仕事を取るために「営業は不要」と感じている会社は少ないでしょう。どんな形であれ、企業同士が取引をするための最初の一歩は「営業」であり、そこから信頼感が生まれることも多いと思います。
さて、その「営業」ですが、一般的に「つらい」と思う方も多いのではないでしょうか。特に私がお会いしてきた技術者の方は「営業」を嫌う人も多く、「マネジャーになると営業をしなければならないので、ずっとヒラ社員がいい」というような発言をする方も中にはいらっしゃいました。
さて、そんなネガティブなイメージのある「営業」ですが、本当にそんなつらいものなのでしょうか。
実は、私は様々な営業をやって来ました。キャリアの中で半分くらいは営業として活動していたと思います。そして、やったことも様々です。
実際、中小企業のお客様も多かったため、「飛び込み営業」、「テレアポ営業」、「セミナー営業」、「コンサルティング営業」、「紹介営業」と、何でもやらされました。今となってはいい思い出ですが、私は「話すのが苦手」だったため、当時はどれもキツイ仕事であり、社内の人には平気な顔をしていましたが、内心は毎日「もーあかん、もーあかん」と泣きながら仕事をしていました。
「これでは心が持たない」と感じ、なんとか楽になろうと、いろいろな営業の本を読みあさって試してみたのですが、実際に「営業本」というのは、ストーリーが決まっていて、
・営業成績の上がらないダメな営業マンが
・お客様の言葉をきっかけに何かが変わり
・スーパー営業となってついに会社でNo1になった
というテンプレがあります。そして、「お客様に手紙を出せ」であるとか、「断れ」だとか、「身だしなみ」、「悩みを聞け」といったノウハウを授けられる、といった具合です。
こういったノウハウは確かに役に立つのだと思います。実行できれば。しかし、現実には「そういう努力をできないから」営業が苦手なのです。
そこで、「なんとかツラくない営業をしよう」と思い、考え方を変えることにしました。これは、私の考える「営業」のやり方・考え方です。当然すべての人に当てはまるわけではないのですが、参考としてください。
1.営業の成果は運。短期ではなく長期を見る。
どんなに動いても、努力してもダメなときはダメです。でも、長く無理せず続ければ、そのうちいいことがあります。
2.お客さんは売り込まれたくはないが、良い情報はほしい
役に立つ情報を持っていった時に、嫌な顔をされたことはありません。
3.お客さんは、営業の話は聞きたくないが、自分の話はしたい
営業の話は一番最後にちょっとだけしましょう。
4.商品が良くなければ売れない
良くない商品を無理やり売っても長続きしません。商品が良くない場合は、商品を変えるか、それが無理な場合は転職しましょう。多くの場合、7割の人が目標達成できていない商品は、商品の質に対して目標が高すぎます。
5.見込み客リストがすべて
見込み客リストが増えなければ、営業の成果はまず上がりません。「単価を上げる」という言葉は便利ですが、大抵の場合幻です。お客さんの数を増やすと、その中から単価の高いお客さんが出てくるのです。
以上です。がんばってください。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)