ちょっと前に、「安定は希望です」というポスターをよく見かけた。去年の夏の参院選における、公明党の参院選のキャッチフレーズだ。
この言葉を見て、まず思ったのは「意味がわからない」である。
文字通りに読むと、安定=希望 ということなのだろうが、ますます意味がわからない。真剣に悩むほどの話でもないと思ったのだが、ブログを書いているとタイトルの付け方が難しいので、プロのキャッチフレーズがどのような意図を持っているかを知りたく、調べてみた。
公明党のサイトには、安定は希望です のあとにこう続いている。
”「安定は希望です」
参院選で、公明党はこの言葉を掲げます。今の日本に必要なのは、政治を安定させること。つまり、この夏の参院選でねじれを解消することです。”
要するに議席をたくさん確保して、政治の安定を目指すことだったようだ。
であれば、「安定が希望です」とでもすればよかったのに。
でもなぜ、「安定が希望です」ではなく、「安定は希望です」としたのか。「が」と、「は」の使い分けは専門家の間でも見解がわかれているようだ。
「が」は格助詞であり、主体の願望や要求を表すので、「公明党が」という部分が強調されることになる。
「は」は係助詞であり、「は」の後の言葉を強調しているので、「希望」を強調することになる。
したがって、公明党は「公明党」という名前を控えつつ、「希望」を強調したかったといえる。
あらためて、キャッチフレーズの日本語訳をすると、
「公明党が望む政治的安定は、希望ですよ」と、書ける。
さて、次に解釈が必要なのは、「希望」という言葉だ。希望は言葉の意味からして「誰かの何かの」希望である。具体的には何なのだろう。
これも、公明党のページを見るとどうやら「国民一人ひとりが感じる未来への希望」ということのようだ。
これもつなげて、更に補足してみると、
「公明党が望む政治的安定が実現すれば、国民一人ひとりが未来へ希望を感じますよ」
と書くことができた。
これ、「安定は希望です」から解釈するのはちょっと難易度高すぎないか・・・?
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安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
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(2025/6/2更新)