こんにちは。AscentBusinessConsulting株式会社の代表の北村です。

Ascent Business Consulting株式会社はコンサルティング会社ですが、一方でBasis Point(ベイシスポイント)というコワーキングスペースを運営しております。

 

コンサルティングとコワーキングスペースとは一見関連性がないと感じる方が多いかもしれませんが、実はひとつの世界観に向かって事業を展開しています。

それは「新しい働き方」をテーマに事業を行っていることです。

 

あらゆる分野のエキスパートがフリーランスやベンチャー法人として自由な働き方ができるプラットフォームを創ることをミッションとしこの世界観を実現したいと考えています。

その一つの具体的な形が、コワーキングスペースです。

(写真はBasis Point新橋店)

そのコワーキングスペースの運営で重要なのは、前回紹介したように、

・人と人とが繋がること

・自由にストレスなく使える場所であること

・モチベーションが上がる場であること

の3つです。

 

そして、こういった場所をつくるために考慮すべきが

1.誰に来ていただくか?

—-集まる人の質でコワーキングスペースの質が決まる

2.場をどう盛り上げるか?

—-場のマネジメントで、コワーキングスペースの質が決まる

の2つです。

 

例えば、開設当初からご利用いただいている方のお一人に、ウェディング関係の仕事を独立して起業している佐崎さんという方がいます。

佐崎さんは、「集まる人の質で、コワーキングスペースの質が決まる」と言います。

 

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当初は、千葉の自宅近くにあるコワーキングスペースで仕事をはじめました。

とにかく「静かで空いている場所があれば良いや」と思っていました。

一番居心地がいい場所がどこか?と言われれば、もちろん自宅の書斎です。高価なチェアーも買い、自分の好きなものに囲まれている。

でも、逆に仕事に集中できない。(笑)一人で部屋に篭っているとついダラダラしてしまうのです。

 

これではいけない、と自宅の「近くにある」という理由で、近所のコワーキングスペースに通いはじめました。

そして、暫くそこに通ったのですが、結局、なかなか仕事できる気になれず、その場所は行かなくなりました。

 

なぜなら、自分の求めている雰囲気に合わなかったからです。

例えば、こんなことがありました。

・カードゲームしてる人たちがいて、気が散る

・スペース内で電話できない

・子供も利用する

要するに私がコワーキングスペースに期待していた、「皆が仕事のやる気に満ちている」雰囲気とは違ったんです。

 

これらは、利用する前には気づかなかったことです。

そこで私は「仕事を効率よくできる」「もっと仕事が捗る」ために何が必要なのか考えました。

 

私の場合は以下の条件でした。

・テレアポがし易い

・集まる人が「仕事」をしに来ている

・料金はあまり気にしない

 

そして、見つけたのが表参道にあったコワーキングスペースです。

そこは、ブースがあり、テレアポなどがやり易い環境がありました。

 

ただ、次こそは、と期待していたのですが……そこも程なくして行かなくなりました。

表参道だけあって、クリエイターさんや若手のスタートアップが多く、自分の仕事スタイルとはちょっと違う種類の人たちが集まっていて、私なんかだとちょっと気後れしてしまうんですよね。

活気がありすぎると言うか、若さにあふれていると言うか(笑)

 

その後、その反動もあって静かなところへ行こうと思って、日比谷図書館に行ったりもしました。

でも、図書館は逆に静かすぎました。皆黙々と机に向かって勉強している人たちばかりで、電話なんてもちろんできないです。当然ですよね。

 

そこで、新橋にある、某コワーキングスペースに変えました。

「場所」って大事だなと思いました。表参道よりも、新橋。

よくテレビでも新橋駅前で仕事帰りの会社員がインタビューされていますよね。

ビジネスパーソンが多いエリアなんです。

 

しかし、行ってみると今度はワインの試食会をしている主婦のグループがいたりして、これがまた賑やかなんです。

「仕事する人だけが居て欲しい」

という願いはここでも叶わずでした。ただ、実はここには長く通うことができました。

 

なぜなら、店長さんと仲良くなったからです。

独立して仕事すると、特に最初の頃は仕事を一人で行うことが多く、人脈ゼロからのスタートなので、毎日話かけてくれて、雑談程度でも会話ができる存在がいるのはとてもありがたいことでした。

 

……でも、そこは残念ながら潰れてしまいました。

潰れてしまいましたが「誰が集まってくるのか」が結局のところ、コワーキングスペースの質を決めるのだと確信しました。

 

そして、最後に行き着いたのが新橋のBasis Pointでした。いろいろ渡り歩いてきたので、利用してすぐピンと来ました。居心地がよくて、行くと仕事したくなる空間。

フリーランス、サラリーマンに関係なく人が集まっていて、仕事をしている雰囲気が伝わって来ます。

 

