こんにちは、しんざきです。最近暑くなってきましたが、皆さん体調大丈夫でしょうか。

 

いきなり全然関係ない話から始めて大変恐縮なんですが、最近ジャンププラスで連載している「野球・文明・エイリアン」という漫画がめちゃ面白いです。この漫画と「サンキューピッチ」が同じ媒体に掲載されているというのは一つの特異点というか、極めて稀な現象だと思うので皆さん読んでみてください。

 

この記事で書きたいことは、大体以下のようなことです。

・次女の部活で、日程調整のプリントをなかなか出してくれない人がいました
・調べてみたら「親に伝わっていない」ということが根本原因でした
・親用の連絡チャットを作って連絡事項をそちらに流すことで解決しました
・他人の行動や考え方を変えるというのは本当に大変です
・無理に変えようとすると、その人の反発どころか周囲への悪影響まであってろくなことがありません
・「この人を変えなきゃ」と思うよりはインフラ整備で解決出来ないかを考えた方が良いです

よろしくお願いします。

 

さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、後はざっくばらんにいきましょう。

 

次女の部活でのお話

まず、次女の部活の話をします。

しんざき家は基本的にインドア派揃いで、スポーツに興味を持つ人が稀少でした。私が昔長距離走をやっていたくらいで、妻は「スポーツ」という時点でほぼ一切の興味を失う人で、長男も大体それと同レベルです。

 

長女次女は、最近「ハイキュー!!」という漫画にドはまりしている為、突如「男子バレー部に入りたい(※長女次女は女子中学に通っている)」などと無茶なことを言い出す程度にはスポーツ好きになってきましたが、それまでは野球のルールもサッカーのルールも知りませんでした。

そんな中、次女が中学でとある運動部に入部して、練習で遅くなったり大会に出たり、結構頑張っています。

 

しんざき以来の運動部所属者が現れたということで、しんざき家スポーツ業界の希望の星になっています。楽しくスポーツが出来るのは良いことですよね。

 

で、その部活での話もたくさん話してくれるのですが、次女はそこそこモチベーションが高い一方、同じ学年でやる気がない(ように見える)人についての愚痴を聞く機会もちょこちょこあります。

友達に話して陰口になってしまうよりは、学校生活に影響がない親が愚痴のはけ口になれた方が良かろうと思うので、基本うんうんと聞いています。

 

まあ、チーム競技やイベントごとで、参加する人間ごとにモチベの高低があるなんて当然のことです。

モチベが高い人から見ると、モチベが低い人はどうしても「怠けている」ように見えてしまいがちなんですが、人それぞれ事情はあるわけで、あまり気にせず押しつけず、それぞれ出来る範囲で楽しめればいいんじゃないかなあ、と思いつつ見守っていました。

 

部活での日程調整の問題

そんな中、

「ある部員が、部活のイベントの希望日程を全然出してくれない」

という話を聞きました。

 

んん?と思ったので、ちょっとヒアリングしてみました。

どうも、部活で「練習やイベントの希望日程のアンケート」的なものを配るらしいのですが、毎回必ずその子の提出が遅れて、日程の調整が出来ず困っていると。

 

そういう連絡や調整って顧問の先生がやるのかと思ったら、なんか最近顧問の先生が部活に使える時間が減ってるらしく、顧問はあまり細かいことは出来ないそうで、生徒同士で調整してるみたいなんですね。

「どんなアンケートでも遅れるの?」

「んー、全部じゃなくて、出る時もある」

 

「その子とは相談したの?」

「友達がまとめ役だから、「出して」って何度も言ってて、その時は「うん」って言うんだけど全然出してくれないって」

 

「練習はちゃんと出てるの?」

「出る時と出ない時がある。出る時はちゃんとやるんだけど、急に帰っちゃうこともある」

 

普段のちょっとした愚痴なら別に口出ししないんですが、この時は課題が明確で、かつ原因に心当たりがあったので、保護者会の時に親御さんと会話して確認してみました。

結果、「日程調整が遅れるのは、親との調整が必要な日付だけ」で、かつ「そもそも親には日程調整の件が全く伝わっていなかった」ことが分かりました。

 

つまり、そこのご家庭の親御さんって仕事がお忙しくて、夜帰るのも遅いし、なかなか子どもの提出物まで気を配れていなかったらしいんですね。

かつ、お子さんも遠慮してしまうし渡すタイミングもなくて、なかなかプリントや提出物類を渡せていなかった。学校の提出物でさえその状況ですから、部活の生徒同士の調整なんて優先度が下がってしまって、なかなか伝えられないし決められなかった。「練習で急に帰ってしまう」というのも、親御さんとの事前相談が出来ていなかった為という風に見受けられました。

