地下鉄に乗って (講談社文庫)JALの月刊機内誌にエッセイがある。飛行機にのる度に楽しみにしていたのだが、それを書いている浅田次郎氏の小説を読んでみたくなり、Kindleで探してみたところ「地下鉄に乗って」という小説があったので、購入して読んでみた。

 

結論としては、非常に良い買い物だった。今まで読んでいなかったのが悔やまれる。

 

主人公の男は、「女性用下着」のセールスマンをやっているのだが、実は巨大な企業の創立者の息子であり、ある事件を境に家を飛び出した、という設定となっている。

主人公は会社の帰り道にひょんなことから、過去にタイムスリップしてしまい、自殺したはずの兄と会う。兄の自殺は一家に暗い影を落としていたのだが、なぜ兄が自殺したのかは「父との喧嘩が原因」という事以外はわかっていなかった。

在りし日の兄と、父との関係がなぜこじれたのか。

そもそも父はどのような人物なのか。

過去と現在を行き来する主人公は次々と以外な事実を知り、ついに真実にたどり着くのだが、それは犠牲を伴うものであった。

 

タイムスリップというネタが出てくるので、軽い話かと想像していたのだが、そうではなく、

「家族」

「日本の復興」

「善意と誤解」

という3つのテーマが非常にうまく語られていると感じる小説であった。

 

 

特に、「善意と誤解」については、主人公のつぶやきがとても悲しい。

 

「少なくとも、家族の誰ひとりとして、愛憎の法則に逆らったものはいない。家族は愛し合っていた。とりわけ、聡明な兄は誰よりも父を理解し、尊敬し、割愛していたのだと思った。」それでも、この結末しか無かった。

 

一日二日で読める小説なので、休日に時間のある人は、是非手にとって見てもらえれば、と思う。

 

 

【お知らせ(PR)】

東京都産業労働局 からのご案内です。

東京都の公的サービス「デジナビ」が都内の中小・零細企業や個人事業主に対してIT導入補助金、デジタルツール導入助成金のご提案をお手伝いします


【都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業】
都内中小企業に対し1社につき1人専任の「ナビゲーター」がデジタル化のアドバイスを行い、経営課題の解決に向けた最大5回のサポートを無料でおこなうものです。


業種別デジタル化成功事例を公開中
<医療業>  クラウドストレージを導入し、業務に必要な情報を共有化
<運輸業>  デジタルとアナログの両輪体制による健康経営への道
<卸売業>  クラウドサービスの活用で全国の情報交換が円滑に
<建設業(建築)>  システム導入で本来の仕事に専念
<建設業(設備)>  ICTの活用で残業のない働き方を実現
<建設業(土木)> 設計から施工まで一気通貫でICTを導入
<製造業> デジタルサイネージで従業員との熱意をつなぐ
<不動産業> 効果的なICTを実現し、顧客視点の全員参加経営へ
<福祉業> 医療連携と最新のICTで利用者の健康を守る
<飲食業> POSレジとキャッシュレスツールで作業負担を軽減


詳細は東京都産業労働局サイト都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業をご覧ください。
お申込みフォーム→ 都内中小企業向けデジタル技術導入促進ナビゲーター事業 参加申込ページ

(2024/1/22更新)