クリスマスが近づいてくると、大人になってしまったはずなのに、何故か少しだけワクワクする。

もちろん、一部の例外を除いて大人にはサンタは来ないし、クリスマスだからといって何かがあるわけではない。だが、やはりこのイベントのパワーには圧倒される。

 

思えば、子供の時の3大イベント、と言えば、誕生日、正月、そしてクリスマスだ。

まあ、要するに何かがもらえるから、というだけなのだが、その中でもクリスマスは別格だった。

 

具体的に言うと、12月に入ると、まず家の中にクリスマスツリーが登場する。電飾が出現し「日常とは別の空間」が立ち現れる。街中には更に華やかな装飾と、いたるところに流れるクリスマスソング、そして待ちに待った「冬休み」が到来する。

これだけでも結構ワクワクするが、さらにクリスマス周辺になると、人が集まってきたり、パーティーがあったり、何かと人の集まる機会が増え、トドメにクリスマスイブにサンタが来る……という具合だ。

 

これで子供が喜ばないわけがない。

というわけで、クリスマスは「究極のイベント」としての不動の地位を確立していた。

 

 

しかし、働き始めてからのクリスマスを振り返ると、どうもこの「ワクワク感」がかなり薄れていたと感じる。

もちろん、電飾や冬休み、パーティーなどは大人にも子供にも等しくあるのだが、あの異常な盛り上がり感は、久しく体験していない。

 

子供の頃からの刷り込みなのか、子供時代への憧憬なのかはよくわからないが「ちょっとした盛り上がり」は感じる。

だが、気がつくとクリスマスは終わり、冬休みに入って末年始を滞りなく過ごし、あっという間にまた会社が始まる、というパターンを社会人になってから繰り返している。

そういうわけで、私はクリスマスを迎えるたびに、ちょっとしたワクワク感と、そして「二度とあの子供の頃の心躍る感覚は帰ってこないのかもしれない」という寂しさを感じてきた。

 

 

だがなぜ、クリスマスの魅力があせてしまったように感じるのだろうか。

 

私は今まで、「サンタ」が来ないから、という理由を勝手につけていた。

しかし、例えば大人にもサンタが来ると想像してみても、おそらくそれほど嬉しくない。

 

では「パーティー」をやればあの感覚は戻ってくるのだろうか?

おそらくそうでもない。友人や知人のクリスマスパーティーは、子供の頃のあのクリスマスパーティーとは全く異なる。

 

 

だが、最近になって、「あのワクワク感」の正体が少しずつわかってきた。

あのワクワク感の正体は、本質的には「日常からの脱却」なのだ。

単にプレゼントがったりもらえたり、皆で集まるから楽しい、というわけではないのだ。

 

子供の頃、私たちの世界は圧倒的に狭かった。

殆どの日常は学校と家の往復、使えるお金は少なく、交友関係も学校に縛られており、自分から何かを始める能力はない。

そんな世界において、クリスマスとサンタは「非日常」そのものであり、外部の知らない世界との接続窓口であった。

 

子供の頃の思い出は美しいが、おそらく実際には大人になってからのほうが遥かに自由であり、やりたいことをやれる能力もある。

だが、そうであるからこそ大人は「非日常」を極めて体験しづらくなっている。

 

 

だから、大人になってから、ワクワクすることが少なくなった、と感じるならば、積極的に「非日常」を生活に組み込む必要がある。

ルーティンワークに溺れていては、あのワクワク感は手に入らない。

「変わった趣味」

「新しい仕事」

「イベントの主宰」

「行ったことのない街への旅」

「不思議なことへの探求」

など、行動を変化させることが必要なのだ。

 

今までにやったことのないこと、体験したことのないことなど、子供には大人がたくさん与えてくれたが、大人は自分で飛び込んでいくしかない。

そういうことを、最近やっと気づいた。

 

 

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(2024/3/26更新)

 

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