a0001_013136自分は外交的です。自分は内向的です。明るいです。暗いです。人付き合いが得意です。苦手です。

自己評価は様々なところで聞かれるし、「性格診断」や「占い」などにも、そのようなコンテンツがあふれている。

 

そうして、様々な経験を経て、人は大人になるにつれておおまかに「自分のイメージする自分」が形となってくる。

 

しかし、この「自分に対するイメージ」は意外に厄介だ。

例えば採用の面接をしていると、次のような人に会う。

 

「なぜうちの会社に応募したのですか?」

「はい。私はつねづね「いろいろな会社の人に会える仕事をしたい」と思っていました。もちろん前の仕事もそれなりにやりがいはあったのですが、自分の性格として「常に新しいチャレンジがないと満足できない」ということがあり・・・」

 

人事評価でも同じことが多々ある。

「今年はどういったことに挑戦しますか?」

「はい。私はどちらかと言えば地道にやるのが得意なので・・・

 

 

こういった「自己評価」は、「その人が思う自分自身のイメージ」を体現しているので、やりたいことや、今後の進路を決める上で一つの指針となる。それはそれで有用である。

しかし、時として、「自己評価」は自分の選択の幅を著しく狭めてしまう。

 

ピーター・ドラッカーは著作「プロフェッショナルの条件」にて次のように述べている。

 

誰でも、自らの強みはについてはよくわかっていると思っている。だが、たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。それさえ間違っていることが多い。”

 

余程のことがない限り、普通、人は自分の強みや弱みについて深く考察することはない。そして、「なんとなく好きだから」「なんとなく今までやってきたから」という理由で自身の可能性を定義するのである。これは非常にもったいないことだ。

 

キャリアをどのように積み上げるか、何の領域で一流を目指すのか、決定をすることは非常に難しい。しかし、少なくとも「自分のイメージ」を頼りにそれを決めるのは、時に大きな可能性の放棄となることがある。

 

では、「他人の評価」は当てになるのだろうか。残念ながらそうではない。他人の評価は多くの場合、「こうあってほしい」「こうあるべきだ」という願望や要求を含む。それらは本人が持つ資質とは何ら関係がない。

多くの両親が「あなたはデキる子なんだから、良い学校に行って、良い会社に入って」と言うが、そこには多分に願望が含まれている。

多くの上司が「この仕事がうまく出来たのなら、これもできるはずだ」というが、そこには要求が含まれている。

そういった「意見」は一つの材料ではあるが、材料にすぎない。

 

それではどうするべきなのか。ピーター・ドラッカーは「フィードバック分析を行え」と述べる。

有り体に言えば、記録を残せ、それを見なおせ、ということだ。

多くのマネジメントシステムが提唱するように、「記録がなければ、パフォーマンスを測定することはできない」のである。

 

したがって、自分を知るには記録が必要だ。

古くは日記や手帳、最近ではブログからSNSまであらゆるものが記録として使えるのだ、人にアドバイスを求めるのも悪くないが、まずは日記をつけたり、ブログを書いてみてはどうだろうか。

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)