プライドの高い人がいる。それほどプライドの高くない人もいる。が、多くの場合何らかの形で人間はプライドを持っている。
プライドは、七つの大罪の一つで、行き過ぎれば「高慢」と呼ばれる悪徳とみなされている。日本においても、「奢れる人も久しからず」と、平家物語のなかで語られる。人間が社会生活を獲得した太古の昔から、同種の戒めはあったのではないかと思う。
しかし、この「プライド」というもの、今ひとつ正体がわからない。「他の人よりも自分のほうが優れている」という感覚に根ざしたものであることは何となく分かるのだが、もっとわかりやすい定義はないだろうか?
世界一平等な国、世界一幸福な国、として知られている、「デンマーク」では、これに関連した話がある。「ヤンテの掟」というものだ。これはある小説に出てくる架空の村における「ムラの掟」であり、デンマーク人の価値観の一端を担っていると言われる。
1. 自分が特別だと思うな
2. 自分が人より善良だと思うな
3. 自分が人より賢いと思うな
4. 自分が優れているとうぬぼれるな
5. 自分が人より知識があると思うな
6. 自分以上の人間はいないと思うな
7. 自分が何でもできると思うな
8. 他人を笑うな
9. 他人のやさしさを期待するな
10. 他人に何かを教えられると思うな
この「ヤンテの掟」だが、逆に考えれば「プライド」をうまく表していると思う。
面白いのは9.と10.で、「他の人が自分にやさしくしてくれると期待すること」、および、「他の人に何かを教えられると思う」ことも禁止している点だ。
余談だが、
「人より優れている、ということについて無関心であり、人の優しさも、人に何かを教えられることも期待しない状態」
がデンマークのように「世界一幸福な国」を生み出す土壌となっていることはなんとも皮肉である。
個人的には「幸福感」というものは、他社が存在しようがしまいが、それとは関係なく生み出されるものだと信じたいが、現時的には、人間は他人と自分を比べずにはいられない、という限界を示しているのだろうか。
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【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
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参加費:無料
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お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)