最近初めてお会いした方から、「すごく怖い人なのではと想像していました」と言われた。

私が「仕事を頑張らないといけない」とか「仕事ができるようにならなければならない」と、皆に呼びかけているように見えるから、と言う。

 

その方は「仕事がどうしても好きになれないんです。」と悩んでいたので、「好きになる方法を教えてほしい」という。

 

とんでもない勘違いである。

前も書いたかもしれないが、何度も繰り返し言いたい。

仕事は楽しく、は一般化できるような話ではない。これは一種のゲームなので、向いていない人に好きになれ、というのは無理なのだ。

むしろ、仕事が好きになれない方は、もっと重要なことに時間を使うことを勧める。

 

大体、年収400万だろうが、一億だろうが、本質的には生活の質も大して変わりばえはしない。

人が住める空間は限られているのだし、一度に必要な服も1着だけだ。

腹いっぱい食べれば、もうどんな贅沢な食べ物を見ても、食べたいとは思わないだろう。

 

要するに、それ以上を求める人は殆どの場合、仕事を趣味と捉えているか、名誉とか地位などの虚構を競うのが好きなのである。

仕事が嫌いなのは珍しくもなんともない。

悩むくらいなら、山でも登ってきれいな景色を見て「今、生きているこの瞬間」をどう楽しむかを考えるほうに時間を使おう。

 

だから、

「成果を出す◯◯のコツ」

「上司の評価を高める◯つのポイント」

などの記事タイトルを見るだけで辟易する人の気持ちはわかるし、中には「バカジャネーノ」と思う人もいると思うが、それは完全に正しい。

 

本来、仕事について書かれた記事は、パズドラやポケモンの攻略記事となんら代わりはない。

「ミッションはこのように攻略しろ!」

とか

「ラスボス(上司)はここが弱点だ!」

とか

「こんなアビリティ(スキル)を身につけて、最終ダンジョン(デスマーチプロジェクト)を攻略しようぜ」

と言っているのである。

だから仕事が嫌いな方は、ゲーム攻略サイトやニコニコ動画を見ていたほうが、精神的にもよろしいのではないだろうか。オススメは、ネットなんぞ見ないことである。

 

だから、

「仕事が嫌い」

「仕事をしたくない」

という人へは、「いいと思います。他に楽しいことを見つけてください。」の一言で済ませたいと思う。

 

 

では、私はなぜここまで熱心に「仕事」について毎日記事を書いているのか。

 

それは、なによりも「仕事が面白い」と感じる人のために、攻略情報を綴っているのだ。

攻略情報、読むだけでも面白いでしょ?

多分そう言う人は、多いはずだ。

 

先日、このメディアに寄稿していただいているしんざきさんが、こんな記事を挙げていた。

俺たちはかつて、ゲームを遊べない時、説明書や攻略本だけ舐めるように読んで遊んだ気になっていたんだ

私たちは、「本を読んでる分には親から怒られない」という最強のシールドを得て、ひたすら説明書や攻略本を読み込んで、ゲームを遊んだ気になっていたのです。

攻略本を読むのは、面白かった。説明書を読むのは、楽しかった。

攻略本の最後の方には、最終面の手前くらいで大体「この先は君の目で確かめてくれ!」とかいう短いテキストだけが載っていました。お前それのどこが完全攻略本だよ、とか思わないでもないですが、そんなことは全然なんの問題もなく、私たちはただ「ゲームのことが載っている本」を読んだだけで、十分ゲームの世界に旅立つことが出来ていたのです。

(不倒城)

 

知恵を絞って、

「どうせなら仕事をもっと楽しめるようにハッキングしてしまおう」

と考えるのは、なかなか楽しい。

 

というわけで、このメディアはあいも変わらず、スーパー真面目に、仕事という趣味を攻略する記事にあふれているのだ。

 

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ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。


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借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。

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・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
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3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
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(2025/6/2更新)

 

 

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