もちろん店長さんともすぐに仲良くなりました。店長さんを介してコミュニティができていて、その人脈で仕事に繋がったこともあります。

今はここに定着しました。

 

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佐崎さんの話は、「そこに集まる人」が重要であることを示しています。

 

さらにもう1つ、コワーキングスペースの質を決める存在は、

「場のマネジメント」です。

 

例えば、コワーキングスペース業界で「伝説の店長」と呼ばれる方がいらっしゃいます。

(私が勝手に呼んでるだけかもしれないですが……)

現在、福岡天神にあるコワーキングスペースを運営している山下陽子さんです。

コワーキングスペースに着任してたった1ヶ月で、利用者を1.5倍にするほどの「デキる店長さん」です。

ご自身も全国にある80以上のコワーキングスペースを訪問したことがあるコワーキングスペースマニアです。

 

その山下さんと、Basis Pointのオーナーである私とで2時間くらい「コワーキングとは?」という話で盛り上がり、山下さんが理想としているコミュニティと私の考える理想のコミュニティが共通していたので、弊社の研修講師として招聘しました。

 

その時に話していたことを簡単にご紹介します。

山下さんは、店を任されるとまず4つのことを実施します。

これは「場の雰囲気を作る」ために、非常に重要なのだそうです。

 

1.まずは名前と顔を覚える】

それは、挨拶からはじまります。一人ひとりの目を見て、顔を確認して挨拶することです。

受付で背を向けていたり、仕事したりしては絶対ダメです。学校で挨拶大事って散々言われましたが、挨拶は相手への承認として最も基本的で最も重要なことだとと思います。

そうやって、利用する人の顔を名前を覚えます。

意外とできていないコワーキングスペースって多いです。これをしっかりやるだけでも、雰囲気が大きく変わります。また、挨拶を行うことで利用者のコワーキングスペースへの帰属意識が高まるので、リピーターを生み出すことにも繋がります。

 

2来ている人の顔を観察する】

顔と名前を覚えてきたら、次はよく観察することです

来訪して仕事をされている方々は、もちろん真剣に仕事に取り組んでいるのですが、時より疲れて休憩していたりしています。

そのようなふとした時に、話かけてあげることです。もちろん、事前に利用者登録の時に何をしている人かは調べているので、相手に気遣いながら、どのような仕事をしているかを聞いたりしています。

 

もちろん、話しかけて欲しくない人だっていますが、邪魔しない程度に話かけてあげることで、相手のプラスになればと思ってやっています。

そうすることで、利用者とのコミュニケーションも取れて、どのような人が利用しているかも知ることができますし、不満とか要望も聞き取ることもできます。

 

3.コミュニティをつくる】

利用者のことをある程度把握してきたら、コワーキングスペース内でイベントを行います

例えば、「IoT勉強会」というものを行いました。

コワーキングスペースの利用者はもともとIT系の人が多いのですが、いろいろな人に話しかけてみて分かったことは、IoTに興味を持っている人がたくさんいたことです。

そこでIoTのプロをゲストに呼びイベントを行うと、10名ほどの参加者が集まり、大好評でした。

イベントを通して横のつながりを作ることで、利用者にとっても人脈を広げるというメリットがありますし、運営側としても利用者の帰属意識が高まるなどメリットがあると思います。

 

【4.コワーキングスペースにおいて、重要なことを守る】

最後に、コワーキングスペースにおいて、重要なことはこの2つに集約されます。

◯個人利用者さんを大切にする事

◯常に快適な空間を提供すること

ビジネスの基本通りやはり「ハコ(ハード)」と「ヒト(ソフト)」なのです。

 

 

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というわけで、

「誰を集めるか?」

「どう盛り上げるか?」

という2つの観点から、コワーキングスペースを語りました。

 

実際のところコワーキングスペースを運営してみて、「集まる人」は、とても重要だと感じます。

私がこのBasis Pointを作った理由も、まさに「自由なはたらき方を志向する人々」に集まってもらいたいからです。

フリーランスの方の仕事の拠点、普段企業に勤めるビジネスマンの自分だけの集中場所、起業準備など。

 

そして、そのようなビジネスパーソンにとって、本当の意味で心地良い空間とは仕事の効率化を最大化してくれる場所ではないかと思います。

 

だからこそ、コワーキングスペースは単なるスペース貸しでは決してありません。

働く人がより効率よく働くためのスペースを創出することがコワーキングスペースの役割です。

 

仕事がはかどる雰囲気は、会社もコワーキングスペースも同じ、「集まる人」と「居心地の良い空間」が作るのです。

 

 

 

そんな、我々が運営しているコワーキングスペースBasis Pointですが、現在新橋だけでなく、神保町五反田にもあります。

残業問題などで、「働く」ということに関してネガティブな話題が多い昨今ですが、もっともっと働きたい!という方に来てもらえれば幸いです。

 


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