7023561195_f30a5d0281_z組織において、「会議が多くて…」と嘆くひとは極めて多い。週の定例会議、営業会議、経営会議、部内のミーティング、チーム定例…数えあげればきりがないほどの会議がそこには存在する。

だが、「会議」という言葉を聞くと「もう会議はうんざり…」といった声が多いのは、残念ながら無駄な会議が多いからだろう。

だから、巷には「会議の生産性を高める」といった本や、「会議のやり方」に関する記事などがあふれている。しかし、そもそも「会議」など、ほんとうに必要なのだろうか。なぜこんなに会議が増えてしまうのだろうか。

 

そこで、上司の方々に「なぜ会議をするのですか?」という素朴な疑問をぶつけると、 ほとんどの回答は「情報共有」および「顔を合わせて話すことが大事」であった。

 

だがここで会議の参加者と意見の食い違いがある。

参加者の方々は「情報共有」はメールやLINEなどのツールやグループウェアなどでも十分だし、顔を合わせることについても、会議では一方的に上司がしゃべるだけであり、特にコミュニケーションがうまく取れている印象はないという。

もちろん、アイデアを出したり、複雑な問題への対処は文字のやりとりよりも直接話したほうが早いので会議は有効だ。しかし、聞けばほとんどの会議は上司の「独演会」となっているようである。

つまり、皆の仕事の状況を聞き、それに対してツッコミを入れ、上司の考え方を発表する場。それがほとんどの会議の正体だ。

 

したがって、この会議ムダと捉えるかどうかは、上司と部下の関係によりかなり異なる。

どういうことか。

有り体に言ってしまえば、上司が支持した仕事の遂行率が高く、きちんと相談がなされていれば会議は不要と考える上司が多い。

逆に、上司が支持した仕事がきちんとなされず、報告もない場合、上司は会議を頻繁に開催したくなる。

 

会議の多い会社の上司はこう言う。「うちの会社では、会議で詰めないと、皆きちんと仕事しないですよ」

会議の少ない会社の上司はこう言う。「うちの会社では、会議不要ですよ。大体のことはきちんと納期まで遂行されますし、困ったら自発的に相談にも来ますから」

 

会議の量と、社員の仕事の遂行率にはかなり密な逆の相関がある。それが私の印象だ。

 

 

例えば、会議が劇的に少ないある会社は、次のような管理を行っていた。

上司は、仕事を部下に依頼するときに必ずメモを渡す。その中には納期や達成すべき水準が書かれている。そして、そのメモの一部をちぎり、「半券」は自分で所持しておく。

その「半券」は、上司の机の後ろの「半券管理表」に人別に貼りだされ、どの人間がどの程度の仕事を抱えているか、自分が何を支持したかがだれでも一目見てわかるようになっている。

 

このやり方のメリットは、

「各人の仕事の量の可視化」

「各人への依頼記録の保管」

「納期管理」

が一度にできることだ。タスクが全員にが可視化されているので、知らない間に仕事が消えていることもないし、上司が依頼したことを忘れてしまうこともない。また、滞っている仕事が一目でわかるので、相談にも乗りやすい。

 

逆に会議が多くて皆が不満を持っている会社は、毎回会議で上司が部下を叱るのだが、上司は次の週には言ったことを忘れ、部下もなんとかこれ以上仕事を押し込まれないように最小限のことしか報告しない。

そんな悪循環に陥っている。

 

 

会議を減らしたいなら、まずは組織的なタスク管理の方法を検討すると良いのではないだろうか。会議のやり方を見直すだけでは、会議の課題は解決しない。

 

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(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)

 

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(Photo:John Benson)