はじめまして。
8/29に『僕らはSNSでモノを買う』を出版します、飯髙悠太です。
SNSが登場し、今では8000万人の方が利用しています。
今世の中に上がっているSNSの企業活用事例といえば、「キャンペーンを実施しフォロワーが○万人増えた・エンゲージメント率が○%向上した」など、売上に直結しているものではなく、SNS内においての数字ばかり。
私はこの状況に不安と疑問を感じています。
みなさまも感じてるように今の消費購買において、SNSは大きく寄与しています。
企業は売上がないと潰れてしまいます。なのにSNS活用のKPIがフォロワーでいいのでしょうか?
本著ではSNS活用でしっかり売上をあげていこう。そしてSNSの考えかたなどをお伝えしたいと思っています。
今回は、9章「SNS時代の購買はULSSASになる」の全文を公開します。
・本著出版に対する想い「8/29初書籍出版!タイトルは「僕らはSNSでモノを買う」 #ウルサス本」
・『僕らはSNSでモノを買う』の目次・はじめに・8章全文公開
9章 SNS時代の購買はULSSASになる
登場人物
飯髙
SNS時代の購買プロセスを、僕たちは「ULSSAS」と名付けているんだ
木下
ULSSAS?
飯髙
ULSSASというのは、UGC(ユーザーが作ったコンテンツ=口コミ)→Like(いいね)→Search1(SNSで検索)→Search2(ヤフー、グーグルなどで検索)→Action(行動・購買)→Spread(拡散)を指す造語。SNS時代に、どのように情報が伝播するかを追いかけた結果生まれた概念なんだ
この購買プロセスの特徴は、まずUGCが起点になっていることです。
ここまで何度もお話ししましたが、情報爆発時代には、自然発生的な口コミが一番大きな力を持ちます。
この口コミを、購買サイクルのトップに置いていることがポイントです。
商品を買ったり、サービスを受けたりしたユーザーが「この商品(サービス)、すごくいい!」とつぶやいたとします。
このUGCが、すべてのスタートになります。
個人がそれぞれメディアを持っているという考え方です。(もしもここでUGCが生まれなければ、企業がコンテンツを作って投入することになります)
次の段階がLike。友達やツイートを見た人が共感して「いいね!」や「リツイート」をします。
そして、「いいね!」をした人の中には(共感した人の中には)、商品やサービスについてSNSやグーグル、ヤフーを使って、商品名やサービス名で検索(Search)を始める人もいます。
このSearchを、SNSでの検索と、グーグル、ヤフーなどの検索エンジンでの検索の2つに分けたのもポイントです。
実は、SNSサービスの利用目的は、もともとSNSがリリースされたころの主な利用目的だった「友人、知人とつながること」だけではなく、情報収集の場になってきています。
検索エンジンだけではなく、SNSで検索をするユーザーはどんどん増えています。
ツイッターやインスタグラムなど、SNSで検索されるのは、商品名や位置情報などの情報や、その商品やサービスに対する評判や意見など。
イメージとしては、「リアルな声をのぞく」ために検索をするといった感じです。
一方で、グーグル、ヤフーなどでの検索は、公式サイトにたどり着いたり、知識を検索したり、詳細な情報を検索する場合に使われます。
お店なら予約をする場合もありますし、商品ならECサイトで購入することもありますよね。イメージ的には、司書や先生に尋ねる感じでしょうか。
UGCで口コミが生まれ、それに共感したユーザーは、まずSNSでその商品やサービス名を指名検索します。(Search1)
そこで公式アカウントの様子を見たり、商品の評判をチェックしたりしたユーザーは、その後、グーグルやヤフーで、さらに詳細な情報を確認します。(Search2)。これが、2段階のSearch(検索)になります。
検索をしたユーザーのうち何人かが商品を買うと、これがAction(購買)になります。
そして購買するというActionが生まれ、その人たちが「この商品よかった!」とSpread(拡散)すると、さらに新しいUGCが生まれます。
このUGCがまた「いいね!」されていくことで、ULSSASのサイクルが自動的に回っていきます。
ちなみに、最後のSを、Share(シェア)ではなく、Spread(拡散)としたのは、最近は「どうぞ見てくださいね」という情報提供というよりは、最初から拡散を目指した「承認欲求をのせた投稿」の意味合いが強いからで、これもまた最近のユーザーの特徴的な行動となっています。
***
浅野
なるほど。UGCが生まれたら、ULSSASのサイクルが回りはじめるということですね
木下
うーん、私はまだちょっとULSSASの購買サイクルが、うまくイメージできないのですが……
飯髙
