おはようございます、しんざきです。まだまだ寒いですね。
ここしばらく見ていた、長男の英語の勉強についての話をします。
しんざき家の長男は中学二年生。小さなころからの由緒正しい電車好きです。
文化祭見学で見た「鉄道研究部」の展示に魅せられ、「鉄研がある中学校に行きたい……!!」というのを原動力に受験勉強に励み、見事志望校に入学して、現在は夢の鉄研生活を送っています。
友人たちとちょくちょく鉄道小旅行にも行っているようで、中学生活をエンジョイ出来てなによりだと思います。
で、その長男なんですが、入学してしばらくは何事もなかったものの、中学に入って初めて本格的に勉強し始めた英語がいまいち伸び悩んでいる模様。
ちょこちょこアドバイスをしながら様子を見ていたのですがなかなか上向かず、当人とも相談の上、家でも私が勉強に付き合うことになりました。
試験の結果を見ていると、特定の苦手な分野があるわけではなく、いろんなところにちょっとずつ理解漏れや取りこぼしがある模様。
例えば現在完了がうまく訳せなかったり、指示代名詞の指示対象を勘違いしたりといったミスがちょくちょく発生しています。
基本的な文法理解の確認については、「ちびむすドリル」さんの問題プリントを利用させていただきました。
で、「時制の概念がさっぱりわからん」「疑問詞の訳し方が何がなんだか」といった根本的な取りこぼしはないことを確認。
国語もよくできているので言語自体の読解力には問題ないと判断。
となると、鉄板の勉強法は「和文英訳」および「英文和訳」。
ある程度の長さの英文を和訳してもらって、その訳の内容を一緒に見つつ、うまく訳せていない部分について一緒に考える、という勉強法である程度補完できそうです。
英文和訳において一番ネックになるのは、「適切な英文の用意」となります。
時間さえあれば自分で一から作るんですが、結構大変なんですよこれが。
そこで当初は、「Time for Kid’s」さんから英文を引用させていただいて、それを一緒に訳す、というのをやってみました。
「Time for Kid’s」さんのサイト。かの「Time」さんの運営でして、クラスルーム学習用の新聞として発行されているそうです。
対象年齢をしぼった記事検索も出来るのがとても便利。
これはこれで良かったと思うんですが、「長男の興味の度合によって和訳のクオリティが著しく上下する」という問題が発生。
宇宙探査の話とかボードゲームの話とか、興味がある話題の時はわからない単語も頑張って調べるし真剣に訳すんですが、そうでないといまいち面倒くさがるんですね。
本来は「試験の時には自分が興味ない話題も出るんだからちゃんと訳そうね」という話なんですが、中学男子相手にそんなことを言っても始まらないので、「じゃあ長男が興味ある英文を引っ張ってくるか」と考えました。
長男の興味分野の最右翼というと当然鉄道です。
とはいえ、鉄道についてのちょうどいい難易度の英文なんてそうそう簡単に見つかるものでもないので、
ニューラル機械翻訳の力を借りることにしました。
日本語で鉄道についてのちょっとした文章を引用、あるいは自分で適当に和文を書いて、それをDeepLにかませると、かなりいい感じの英文を作ってくれます。
公式webページやWikipediaの文章をそのまま放り込んでもある程度教材として使える英文が出来るんですが、ちょっと日本語に手を加えて固い単語を少なくすると、さらに学習に適した英文に整形することが出来ます。
翻訳中でも適切な単語をこちらで選べる、というのも大きなポイント。
中学英語にはそぐわないな、というような英単語はこちらでコントロール出来るんですね。
この訳だと札沼線を「さつぬま」と読んでしまっていますが、そんなのはこちらで修正すれば済む話です。
予想通り、これで「鉄道についての英文」を用意してあげると、長男のやる気ゲージがいきなりアップしました。
今まではわからない単語をちゃんと調べないで適当に訳してしまったり、訳さないといけないところを飛ばしてしまったりといったこともちょくちょくあったんですが、知らない単語もきっちり調べるようになりました。
自分に馴染みがある分野だと「単語間の類推」も効いてくるようで、「これは第三セクターという意味だろうから、こっちは自治体って訳すんだろうと思った」などという言葉も普通に聞こえてきます。
「知っている単語から知らない単語について推理する」というのは、英語力を身に着けるに当たって滅茶苦茶重要なスキルです。
で、当初は「長男からテーマになる路線を指定してもらう」というやり方をやっていまして、「芸備線!」とか「札沼線!」とかいう言葉が出てきて、それに沿って英文を用意してもいたんですが。
ふと思いついて、「文章内に路線名を出さない」「文章の内容から路線名を当てさせる」というやり方にしたら、これがもうドハマリしました。
プリントを渡した瞬間から文章を読み始めて、始点駅やら終点駅やら地方名やら使用車両やら、ヒントになりそうな単語を見つけてはうんうん考えて、
「あ、城北線!!」とか、「四日市あすなろう鉄道!!」とか言い当ててはきゃっきゃ喜ぶわけです。
ちなみに、そこからその鉄道についてのうんちくが始まったりもします。
「オタクは知識マウントをしたがる」という本来あまりよくない習性を、いい方向に持って行けた瞬間です。
この時は「よっしゃ!」と思いました。
試験対策の話にもなるんですが、「わかるところを最初に見つけて、そこをとっかかりに英文全体の意味を考える」というのも、非常に重要なスキルなんですよね。
そういう意味でも、これはいい練習になるなあと思っていまして、続ける内にだんだん和訳のクオリティも上がってきました。
何か基底となる「これ好き!」というものがあって、それを「勉強」という分野に活かせた、という点では、とてもいい経験をさせてあげられたのかも知れないな、と考えている次第です。
今後も当面継続しようと思っています。
もちろんこれはn=1の話なので、こういう勉強法が刺さる子もいれば刺さらない子もいるでしょうが、DeepL翻訳が英語の勉強にもめちゃくちゃ使えるよという話については、ご存じの方も多かろうとはいえ共有しておきたいと思った次第です。
よろしくお願いします。
今日書きたいことはそれくらいです。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
【著者プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
Photo by Ryan Wallace