人の自慢話を聞いていると腹が立つ、という人は結構いるのではないだろうか。つい先日も会合で
「アイツ、自慢ばかりでムカつく」
「彼はさりげなく自慢話を差し込んでくるよね」
といった話が盛り上がっていた。
社会人になると、様々な人との付き合いが増え、自慢を聞く機会も増える。しかし、その度にムカムカしなければならないのはどう考えても損だ。
そんな人に「自慢話を聞いてもイラつかないで済む方法」がある。前職の時に思わず「自慢話をきくのしんどい……」と漏らした時、当時の先輩に教えてもらった。
ムカムカして気分が悪くなった時にやってみてほしい。
先輩は言った。
「自慢話を克服するためには、まず「自慢話とは何か」を知らなくてはいけない。」
そして、その定義は
「相手の劣等感を刺激する話が、自慢話である」
「そんなもんですかね」
「だから、興味がないものは自慢に聞こえない。劣等感があるからムカムカする。羨ましいと思うから、嫌な話に聞こえる。自慢話は自分の欲望と素直に向き合う機会だ。
つまり、自慢話を軽く聞けるようになるには、自分の中の劣等感と向き合うことが肝心だ。」
「なるほど……」
「そう考えると、相手は自慢をしているつもりがなくても、こっちが勝手に自慢と思ってしまっていることもたくさんある。特に上に立つ人は、妬まれることはできるだけ避けなくてはいけないから、「謙虚に振る舞え」と言われるんだ。」
「で、具体的にはどうすればいいですか?」
「人の話を聞いて、「あ、なんかザワザワするな」と思ったら、まずは自分の中の欲を掘り出す。
なぜ話を聞いてイラッと来たのか、本当にそれがほしいのかを冷静に考えると、意外に「あ、特に羨ましくないわ。隣の芝がすこし青く見えただけ」ということはよくある。
正体が見えてしまうと、対処は難しくない。「あ、別にいらないわ。」で終了。「昔の武勇伝」なんかは、これでサクッとかわして、メシに集中すればいいんだ。
そして、逆に「超うらやましい」と思ったら、その時は謙虚に「学べることがあるか?」と振り切ってしまうのも楽になる。ノウハウを入手するチャンスと思えば、それほど面倒でもない。
そのときは「教えて下さい」でOK。」
「なるほど」
「あと最後一つは「むしろかわいい」と思ってしまう。」
「どういうことですか?」
「自慢話をしたら普通は嫌われる。でも皆それを知っているのに思わずやってしまうんだよ。「こんな人でも褒められたいんだな、ドロドロした人間なんだな」って、思えば腹も立たない。
まあ、そんなことを繰り返していたら人望も失うわけだ。「お気の毒」と思っていればいいんだよ。突き抜けるとむしろ「かわいいなこいつ」とだんだん思えるようになる。」
「本当ですか?」
「本当だよ。試してみ。だって、自慢話するような奴は間違いなく小物だから。どんな成功者でも、自慢ばかりしているようでは……ね。」
処世術にもいろいろあるものだ。「自慢をスルーする術」も、それなりに役に立つのだろう。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
・筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/yuya.adachi.58 (フォローしていただければ、最新の記事をタイムラインにお届けします))
・筆者Twitterアカウントhttps://twitter.com/Books_Apps
・ブログが本になりました。
「仕事ができるやつ」になる最短の道
- 安達 裕哉
- 日本実業出版社
- 価格¥1,540(2025/06/14 13:52時点)
- 発売日2015/07/30
- 商品ランキング39,353位
(Alfonso)