なにかと嫌われる「マニュアル」であるが、マニュアルのメリットは非常に大きい。
大別すると、マニュアルのメリットは次の3つになる。
・ある作業において、念入りに作られたマニュアルを使用することは非熟練者であっても熟練者と同程度の作業効率、および質を得ることが可能となる。
・暗黙知を形式知化することで、改善の議論が可能になる
・作業のデータを取るための土壌ができる
よく誤解されるのが、「マニュアルを作ると業務効率が上がる」であるとか、「マニュアルは作業を画一化する」といったような考え方だ。
経験的に言えばマニュアルを作ったとしても、最初から業務効率が上がることは稀である。むしろ下がることのほうが多いかもしれない。これは当然で、「今までに慣れたやり方」から、「マニュアルに記載されたやり方」への移行期間中は作業効率が落ちるためである。
また、マニュアルを作ったとしても作業は画一化されない。業務のすべてを記述することは不可能であるし、仮にそんなことが出来たとしても、分量が多すぎてとても使えないものとなるからだ。
多くの会社でマニュアルが不評なのは、実はその使い方が間違っているからだ。うまく使うには、「作成過程」から見直しが必要である。
以下にその過程を示す。
マニュアルを作成する時に最初に行わなくてはならないのは、「上の3つのメリットを関係者と共有する」ことである。
その際に難しいことは、多くの場合「長い経験を持つ者」は、マニュアルに対して消極的である、ということだ。熟練者にとってマニュアルは敵である。
・熟練者の技術を非熟練者が真似ることができるようになり、相対的に熟練者の地位が低下する
・慣れたやり方から改善を行うのは、多くの熟練者にとって新しい試みであり、苦痛を伴う
・熟練者は現在の効率が最高であると思っている人が多く、比較されることを好まない。したがって、改善活動の根拠となるデータを取られたくない。
従って、マニュアルを作るのであれば、「非熟練者」が数多く存在する業務から手を付けるべきである。その際に、作業効率の目標は「熟練者のレベルを超える」目標を設定すること。業務の種類とマニュアルの作り方によっては十分可能である。
2番めに行うべきは、「マニュアル作成者」の設定である。
これはできれば「マニュアル使用者」も参加させることが望ましい。マニュアル作成に参加することで、のちの教育過程を省くことができるばかりか、作成過程でマニュアルの有用性をジャッジしながら進めることができる。
できれば、「経験の浅い担当」と、「未経験の担当」を混ぜて行うことが望ましい。
3番目に行うべきは、「作業の分解」である。
分解と言っても箸の上げ下ろしまで分解するのではなく、ある程度のまとまりに分解すること。一般的には「作業」「判断」「対策」をセットとした単位とすることが望ましい。
営業であれば、「アポ取り」「インタビュー」「プレゼンテーション」「フォローアップ」「クロージング」などである。これらはそれぞれ上の3つを含んだ単位になっている。
4番目は、分解した単位の仕事別に「基準」をセットする。「不良率」「アポ率」「リターン率」「インタビュー時間」など、測定可能な基準を設けること。
そして、それらを記録できる様式をつくり、マニュアルとすること。マニュアルは多くの場合文章で書くよりも様式とし、表に記録をつけることが出来たほうが有用である。
5番目は現場で利用し、データを収集すること。最低でも10~30回程度の繰り返しのデータが必要である。
6番目はデータを利用してマニュアルを改定すること。改定しなければマニュアルはそのまま死ぬ。マニュアルを作るメリットを享受したければ、マニュアルとデータを見ながら改善活動を行うことである。
そうすることで、「思い込み」や「力関係」に惑わされず業務効率を重視した建設的な話し合いが可能になる。データのないところに改善はない。
以上の6ステップを確実に行わなければマニュアルのメリットを享受することは難しい。だが、オペレーションを卓越させるためには不可欠のステップである。
製薬・バイオ企業の生成AI導入は、「試行」から「実利」を問うフェーズへと移行しています。 (2026/01/19更新)
単なる理論ではなく、現場で成果を出す生成AI活用の“実装方法”を知りたい方に最適なウェビナーです。
本セミナーでは、製薬・バイオ企業でのPoC(概念検証)から得られた実データとノウハウを元に、「どこにAIが効くのか」「どこが難しいのか」を明確に解説します。

【開催概要】
・開催日:2026年2月12日(木)
・時間:12:00〜13:00
・形式:オンライン(Zoom/ログイン不要)
・参加費:無料(定員150名)
本セミナーでは、13チームのPoCで時間を50〜80%削減したノウハウを余すことなく共有します。適用可否の見極め、評価設計、失敗領域への対応方法、全社展開のガバナンス設計まで、実践的な内容です。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
・製薬・バイオ・化学業界のDX/業務改革担当者
・AI導入プロジェクト責任者・企画部門・法務・人事などの全社展開担当者
・PoC設計や効果測定の「型」を学びたい方
・自社の生成AI活用を確実な成果につなげたい実務担当者
【セミナーの内容】
・生成AIの“適用可否”を短期間で見切る方法(PoC設計・評価の型)
・現場で成果を出すAI活用ノウハウ(バックキャスティング/プロンプト構造化 等)
・適用が難しい領域(PowerPoint・OCR 等)の整理と次の打ち手への転換
・横展開に向けたガバナンス設計とナレッジ共有
【登壇者】
奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、
メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。
【お申込み・詳細】
こちらのウェビナー申込ページをご覧ください。














