ある中小システム開発会社の新卒採用状況をお聞きした。曰く、「今年は本当に採用の競争が激しい」とのこと。
実際、際立った特徴のない中小企業は、新卒採用にとても苦労する。
まず、説明会に来てもらえない。説明会への出席人数が1人、2人しかいないという状況はザラである。また、せっかく説明会に来てもらっても、1次選考のペーパーテスト、それ以降の面接と、ふるいにかけると内定を出せる応募者は10人に一人程度もいないという。
これで終わりではない、せっかく内定を出しても「内定辞退」の憂き目にあう事は多い。結局均してみると、1年に1人取れれば良い方だ、と社長は仰っていた。
なるほど。確かに新卒採用は厳しいようだ。何か打つ手はないのだろうか。
そこで、色々な経営者に各選考の通過率を聞いてみた。概ね
「1次選考のペーパーテストでの通過率が3割程度。2次面接以降の面接通過率も3割程度。最後の社長面接が5割程度」
とのこと。この計算で行くと、採用された人の割合は約5%、中小企業とはいえ新卒にとっては狭き門である。20社受けて、1社受かるというイメージだ。
そこで私は聞いてみた。「ペーパーテストをやめれば、もう少し採用も間口を広げられるのでは?」
すると経営者の方、人事の方は口を揃えてこういった。
「こんなカンタンなペーパーテストも出来ないような人を取るのは躊躇する。うちは学歴は関係ないが、筆記試験の点数は重要視する。レベルはせいぜい中学生の数学の問題だ。相対評価ではないので、ある一定の点数をとったら全員面接はする。」
なるほど、たしかにそれほど難しい試験ではなさそうだ。だが、大学生になるまで「ペーパーテスト」をあまり重視してこなかった学生にとってはキツイだろう。
リクルートキャリアの調べでは、中小企業も含めて97%の会社が何らかの筆記試験を行っている。その通過率も10%から30%程度であることを考えると、「ペーパーテストの点数よりも、人物重視」と言う前に「ペーパーテストができなければ、面接を受けることすら出来ない」というのが現実のようである。
「仕事ができるかどうかは、勉強ができるかどうかとは関係ない」とよく聞くが、そんなことはない。勉強が出来ないと、そもそも会社に入れてもらえないのだ。
学生の間は、勉強はきちんとやっておいたほうが良さそうだ。
(2026/9/17更新)
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