こんにちは。コワーキングスペース「Basispoint」の運営会社、Ascent Business Consulting代表の北村です。

昨今の働き方改革の影響で、コワーキングスペースが非常に増えています。

特に都内は、2018年の上期だけで前年の倍と、なかなかの勢いです。

東京のコワーキング・スペース市場分析、2018年上期だけで前年の2倍

レポートによると、東京オフィス市場で、コワーキング・スペースは2017年以降急激に拡大しているとされる。

延べ床面積は、千代田区、港区、渋谷区、中央区、新宿の5区で、2017年末時点で1万6902m2(平方メートル)に対し、2018年6月末時点で3万2624m2と約2倍に増加。

2018年には累計で約6万2608m2にまで拡大する見通し。2000年代は個室型のサービス・オフィスが主流だったが、5年前よりコワーキング・スペースが広がり、市場が一変してきている様相がうかがえる。

場所を選ばず働け、時にセミナーや打ち合わせなどにも使えるフレキシブルなオフィスとして、人気を博しているといえます。

 

ところで、コワーキングスペースを利用したことのある方はご存知かもしれませんが、利用形態にはおよそ2種類あります。

ひとつはスポーツクラブなどと同じような「月額会費制」の利用形態。

そして、もうひとつはコインパーキングと同様の「一時利用」の利用形態。要するに時間貸しですが、別名「ドロップイン利用」と呼ばれたりもします。

 

もちろん、事業側が安定収益を得るため、圧倒的に数が多いのは、外資大手のweworkに代表されるような「月額会費制」のコワーキングスペースです。

我々もコワーキングスペースを開業した当時はもちろん、月極会員を増やすために、あれこれと施策を打ちました。

 

多くのコワーキングスペース利用者は「一時利用」を望む

ところが、です。

我々が実際にコワーキングスペースを運営してみると、面白いことにヘビーユーザーを含む、ほとんどの利用者は「月額会費制」ではなく「一時利用」を選択するのです。

 

これはコワーキングスペースを運営する会社としては困りましたが、自分の身になって考えてみると、思い当たるフシがありました。

 

私は以前、外資系のコンサルティング会社で働いていました。

「どこで働いても良い」というルールだったのですが、環境は提供する、ということで会社があちこちに仕事ができるスペースを借りていてくれていたのです。

渋谷、新宿、池袋……私は、その日の仕事先と、気分で様々な場所で働いていました。

 

その時感じたのは「固定の場所で仕事をするよりも、あちこちに使える場所が点在していたほうが、遥かに便利だ」という事実です。

おかげで、好きな場所と時間に仕事ができました。

要は、仕事したい気分になったとき、すぐ近くに働くことのできる拠点があるのが、ベストなのです。

 

そう言う意味で、全国の「役所」や「旅館」の空きスペースまで仕事場にしてしまう、ユニリーバの取り組みは極めて画期的と言えます。

役所や旅館を仕事の拠点に ユニリーバ、全都道府県で

日用品大手のユニリーバ・ジャパン(東京・目黒)は、全国の自治体の役所や旅館を社員がオフィスとして使える取り組みを始めた。

社員が各地域で仕事をしながら商品開発や特産品の販促支援などにつなげる狙い。

2020年までにすべての都道府県で導入をめざす。働き方改革の一環でテレワークを採用する企業が広がっているが、全国を対象にするのは珍しい。

(日本経済新聞)

今の時代は結局「自由度」が、知識労働者にとっては重要なのです。

 

サービスが予想と異なる使い方をされたときは、絶対に「チャンス」

ピーター・ドラッカーは、「予期せぬ成功にイノベーションの芽がある」と言いました。

それは、全くそのとおりで、サービスが予想と異なる使い方をされたときは、絶対に「チャンス」です。

 

例えば、弊社の場合では「月額利用」よりも遥かに多くの人が「一時利用」を選択しているという事実はチャンスです。

 

くわえて現在、ほとんどのコワーキングスペースは「一時利用」を嫌っています。

会員管理も面倒ですし、一見さんのためになんでそこまで労力を使わなければならないのか、と思うのも無理はありません。

結果、一時利用(ドロップイン)をやらない、あるいはやっていてもウェブに表示すらしていないコワーキングスペースも多いです。

 

でも市場はそうは考えていない。

Googleでコワーキングスペース、という言葉を検索すると、まずは「地名」がでます。

「立ち寄った先で使いたい」というニーズがまずある。

そして「ドロップイン」という言葉が合わせてリコメンドされますが、一時利用のニーズは非常に高いのです。

これを受けて、我々は徹底的に、一時利用の、ドロップインの顧客をサービスの中心にすえました。

ドロップイン歓迎!

ドロップイン歓迎!

ドロップイン歓迎!

というわけです。

 

データを見ると、ほとんどのコワーキングスペース利用者は、月に何度も利用するのではなく、2〜3ヶ月に一度のペースで利用しています。

また、利用する場所も、あるときは新橋、あるときは神保町、またあるときは五反田など様々です。

 

一部の起業家やフリーランスの方であれば、「オフィスのように」コワーキングスペースを利用するので、固定の月額会費制が良いかもしれません。

しかし大半の利用者は

「時間があるときに、カフェのように、ちょっと立ち寄って仕事がしたい」

「でもカフェは混んでいるし、長時間は居られないのでコワーキングスペースを使いたい」

と思っています。

 

そしてそもそもの話、コワーキングスペースの本質は、多様性、交流、コラボレーションです。

「月会費制」に比べて、オープンであり、絶対的な利用者も多く、利便性も高くなるドロップイン利用の方が増えれば、コワーキングスペースの賑わいも増すことになります。

 

こうして、マーケットを中心にした結果、弊社は3年余で総計、2万人の会員を抱えるに至ったのです。

今後、弊社のBasisPointは、

「オフィスだけではなく、あちこちに安くてすぐに使える仕事場があったら、めちゃくちゃ便利じゃないですか?」

を合言葉に、さらなる多店舗展開と、コワーキングスペースの利便性を追求していきたいと思っています。

 

【お知らせ】

10月1日よりBasisPointは新料金プランを導入します。

コワーキング業界で初となるサブスクリプション方式も採用。月に1400円で毎日30分、BasisPointのコワーキングスペースが使い放題となります。

朝の情報収集のひとときに、昼食後の休憩に、就業後の勉強などに

BasisPointをお役立てください。

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