main_img_01「ルンバ」といえば、大ヒット自動掃除機としてご存じの方も多いのではないだろうか。2006年頃からブームに火が付き、2012年までに800万台が出荷された。パナソニックなどもこのブームに目をつけ、類似商品を販売しているが、「自動掃除機といえばルンバ」というイメージはそうカンタンには崩れそうにない。

 

さて、この「ルンバ」の製造元がアメリカのiRobot社である。彼らは高いロボット技術を持っており、掃除機だけではなく様々なロボットを製造している。

実は、彼らはルンバの製造だけではなく、福島原発事故の処理に当たるロボットも製造している

 

iRobot CEOのコリン・アングル氏が語る「ルンバとロボット作りの今後」(家電Watch)

ルンバは自動ロボット掃除機の草分け的存在で、この日本でも現在、前年比237%増と売れ行き好調のヒットアイテムだ。今年は、さまざまなメーカーがルンバの後追い的な製品で、同市場に参入してきている。一方、iRobotは、別の一面でも大きな注目を浴びている。それは福島第一原発事故の収束に向けて、建屋内に多目的作業ロボット「パックボット」を投入したからである。”

 

 

このように先端技術で他社との強い差別化を行っているiRobotだが、その創業は実は1990年である。

正直な感想としては、「思ったよりかなり古い会社」だ。今年ですでに25年近く経っている。そして、上のインタビュー記事にある起業からの軌跡が壮絶である。

 

”――1990年にiRobot社を設立してからこれまで、全てが順風満帆だったわけではなかったと伺っています。特に、2003年までは厳しい時期が続いたと――それでもロボットを作り続けてこられた理由を教えてください。

 実際にはずっと赤字続きだったということはなくて、1990年から1997年までは利益も出なかったかわりに、損失もまったく出てなかったんです。その間は、とにかく依頼のあったさまざまなロボットを作り続け、さらに今度はどんなロボットを作ろうかと考え、とてもエキサイティングな時でした。

 1998年にいよいよその後のiRobotを決定づける明確なビジネス思想が生まれ、そこから2003年までが実はずっと赤字でした。ですが、それ以降はずっと黒字となっております。赤字となった期間もずっと我々がロボットを作り続けられた理由は、家庭用ロボットや政府用ロボットが、今後成長し続けるロボット産業の核となると確信があったからです。”

なんと創業から7年間も、利益が出ていないというのだ。さらにその後の5年間は赤字である。普通では考えられない期間、この経営者と会社は耐えてきた、ということだ。

そして、彼らはその「時間」を味方につけることに長けているようである。

”最初のルンバが誕生してから11年たちましたが、この間つねにブラシの改良を続けてきました。800シリーズにおけるこのブラシを生み出すまでには、実に5年もの歳月を要したのです。最初のプロトタイプはアイデアが生まれて1ヶ月もしないうちにつくりましたが、最終的な製品にいたるまで100以上ものプロトタイピングをおこないました。”

とかく「すぐにお金になること」、「利益を早く出せること」ということに企業はとらわれがちだ。しかし、簡単に作ったものは簡単に真似される。

一つのことに長い時間じっくり取り組む事こそが、「他者の真似できないことができる」ようになるための王道である、ということを我々は忘れがちである。

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安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
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(2025/6/2更新)