をし「手売り」をしていました。
こうした地道な販売からソフトウェアの販売は始まりました。「千里の道も一歩から」と言えるかもしれません。
そして徐々に「パソコン」が広く浸透すると、我々の営業先は3つになりました。
・会計事務所
・システム販売会社、営業会社などの販売代理店
・家電量販店
3種類のお客様は、それぞれ異なった特色を持っているので、個別の要望にあった営業が必要です。
例えば、会計事務所さんの要望の中で大きいものは「素早くデータ入力・仕訳ができるインターフェース」です。
一見、会計事務所なのだから、複雑な、高度な機能が必要とされているのでは?と思うかもしれませんが、そうではありません。
なぜなら、会計事務所の大きな収益源は「経理業務のアウトソースを請けること」だからです。
自社で経理計算をすることを「自計化」と読んでいますが、自計化している会社さんは全体の3割であり、残りの7割の会社では、経理の計算は会計事務所さんに代行してもらっています。
要するに、データ入力代行が大きな収益源なので、「データ入力がどれだけ素早くできるか」で製品を選ぶのです。
販売代理店さんの要望は当たり前ですが「利ざやの大きい商品を売りたい」です。
ただ、利ざやを大きくするためには「お客様への提案」が重要です。
したがって、我々は4〜5万円という売上であっても、よく一緒に付き添って、販売代理店さんのお客様のところへ行って、私たちのソフトウェアのデモを手伝ったりします。
そうすることで販売代理店さんが困っていることを知ることができ、もっと良い提案ができるようになるのです。
しかし、こう言った話をするとたまに「4,5万の売上しか立たないのでは?」「同行するのは割に合わないのでは?」と聞かれることがあります。
でも、我々はそういった小さい売上も非常に大事にしています。
売上は短期的なものではなく、長期的な関係の中から生み出されるものだ、と考えているからです。
そして、以前と大きく変わってきているのは、家電量販店での販売方法です。
インターネットがこれほどまでに普及する前は、一般のユーザーさんが唯一商品を購入する場所でしたので、実際にソフトウェアを購入頂く場所としてとても重要な場所でした。
現在ではソフトウェアはパソコンからダウンロードすることで直接購入できますので、必ずしも店舗で購入する必要がなくなりました。
しかし今でも、我々は家電量販店での売り場スペースを大事にしています。なぜなら、そのスペースは単に商品を購入する場ではなく、ソリマチのソフトウェアを体験する重要なスペースとなっているからです。
会計ソフトは年配の方々も非常に多く使われています。年配の方は、「会計ソフトを使いたいけれどパソコンの使い方がわからないからまずはスタッフに聞きたい」というご要望を持っているのです。
さらに、そういった「売り場スペース」を利用して、「会計」というものを知って頂く場とすることもできます。
最近では、税理士をお呼びしての「税務申告の相談会」というイベントを家電量販店の中で行なっています。
税理士の方にとっても、セミナーを行うことには新規顧客開拓という意味でメリットもありし、家電量販店の方にとっても店舗への集客ということで、現在非常に重要なイベントとなっています。
時代の流れは「モノ」から「コト」などと言われていますが、家電量販店さんとのコラボレーションは、その流れを最も顕著にあらわしています。
上でご紹介したように、我々の営業先、営業手法は日々変化しています。そこでは日々、長期的な視点に基づいた、営業手法の更新と、チャネルの開拓が行われています。
では、こういったアイデアの創出やチャネルの開拓はいかに行われているのでしょう。
実は、これらの行為はすべて、「現場の営業パーソンの創意工夫」の中から生まれました。
これらの精神は今でも脈々と受け継がれていて、私は中途入社してすぐに「まずは君の思いのままにやってくれ」と当時の上司に言われたことを憶えています。
実は「40万クライアント」を達成した秘訣はこの「思いのままやってくれ」という一言に隠されていると私は思っています。。
我々の営業は短期的なノルマを追いかけることはしません。長期的にどこまで伸びそうなのか、営業各自が判断し、その情報を共有することで、徐々に営業手法の最適化を図っています。
世の中には「過酷なノルマ」を与えて、それを短期的に達成するように仕向ける営業も少なくありません。しかし、それでは新しいアイデアも出ず、また営業も疲弊します。
時代に対応し、長期に渡って会社が繁栄するにはこの
「営業が短期的な売上だけを追求しない」
という態度が絶対に必要なのです。
(上記写真クラウドサミットにて 2017.1.20)
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