 

その子のスタンスやモチベの問題というより、単に連絡手段の問題だったんですね。

部活で聞かれた時にそう答えられなかったのは、家庭の事情を話すことに抵抗感があるからかな、と推測しました。

 

で、「親に伝わってない」ということが根本原因なら、「早く出して!」と頑張ってその子の行動を変えようとするのではなく、インフラで解決出来るんじゃないか、と思いました。

次女の通っている学校では、学校と親の連絡用に、クラウドのチャットサービスを利用しています。クラスの連絡用のグループチャットや連絡事項についてはそれ用のルームがあるので、じゃあこれを部活で使えないのか、と聞くと「使ってる部活もある」「許可を取れば使える」とのこと。

 

じゃあ、日程調整についてはもう直接親が見えるところでやればいいじゃん、ということで、学校に連絡してそれ用の連絡チャットを作って、そこで親もメンションに入れて連絡するようにしたところ、希望日程がすぐ出るようになった、とそういう経緯だったわけです。

 

しんざきの失敗体験

これ、実を言うと私にも似たような経験というか、失敗体験があったんですよ。

私は音楽活動をやっていて、自分でバンドを組んだりもしています。で、例えばライブの日程とか、練習の日程を組む際にも、やっぱり「反応が悪い人」というのはいましたし、「練習を無断で欠席してしまう人」というのもいました。

 

当時は「早く出してくれー」とか「すぐ連絡してくれー」とか頑張って言っていたんですが、結果何が起きたかというと、当人にもプレッシャーになってモチベが下がってしまうし、周囲の雰囲気まで悪くなってしまっていたんですよね。結果、その人が来なくなってしまったり、ライブ自体がやりにくくなったりと、散々なことが色々ありました。

 

そもそも、部活だろうが趣味だろうが、メンバーの環境やスタンスなんて本当人それぞれで、それは他人がそう簡単に変えられるものではない。

「俺は他人を変えられるんだ」と思っている人がいるとしたら、それは大体の場合勘違いで、無理に他人を変えようとしてもろくなことはありません。

 

ただ、上記の次女の部活の例は典型例ですが、「人を変えられないならインフラを変えればいいじゃない」というのは通用する場合が時折ありまして、日程調整にしても「この日がいい」じゃなくて「ダメな日」を事前に入れておいてもらうとか、来れなかった場合でも後からフォローする仕組みを決めておくとか、そういうやり方で解決出来ることもあったんですよ。

人は変えられないけれど、インフラは変えられる。

 

もちろん、上の次女のケースはたまたまうまくいっただけで、そもそものモチベやスタンスによる場合、どうにもならない問題もあるでしょうが、「インフラでなんとか出来ないかな?」と考えることで解決の糸口が見えることはあるわけです。

 

仕事でも同じようなことが言えます。「俺が部下を成長させてやるんだ!」という意気込みで他人の行動を変えようとすると、大抵モチベ低下だとか退職だとか、ろくな成果が出ないまま、ろくでもないことが起こる。

だから、例えば報告が遅い部下であれば、チケット管理なりタスク管理のクラウドサービスなり、「自然にやってれば自然に可視化される」ようなサービスを利用してなんとか出来ないかと考えますし、タスク着手が遅ければ他タスクとの独立性が高いタスクを振ってプロジェクト全体に影響が出ないように出来ないか考える。

 

こういう時、

1. まず、発生している問題を整理する

2. その問題は、その人本人の変えられない資質によるものなのか?それとも環境や仕組みでどうにかなることなのか?を考える

3. 仕組みを変えた場合、他にうまく回らなくなるケースはあるか?を考える

という順序で考えると、うまくいくケースが多いなーと感じています。

 

そういう、「他人を変えない物事の進め方」を考えるのが、マネージャーとしての一番の仕事なんじゃないかなあ、と、最近はそういう風に考えている次第なんです。

 

元々、他人の行動にあんまりうるさく口出しするのって人間関係が壊れる元なので、あまり口出しせずに物事上手く回るといいなあ、と。その辺は子どもたちにも伝えていこうと思っています。

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

 

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【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
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(2025/6/2更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

Photo:Zhu Hongzhi