たとえば、木下さんが友達の投稿で、ものすごく美味しそうなカニを見て、「いいね!」をつけたとするじゃない
木下
はい
飯髙
まずは、その友達のつけたハッシュタグやお店の位置情報で店名を特定するよね。
そのあと、口コミを見たり、予約をしたりするために、グーグル、ヤフーを調べるんじゃないかな
木下
たしかに
飯髙
それで、実際にそのお店に行ったら、友達と同じように、そのカニを撮影してアップするんじゃないかな。
ここで木下さんのユーザー行動はいったん終わるけれど、この投稿こそが、次のUGCとして、木下さんをフォローしている人たちに届く
木下
なるほど。たしかに最近の自分の行動を振り返っても、同じようなことをしてるなと思いました
***
もし、このULSSASの循環を意識的に作ることができれば、費用対効果の高い施策となるでしょう。
たとえば、「この商品は最高だよ!」と、口コミを発生させたユーザーに100人のフォロワーがいたとします。
もし仮に、フォロワーのうちの何人かがこのUGCをリツイート(拡散)したとしたら……。
そして、さらにそのフォロワーの何人かがリツイートしたとしたら……。
UGCから生まれた流れが、無限に連鎖して、ユーザーに届いていく可能性もあるのです。
ユーザーのコンテンツによって、このULSSASサイクルがうまく回っていくとしたら、それは企業にとって大きな資産になることがわかるでしょうか。
これまで検索に対するマーケティング手法は数々いわれてきましたし、ある程度方法論も確立したと思います。
でも、SNSマーケティングの手法は、まだほとんど提唱されていませんし、効果検証もされていません。
今後、SNSマーケティングは、ULSSASがスタンダードとして定着するのではないかと考えています。
浅野
今、ULSSASをうまく回しているのって、どんな例があるでしょうか
飯髙
そうだなあ。UGCを生成する企業ということだと、さすがにスナップマート(https://snapmart.jp/)は上手だなあと思うよ
木下
スナップマートって、自分が撮影した写真を企業が買い取ってくれるサービスですよね
飯髙
そうそう。写真を出品した人は、自分の写真を企業に買ってもらったら「スナップマートで写真が売れました」とツイートするよね。
まずここでUGCが発生します。そしてそれを見たユーザーは、自分も写真を撮って出品してアップしようと思うかもしれない。ここでもUGCが発生する
浅野
そもそも、UGCが発生しやすいモデルなんですね
飯髙
そうなんだよね。そして、このUGCを見た企業がSNSや検索エンジンでスナップマートを調べ、写真を買うようになれば購買につながるでしょ
木下
これが2つのSとAですね
飯髙
このケースでは、購入した企業自体がスナップマートのことをつぶやいたり、拡散するわけではないかもしれないけれど、その写真が広告に使われたりしたら、その写真を売ったユーザーは、「これ、自分が撮影した写真なんだ!」と、拡散する可能性が高いよね。ここで、拡散のSが起こる
浅野
そうか。写真を買う企業が増えれば増えるほど、ULSSASのサイクルが回り続けるのか
木下
そこまでくると、自動的にULSSASのサイクルが回っていくわけですね
飯髙
そうだね。この例でもわかるように、SNSマーケティングで企業がやるべきことは、UGCがより拡散されるようにSNSを運用することになるね
***
では、このULSSASのサイクルをより効果的に回すためには、何に気をつければいいでしょうか。
それはひとえに、UGCを増やすことに尽きます。
すでに、お話ししたことのくり返しになりますが、UGCを増やしたり広げたりするためには、
• UGCが生まれやすい企画を考える
• 生まれたUGCを効果的に広げる
の2つの方法があります。
次の章では、このULSSASのサイクルを回すために、企業がすべきことについてお話しします。
9章 まとめ
・SNS時代の購買プロセスはULSSASになる。
・ULSSASが回転しはじめると、自動的にそのサイクルが回っていく可能性がある。
・企業がすべきことは、起点となるUGCを生み出すことと、効果的に広げること。
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【著者プロフィール】
著者名:飯髙悠太
広告代理店、制作会社、スタートアップで複数のWebサービスやメディアを立ち上げる。
企業のWebマーケティングやSNSプロモーションをはじめ、東証1部上場企業を含めて100社以上のコンサルティングを経験。
2014年4月、「ferret」の立ち上げに伴い株式会社ベーシックに入社後、「ferret」創刊編集長、執行役員に就任。
2019年1月にホットリンク入社、同年4月執行役員CMOに就任。
◯Twitterアカウント▶いいたかゆうた