最近は人の相談にのることが多い。

相談の内容は仕事や結婚、親子関係や就職活動など極めて多岐にわたるが、その相談の本質的な部分はどれも極めて似通っている。

すなわち、「自分を軽く扱わないで欲しい」というものだ。

 

これは非常に根源的な欲求のようで、人の行動のかなりの部分を決定しているように感じる。

「私は仕事でもっと評価されるべき」

「夫は私をもっとケアすべき」

「母親は私を軽く扱わないで欲しい」

「学歴にかかわらず、私を見て欲しい」

まとめてしまえば、自分は重要な人物であると見て欲しいという欲望である。こういった欲求は人間性や行動、感情に大きな影響を与える。

 

ヤクザ映画などでよく見る「ナメられたら終わりですぜ」などのセリフ、

歩いている時に、ちょっと脇にどいて人を通してあげればよいのに、絶対に譲らない人

お店で常連として特別扱いして欲しい人

果ては「クレジットカードの色に拘る人」「年収自慢」「学歴自慢」まで、人は自分が重要な人物であるという認識を持たずには生きられないようである。

 

それなりのことを成し遂げている人であれば「自分のことを軽く扱わないで欲しい」という欲求を周りの人々が勝手に満たしてくれるのだが、大抵の人は周りが勝手に褒めてくれるような偉業を何も成し遂げずに人生を終える。

そこで、多くの人は大人になるにつれ「まあ、自分なんてこんなもんだ」という諦めを身につけ、そのギャップを埋めていくのである。

それが、「大人の態度」というやつだ。大人とは、自分の成し遂げたことを客観的に判断し、周りの評価とそれを冷静に付き合わせることができ、自分でそれを消化できる人である。

 

子供はそうはいかない。「すごいでしょ」「偉いでしょ」「よくできたでしょ」と、周りに認めてもらえなければ生きていけない。だから、「ナメられたらあかん」というのも、本質的には子供の態度である。

大人はナメられようが、ナメられまいが、自分の立ち位置を外から見ることができるので、評価の主体は外部ではなく、客観的事実である。

 

「最近の新人は子供で…」という経営者や管理職の嘆きをよく耳にする。

そんな時にマネジメントの本や、記事などで「とにかく部下を褒めろ」という内容のものを見ると、「大丈夫かなあ…」と思ってしまう。

褒めれば良い、というのは幼い子供までである。上司や親は、子供に徐々に「現実を受け入れさせる」という大切な役割があるのだ。ほとんど褒めない上司のほうが、圧倒的に部下を大人にするのである。

 

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(Photo:Ricardo Camacho)