「嫁ブロック」という言葉を、最近転職サイトなどでよく見かけるようになった。
嫁ブロック
そんな転職にかける夫の夢も、妻のツルのひと声でご破算になるケースが増えているといいます。中途採用でせっかく内定が出ても、男性候補者が「妻が反対しているので」という理由で辞退したり、転職活動自体をあきらめたり。こうした現象を「嫁ブロック」といいます。(日本の人事部)
確かに「嫁ブロックのせいで、転職できなかった」というボヤキを聞くことがある。
転職だけではなく、起業も全く同じで、中高年が「嫁に反対されて」と言う理由で、起業を断念したという話もある。
実際、つい一週間ほど前にも、「農業分野で起業したいのだが、妻が絶対に反対だというので、やれない」と、いう知人の話を聴いたばかりだ。
「嫁ブロック」という言葉は採用サイドの人間が使う言葉なので、あまり良い響きではない。
だが、結論としては、その「嫁ブロック」、実は大正解である。配偶者や肉親はぜひ、身内の「起業」や「転職」にはまず、強烈な反対をしていただきたい、と思う。
なぜか。
それは本質的に
「転職する」、「起業する」といった試みには、ある程度のリスクが伴うからだ。
特に、異なる業界へのチャレンジや、経験のない分野へ移籍などは、自分のキャリアを一変させる可能性を秘めてはいるが、その道は厳しく、険しいことがほとんどである。
だから「反対されない」という時点で、すでにそのチャレンジはリスクを伴わない、逆に言えばメリットもあまりないものだ、といえるのだ。
(あるいは、配偶者や肉親があなたに無関心かのどちらかだ。それはそれで問題があるかもしれない)
だから、配偶者や肉親は、あなたのチャレンジが大きければほぼ100%反対する、と思って間違いない。
そこで、2つの選択肢がある。
一つ目は「挑戦をあきらめる」という選択肢。
二つ目は「配偶者や肉親を説得して、応援してもらうようにする」という選択肢だ。
一つ目の選択肢を選んだ場合。
これは賢い大人の選択だ。大抵の場合、周りの人はあなたのことをあなたよりもよく知っている。配偶者の言うことを聞き入れておいたほうがよい人生が得られることはほぼ間違いない。
しかも、もっと踏み込んで言えば、本質的に「チャレンジ」に際して、最も親しい人物である「配偶者」と「肉親」すら説得できないのであれば、チャレンジはほぼうまくいかないと言える。
本質的に、最も親しい人たちですら説得できないようなコミュニケーションスキルでは、成功はおぼつかないのである。
一方で、二つ目の選択肢は賢い選択ではない。
おそらくあなたの試みは高い確率で失敗するし、ひどい場合には大きな借金を抱えたり、離婚の危機に発展する可能性もあるだろう。
そんなときにも自分の責任において、自分の人生が良きものとなるように努力しなくてはならない。
その覚悟があるならば、配偶者や肉親を誠心誠意、説得するのに時間を惜しむべきではない。彼らの要望を聞き、不安を鎮め、自分の覚悟を知らせることだ。
そして、あなたに「信頼感」があれば、チャレンジに際して彼らは間違いなく協力してくれるだろう。
だが、普段の行いが配偶者や肉親を裏切るものばかりであった場合、どんな説得にも彼らは耳をかさないだろう。
つまり、「嫁ブロック」は、あなた2つの点で試す。
・チャレンジはメリットのあるものだろうか。
・普段から信頼のある行いをしているだろうか。
配偶者や肉親は、多くの場合、友人や知人とは比較にならないくらい真剣に、あなたのチャレンジを査定してくれる。
というわけで、配偶者の皆様は是非、積極的にブロックを展開していただきたい、と思うわけである。
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。

<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>
第6回 地方創生×事業再生
再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは【ご視聴方法】
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当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。
【今回のトーク概要】
- 0. オープニング(5分)
自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」 - 1. 事業再生の現場から(20分)
保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例 - 2. 地方創生と事業再生(10分)
再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む - 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説 - 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論 - 5. 経営企画の三原則(5分)
数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する - 6. まとめ(5分)
経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”
【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。
【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)
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