「儲かる仕組み」をつくりなさい----落ちこぼれ企業が「勝ち残る」ために昔からよくわからない言葉の一つに、「ビジネスモデル」という言葉がある。

何なんですかね、これ。

 

おそらく発端は、「ビジネスモデル特許」という言葉だろう。立教大学ビジネスデザイン研究科ジャーナルによれば、

 

1998年、米連邦交際がビジネスモデルに特許性を認めたと言われるState Street Bank & Trust Co.v.Signature Financial Group, Inc 裁判以後、「この判決を震源地とした激震の津波のようなもの」が起き、次第にビジネスモデル特許はブームとなった。

従来、特許は主として製造業に関係するものであったが、このビジネスモデル特許の出現により、金融業や流通業などそれまで特許とは無縁であった業界もいきなり特許の世界に叩き込まれる、という現象が起きた。

 

だが、「ビジネスモデル」という言葉は、「ビジネスモデル特許」で使われている意味と同一視はできない。特許庁の審査基準によれば、

 

2000年には、「特定技術分野の審査基準」として「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」についての審査基準が加えられた。今日問題となっているビジネス方法特許は、ビジネス方法をコンピュータ・ソフトウエアによってシステム化した発明に関するものであるから、その審査は、通常の審査基準とこの「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」についての基準に則って行われると考えてよい。

この基準では、取引の形態や、商取引の方法など、ビジネスの手法のみに主眼が置かれ、コンピュータ・ソフトウエアなどの技術的な部分に特徴がないものは、発明の要件を満たさないとされている。(Wikipedia)

 

ということで、「ビジネスモデル特許」は、商取引の方法や取引の形態などよりもむしろ、ソフトウェアの技術に主眼が置かれているといえる。

 

しかし、企業や銀行では、「ビジネスモデル」という言葉がソフトウェア抜きで頻繁に用いられている。企画書を出せば、やれ「ビジネスモデルがわかりにくい」だとか、「ビジネスモデルに新規性がない」など言われるが、指摘している側も本当にわかっているのだろうか。

余談だが、そういう人に、「スイマセン、ビジネスモデルの正確な定義を教えてください」というと多分怒られると思うので、聞かないほうが良いと思う。

 

 

さて、「ビジネスモデル」について調べると、先ほどの立教大学の論文によれば「儲ける仕組み」と答える人が多いということだ。確かにそのように言う人を私も見たことがある。

儲ける仕組み・・・?

一体なんだろうか。Amazonで「儲ける仕組み」と検索すると、確かに本がゴマンとでてくる。

 

 

これは私の主観だが、「ビジネスモデル」という言葉を使う人も、「儲ける仕組み」という言い方をする人も、「何か商売には正解のやり方があって、その正解に沿ったかたちで商売をすべきだ」とでも言いたいのだろうか。

 

もちろん、「最低限の原則」はある。約束は守る、とか、お客さんの役に立つ、などだ。だが、残念ながら商売は科学ではないので、成功するための「正解」も「法則」も無い。当たり前だ。

よくある「成功した人の体験本」を読んで、仮に100%その通りやってもも成功しないのは、「商売は、完全に再現することが出来ない」からだ。

 

 

前の仕事をやっていた頃、よく言われたのが、「事例はないのか」という言葉だった。もちろん、事例なんかいくらでもある。でも、事例を見ても成功するかどうかは全く別の問題だ。正直、「事例なんか見てるヒマがあったら、やってみればいいのに」と常に感じた。

そういった時、根底にあるのは「ムダなことはしたくない」という考え方だったように感じる。「合理性」や「科学」、あるいは「最短距離」「短期志向」が、こういった考え方を生み出していた。

別に悪いわけではない。それはその人なりの考え方なのだろう。しかし、個人的に「ムダなことはしたくない」という人と一緒に働いて楽しかったことはない。

 

 

ムダだったらムダでいいんじゃないだろうか。「しくみ」なんか考えているヒマがあったら、とりあえずやってみて、お客さんの表情や行動を見て変えればいいような気がする。

 

え、「私のポジションだと、失敗は許されない」ですって?

それはお気の毒に。

 

 

 

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(2024/6/2更新)