こんにちは。株式会社キュービックの栗原です。
現在、転職に悩む人の「次の一歩」を応援するサイト「HOP!」というメディアの運営責任者を勤めています。
(左:栗原 右:古井)
私自身も新卒で入社した会社を1年で退職してしまった、という経験を持っていることがあり、特に第二新卒や若手の転職を支援するための「20代の転職」について力をいれています。
なぜ20代で転職するのか
転職サイトを運営していると「転職の本音」がよくわかります。
例えば、どんなキーワードでサイトを見に来ているのか。どんな記事を見ているのか。何を求めているのか、などです。
そして、20代が転職する動機は、大きく3つあります。
どんな動機かというと……
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データから分かるのは、この3つです。
1.今の職場の人間関係が嫌だ。
2.働きに見合った給料がもらえていない。
3.社風が合わない。
「もっとやりがいを」とか「世の中のために」とか。
そういったことを求めて転職する20代が多いイメージをお持ちの方もいると思います。
でもデータが示しているのは、「殆どの転職は、職場への不満から始まる」です。
これは、考えてみれば当たり前かもしれません。
転職はとてもエネルギーを使いますし、うまくいくとも限りません。
そもそも、最初はみな、自分が入った会社で頑張ろうと思っているのです。
でも働くにつれてどうしても譲れないことが出てくる。
そんな時「転職」という選択肢が浮かんでくるのではないでしょうか。
誰でも転職は怖いと思う。
私自身も決して、前向きに最初の転職を考えたかと言えば、そうではありません。
私が新卒で入ったのは投資用不動産の会社でした。仕事の内容も自分に合っており、お給料も良いので、一生懸命働きました。
ボーナスも結構出て、いい会社でした。
でも、残念なところもありました。
尊敬できる人もいたのですが、「なんとなくサボっている人」がとても多かったのです。
給与は出した成果によって大きく上下しました。
ですが、ベースの給料が良いので、あまり成果を出さなくてもそれなりの給料をもらえてしまうのです。
そうなると、
「頑張っても、頑張らなくても一緒かな……」と、
私は、一生懸命やっていることがなんだか急にバカバカしく感じました。
でも私は「みんなと同じようにのらりくらりとやろう」は嫌でした。
でも、転職は……というと、
「次に失敗したらどうしよう?」とか
「もっと今の仕事を耐えてやるべきでは?」とか
「自分の力で会社を変えるように努力すべきでは?」とか
いろいろ考えました。
だから、私の場合、転職は「怖かった」というのが正直な感想です。
「条件は、今よりいい会社。以上。」はとても共感する
DODA(デューダ)という、大手の転職サービスがあります。
その最近のキャッチコピーが
「条件は、今よりいい会社。以上。」
でした。
このコピー、40代以上の人には不評のようですが、私たち20代にはとても良くわかるものです。
なぜかって、20代って、条件をこちらから細かく出せるほど、スキルがあるわけでもないです。
だから客観的に見れば、「自分は選べる立場じゃない」っていうのが、実際です。
「勝ち組」の選べる人は良いですよ。でもそんな人は僅かです。
私のようにたった1年で会社を辞めてしまった人や、それほど学歴の高くない人、
あるいはコミュニケーションに自信のない人、見栄えの良い経歴を持っていない人もたくさんいるでしょう。
そういった人たちの本音が最もよく現れるのは、検索キーワードです。
検索ボリュームを調べると、
「ボーナス なし」
「残業 100時間」
「会社 辞めたい」
といった言葉がよく検索されているのがわかります。
とりあえず今の会社は嫌。
けど、贅沢はあまり言わない。ほんの少しでも条件がいい会社を希望する。
「条件は、今よりいい会社。以上。」って、転職の本当のところをよく表していると思います。
本音を大切に扱ってくれる会社に入ろう
面接のときはできるだけポジティブに見えるよう、退職の動機を言い換えるように、転職エージェントに言われる人が多いのではないでしょうか。
例えば私が実際にエージェントから受けたアドバイスは、
『サボっている人が多かった、はネガティブに聞こえる。だから、「チームみんなで一丸となって結果を出したいと思った」と言い換えてください。』でした。
私も言い方一つで、条件が良くなるのだったら、と思い、エージェントのアドバイスに素直に従いました。
でも、本音を出すと採用してもらえないなんて、息苦しいですよね。
本音と建前は社会人の嗜みなんでしょう。
ただ、最近では採用側もそのあたりはわかっていて、「本音そのままが良い」という会社もたくさんあります。
実は、私が転職をしたときも、採用責任者の方がうまく本音を言える場を面接で作ってくれました。
「用意されていない答えの方に、価値がある」
とその方は言っていました。
時代が変わって、最近では採用する側も「本音で語ってくれないと意味がない」と考える人が増えているのでしょう。
あとになって「実はこういう雰囲気が嫌だった」という事になっても良くないですし。
ただ結局、本音で語って、それを受け止めてくれた会社に入ることができると今度は
「条件は、今よりいい会社。以上。」
というだけではなく、
「もっと稼ぎたい」とか
「もっと大きなことをしたい」とか
「のめり込める仕事をしたい」と、徐々に上を目指すようになりました。
調子いいですかね?いいですよね。でも人間って、そんなものじゃないでしょうか。
安定志向が最もリスクが高い選択なのは間違いない
「安定志向が最もリスクが高い選択である」というのは、今の転職市場を見ていて、とてもよくわかります。
長いこと一つの仕事しかやってこず、転職の経験もない。
会社に言われたことを黙ってこなし、じっと我慢をして会社にいる、という人は、気の毒とは思いますが転職市場での価値が非常に低くなってしまいます。
銀行でも百貨店でも大規模なリストラが行われており、「終身雇用」はすでに幻です。
「安定志向」が逆に安定を産まなくなる時代、私たちは積極的に外部に目を向けて、個人のネットワークを拡張していくことが必要になっていると感じます。
そんな時代に、ネットワークの一つとして、私が運営する「HOP!」がお役に立てるのならば、こんな嬉しいことはありません。
(綿密に調べて書いていますのでぜひ覗いてください⇒20代前半・後半の転職事情と、自分の市場価値を客観的に知る方法)
(Photo:tokyoform)