a1180_013213「あの時この方法でやったからうまくいった。今回も同じようにすべきだ」という話は会社内でよく聞く。

成功体験を数多く経た人ほど、「成功法則」をいろいろなことに当てはめ、2匹目のドジョウを狙う、ということが増える。

 

私もかつていろいろな会社でこのようなシーンを見た。

例えば集客の方法である。少し考えただけでも、

「セミナーをやって集客する」

「webから集客する」

「DMをうって集客する」

「テレアポする」

「ポスティングする」

「紹介を誘引する」

など、様々な方法がある。

 

しかし、往々にして「あらゆる可能性を検討する」ということは放棄されがちである。

例えばある人が

「今回はセミナーではなく、DMの方が良いと思います。」

と言っても、会社内のベテランと言われる人が、

「今までの経験上、セミナーのほうが良い」といえば、さしたる検討もされず、それが採用されたりもする。

 

しかし、本当に「経験」は当てになるのだろうか。また、「法則」「しくみ」などは、意味のあるものなのだろうか。

 

こういった状況に対して、ある科学者が問題を提起している。すなわち、

 

「あらゆる問題で性能の良い汎用最適化戦略」は存在するのか?

 

という問いである。

ビジネスマンにとってもっとわかりやすく言えば、「様々な問題に効率よく対処できる、ビジネスの法則、というものはあるのだろうか?」という意味にとらえてもよい。

 

実は、これに対しては答えが提出されている。

ノーフリーランチ定理」という定理だ。

 

この定理によれば、「そんな都合の良い法則はない。ケースバイケース」だというのだ。

”この定理は「あらゆる問題で性能の良い汎用最適化戦略は理論上不可能であり、ある戦略が他の戦略より性能がよいのは、現に解こうとしている特定の問題に対して特殊化(専門化)されている場合のみである」ということを立証している

工学者や最適化の専門家にとって、この定理は、問題領域の知識を可能な限り使用して最適化すべきだということを示しており、領域を限定して特殊な最適化ルーチンを作成すべきであることを示している。”(Wikipedia)

 

すなわち、「問題が発生した都度、ケースによってどのような解法を用いるか考えたほうがよい」と言っている。

NoFreeLunch

 

成功法則に頼っても、思ったより成果が上がらない、ということはよくある。

そういうときは、「ノーフリーランチ定理」を思い出すとよい。解決策は、ケースバイケースなのだ。

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
ご視聴登録は こちらのリンク からお願いします。

(2025/7/14更新)