先月、カナダのトロントでワゴン車が歩行者を次々とはね、10人が亡くなった事件がおきた。
「非モテ」ネットコミュニティーに巣くう闇|NHK NEWS WEB
女性との交際経験がなく、自分を「モテない人間」、いわゆる「非モテ」とみなす若い男性たちのインターネット上のコミュニティーの存在が、ある事件をきっかけに注目されています。
その事件とは、先月、カナダ最大都市・トロントでワゴン車が歩行者を次々とはね、10人が亡くなった事件。
容疑者の男が事件の直前、ソーシャルメディアに投稿していたメッセージの内容から、「非モテ」ネットコミュニティーの一部で渦巻く、女性に対するゆがんだ怒りや恨みが事件の動機につながった可能性が浮上しているのです。
この事件の背景にはインセルという非モテ男性によるコミュニティーの影響があるのではないかと言われている。
インセルとはどういうコミュニティーかというと、ようは生まれてこの方、女性とお付き合いできなかった人達で、そこから生じる不満や怒りを「自分を選んでくれない女性」に感じる人だという。
例えば上記の記事中に登場する元インセルだというカナダ在住の24歳の学生は、高校時代、友人たちが次々と異性と交際を始め、性交渉を経験していくのに対し、自分は異性にいくら親切にしても、交際にまで至らなかったことを不公平に思ったようだ。
次第に不満がたまり「なぜ自分だけがこんなに苦しくならなくてはいけないのか」という怒りにも近い感情を抱くようになった結果、その矛先が女性たちに向かうようになったのだという。
彼はインタビューでこのように受け答えをしている。
「女性に親切に接している自分の何が悪いのか。根本的な不公平を感じました。その責任を負わせる標的は、自分と性交渉してくれない女性たちだったのです」
「自分を選んでくれないことを女性のせいにしたんです」
「ねたみや、寂しさ、そして拒絶された感覚から湧いた怒りです」
自由恋愛は非モテにはクソゲー。
僕も結構長いこと非モテだったので、この若者の苦しみはよくわかる。自由恋愛というのは本当に難しいシステムだ。
というか恋愛というのはやり方が本当によくわからない。
そのよくわからない恋愛を、自分の周りの調子のいい人間がサクサク攻略していくなか、自分だけが全く異性から承認されないという現実がひたすら続く感覚の薄ら寒さといったら、もう昨日の事のように思い出せる。
モテないのは本当に苦しい。在りし日の僕は電車に乗っている時
「この中で異性と付き合った事がない人間はひょっとして僕だけなんじゃないだろうか」
「なんでこんなに頑張って勉強しているのに、全くといっていいほど異性に承認されないんだろう」
「僕は一体、何のために頑張っているのだろう」
なんて思った事もあった。今思うと笑い話のような話だけど、当時は本当に深刻に悩んでいた。
僕の場合はたまたまというか今の妻に見初められてトントン拍子に事が運み、そのまま結婚まで行ってしまったわけだけど、もう一回あのゲームをやれと言われると、本当に本当に本当にもうやりたくない。っていうか絶対に絶対に絶対にやりたくない。
自由恋愛、マジでクソゲーである。
正しい恋愛のお作法は何で明文化されないのだろう?
少し前にMee too運動が勃発して、女性がセクハラの被害を声を大にして主張していたが、僕はMee too運動とインセルという非モテ男性によるコミュニティーの問題は結構近い所にあると思っている。
セクハラというのは凄くヘタクソな恋愛衝動の結果である事が多い。
直接誘ったりとかして断られるのが怖い男性が、すごーく微妙に好意を暗に伝えるような「察して欲しい」ぐらいの態度を取った結果、それがキモくなってしまいセクハラになったという事例は僕の知る限り結構ある。
だからMee too問題を本当に解決したいのなら、インセルのような非モテ男性によるコミュニティーの苦しみにもキチンと向き合う事が大切だと思うのだ。
たぶん非モテが減るだけでセクハラの数はもの凄く激減する。セクハラは、恋愛のアンマッチの結果おこる悲しい現象なのだ。
そのために、やはり正しいというかそんなに間違ってない恋愛方法についてがキチンと整備されて欲しい。
だが、正しい恋愛のやり方は本当に誰も教えてくれない。
偏差値を上げる方法はあんなにも系統だっているのに、自由恋愛に関してはそれこそ本屋に山のように本が積まれているにも関わらず、誰一人としてこの世に真理を語ってくれない。
恐らくそれは、文字でルールを記す事が難しいものんだのだろう。だから症例報告というか、どういう手立てで恋愛が成立し、パートナーができあがったのかの事例を1000例ぐらいまとめた小冊子ができるといいなと思っている。
語り得ぬものは具体例からあぶり出して読み解くしか無い。
私達はいまさらお見合いの世界観には戻れない。
このクソッタレで苦しいリアルの中で、自由恋愛というクソゲーをなんとかかんとか攻略しないと、インセルみたいになって苦しさのあまり気が狂ってしまうという現実を一刻も早く緩和するためにも、この恋愛症例報告シリーズはこの世に必要だと思うのだ。
男性の視点と女性の視点をパートナーごとに別々にインタビューして、どこでマッチが成立したのかをよりいい感じにあぶり出してくれると最高だ。
これ、ほんと誰か書いてくれないかなぁ・・・
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(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)
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