1週間ほど前に、おもしろいツイートが回ってきた。

13d1604d

受験勉強を始める子供に見せる画像(本当なのだろうか?)のようだが、よく出来ているな、と感じる。「子供の頃から勉強して、いい学校に入って、良い企業に就職すると、一生安泰だよ」というメッセージを伝えているのだろう。

さて、この画像の中で注目したいのが40歳の「もうここからは人生は変えられない」という一言だ。これを読んで、ある方の話を思い出したので、それを書こうと思う。

 

私は以前、殆どの社員が50歳以上、という会社に訪問したことがある。社長はすでに65歳を超えており、役員も軒並み60歳以上、普段はむしろ20代、30代の方々が多くを占める企業ばかりに訪問していた私としては、全く異質の会社であった。

若手の全くいない会社の社長にお話を聞くのははじめての経験だ。私は社長に素朴な疑問をぶつけた。

 

私 「若手が全くいない会社にご訪問するのは初めてです。」

社長 「そうでしょう。他にはあまりないと思います。」

私 「なぜ若手が全くいないのですか?」

社長 「カンタンですよ。採用していないからです。」

私 「採用していない…?」

社長 「そうです。ウチでは50歳以上の人しか採用しません。」

私 「…!!」

社長 「不思議ですか?普通に考えればそうですよね。でも、採用にはちょっとした基準があるんです。」

私 「どんな基準ですか?」

社長 「人生を変えたい、という人だけを採用しています」

私 「50歳以上で、かつ人生を変えたい人、ということですよね…?変わっていますね…!」

社長 「そうでしょう。普通は「人生を変えたいなら、若いうちにやらないといけない」って言われてますからね。でも、人生を変えるなんて、誰でも、いつでもできるんです。」

私 「……ぜひ、そのお話、聞かせていただけないですか?」

社長 「いいですよ。」

 

社長 「安達さん、私は社員にいつも言っているんです。人生を変えるには、ほんのちょっとのことを知るだけでいいんだ、と。」

私 「はい。」

社長 「一つ目、人生を変えるのは、一発逆転の出来事ではなく、些細な日常の習慣です。「続けること」そのものに価値があります。例えば、「早起きする」であったり、「通勤時間に必ず本を読む」でもいい。仕事も同じです。電話を毎日10本する、であったり、お客さんにこころをこめてメールを書く、でもなんでもいいです。とにかく、小さい習慣から人生は変わります。」

私 「でも、大きくは変わらない気もしますが…」

社長 「そう思いますか?電話を毎日10本かけた社員は、トップ営業になりました。こころをこめてメールを書いた社員は、リピート率No.1です。2年もすれば、誰にでも自信が生まれます。」

私 「…」

社長 「とにかく、何かを続けることが出来た、という実績が人生を変える第一歩です。」

私 「確かに…そうですね。」

社長 「二つ目、先ほどの習慣が意識せずにできるようになったら、次の習慣に挑戦する。なんでもいいから、常に新しいことを始めることです。」

私 「なんでもいいんですか?」

社長 「本当に、なんでもいいです。挨拶を欠かさない、でも、9時を過ぎたら食事を慎む、でもいいです。自分が前から気にしていたことをやればいいんです。」

私 「確かに…私もやりたいとおもっていたこと、あります。」

社長 「ここまで、だいたい皆5年かかります。でも皆、見違えるようになりますよ。」

私 「でも、習慣を続けられない人もいるんじゃないですか?」

社長 「そのとおりです。そこで、三つ目、一つ挫折したら、次のものを設定する。無理して出来ないことを続けない。失敗は、それ自体がノウハウです。習慣には自分に合うものと会わないものがありますから、ムリはしない。重要です。先ほどの「電話をかけ続ける」という社員は、そこに辿り着くまでに二回ほど挫折していますよ。何かができない、ということについて、罪悪感を感じる必要は全くありません。「できないこと」がわかることは大事です。」

私 「なるほど…」

社長 「四つ目です。決して他人のせいにしない、ということを守ってください。他の人のせいにするということは、自分の人生を自分で決めていない、ということです。」

私 「嫌な上司のせいであっても?」

社長 「ハハッ、そうですね。仮に上司のせいであっても、自分のせいであっても、結果は同じですから、悩むだけ時間の無駄でしょう?」

私 「…」

社長 「五つ目です。人に親切にする、ということを守ってください。

私 「普通ですね。そんなのでいいんですか?」

社長 「もちろん。大事なことです。すべての変化は、人に親切にすることから始まるんですよ。安達さんは、電車でお年寄りに席を譲ってますか?」

私 「むー…。」

社長 「最後です、「人生を変えようと思った時点で、既に人生は変わり始めている」と思ってください。

私 「…どういうことでしょう?」

社長 「50歳で人生を変えたい、という決意がどれほどのものか、安達さんに分かりますか?」

私 「相当の決意、ということでしょうか。」

社長 「そうです。だからこそ、私は50歳以上を面接する、そして、今の話に賛同していただいた方々だけを、採用するのです。私は、そういう方々をリスペクトしているのですよ。」

 

 

中年になったら人生は変わらない、とか、人生を軌道修正するにはとてもエネルギーが要る、といった言説を見る度に、私はあの社長の言葉を思い出し、「そんなことは決まってない」と思い返すのである。

 

【お知らせ】地方創生サービスに関するウェビナー開催のご案内


【ウェビナーのご案内】
中堅・中小企業の経営者や人事担当者様向けに仙台を拠点に活躍するベンチャーキャピタル・スパークル株式会社様と共催セミナーを実施します

営業リストが尽きたらどうする?生成AIを使って自社で始めるDX人材育成とweb集客

社員が主導で新規顧客を呼び込む体制づくり ~成功事例をベースにわかりやすく紹介~

<内容>

-スパークル株式会社-

1.企業の課題解決に向けたDX推進人材の採用・育成に関する状況
2.DX推進人材の具体例とスキル要件
3.人材育成の進め方とそのポイント
4.弊社の支援内容の紹介

-ティネクト株式会社-

1.「営業リストが尽きた時に次に取るべき行動とは?」
2.【STEP 1:自社で始める生成AIを使ったWEB集客の基本ステップ】
3.【STEP 2:成功事例で学ぶ生成AIを使った具体的なアプローチ】
4.生成AIを使った自社社員が動ける仕組み作り
5.まとめと次のステップへ


日時: 2024/11/22(金) 10:00-11:30
参加費:無料  
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込みは ティネクトウェビナーページ ご覧ください

(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)

 

 

筆者Twitterアカウント▶安達裕哉人の能力について興味があります。企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働者と格差について発信。

筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/yuya.adachi.58 (フォローしていただければ、最新の記事をお届けします)