「リーダーがやるべきこと」についての話は多いが、「やってはいけないこと」の話は意外にも少ない。わかりきっているから、ということなのかもしれないが本当にそうだろうか?「やるべきこと」には正解がなさそうだが、「やってはいけないこと」には正解があるかも知れない。
ピーター・ドラッカーによれば、リーダーシップについて、最も高度な技能が必要とされるのは、実は企業ではない。それは非営利組織である。
企業は金銭という生活の糧を人質にとっているため、マネジメントが稚拙であってもある程度人はそれに従う。しかし、非営利組織は違う。人は金銭によって働くのではなく、ただ、自分の満足や使命感に則って働く。
したがって、企業のマネジメントよりもはるかに高度な技能が非営利組織には求められる。
その「非営利組織」において「リーダーがやってはいけないこと」とされているのが、次の事項である。
1.一人で決めること
”多くのリーダーが、自分の行ったことは誰もが理解したと思う。しかし、誰も理解などしていない。従って、決定する前には、人と相談しなければならない。議論したり参画させたりしなければならない。成果をあげるには、自分をわかってもらうために時間を使わなければならない。”
2.組織内の個性を恐れること
”出来る人達の多くは野心的である。しかし、凡庸な者にかしずかれるよりも、自分を押しのけようとする有能な者に取り囲まれる方が、リスクは小さい”
3.後継者を自分一人で選ぶこと
”リーダーは、どうしても20年前の自分に似た者を選びたくなる。しかし、似たようにみえることがそもそも幻想である。もし似ていたとしてもコピーにすぎない。コピーは弱い。軍やカトリック教会では、リーダーは自らの後継者を自らは選べないことになっている。相談はされる。しかし決定はできない。”
4.手柄を独り占めすること、部下を悪く言うこと
”有能なリーダーがいた、しかし一度でも一緒に働いたものは再び一緒に働こうとしなかった。彼は人の弱みばかり気にするたちだった。部下の一人として昇進させることが出来ず、褒めることも出来なかった。”
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