ありがたい事に6/28に初となる単著がでる事になった。
<ほんとうの医療現場の話をしよう 医学部を目指す君たちへ 単行本(ソフトカバー) – 2022/6/28高須賀とき (著)>
これも普段記事を読んで下さる皆様のおかげである。厚く御礼申し上げます。購入いただけると大変嬉しく思います。
本の内容を一言でいえば、医者として働くという事はどういう事なのかである。
普通の医者本とは性質が180度異なるので、お読みいただければ冗談抜きで医療に対するモノの見方が一変すると思う。
この本で僕が目指したのは好奇心の喚起だ。
好奇心は人生を大きく変える。それぐらいこの力の影響は大きい。
以下、実体験に基づきつつ好奇心の偉大さを書いていこうかと思う。
好奇心はそう簡単には殺せない
好奇心は猫を殺すという言葉がある。
これは過剰な好奇心は身を滅ぼすと他人を戒める為によく使われる言葉だが、この言葉にはもう1つの重要な裏テーマがある。
それは好奇心が時に命と等価になりうるほどにデカくなるという事だ。
好奇心の持つ力は凄い。
人は一度心の底から知りたいと願ってしまったら、その衝動を抑える事はほぼ不可能だ。
貴方も小中学校の頃、人がコソコソと噂話をしていたりしたら、妙にその内容が気になった事があるだろう。この手の噂話程度の好奇心なら数日程度で知りたいという衝動はおさまるが、世の中にはそれでは全く収まらないタイプの好奇心もある。
僕にとって一番最初のその衝動は、あるテレビ番組でみた達人だった。
世の中に、こんなにも面白そうなものがあるのか
高校生ぐらいの頃の話である。たまたま夜中に居間を訪れた際、父親がテレビ番組をみていた。
番組の名前は超偉人伝説 神様と呼ばれた男 合気道塩田剛三伝。この番組が僕の人生を変えた。
この番組は合気道の達人・塩田剛三を紹介するものだ。
身長160cm程度の小柄な老人が、バッタバッタと大柄の男をなぎ倒していく様は、あまりにも異様であった。
僕はそれまで全く身体を動かすことに全く興味が無かったのだが、この番組をみて雷に打たれたような強い衝撃をうけ、即座に大学に入ったら合気道をやろうと心に決めた。
それまで運動経験なんて皆無に等しかったのに「自分にはきっと合気道の才能がある」と理屈抜きに直感が走った。
結論からいえば、その直感は大きく間違っていた。
僕に運動の親ガチャは絶対に無かった
そうして僕は大学に入学後に合気道を始める事となったのだが、僕の運動センスはマジでメタメタであった。
動きはぎこちなく、技の覚えも非常に悪い。
客観的にみて僕に合気道の才能が全く無いのは明らかだった。
この時点で仮にポテンシャルを第三者に測定してもらったとしたら、僕は10段階評価で1だ。
昨今よく話題になる単語に親ガチャというものがあるが、僕の合気道の親ガチャはそれこそ1である。
運動センスが皆無なのだから、合気道をやり始めた事自体が何かの過ちだったとすら言えるレベルである。
しかしこれが実に不思議なのだが、僕はこの時点で自分に才能が全く無いとは何故か一ミリも思わなかった。
それどころかやり続けていれば、いつか自分は達人・塩田剛三のような神業が出来るようになるに違いないと確信すら抱いていた。
練習を始めて1年目は…全然駄目だった。
練習を始めて2年目も…残念ながら駄目である。
普通に考えて、この辺りで「自分には才能が無い」と思い知るべきなのだが、不思議な事にこのとき僕は合気道が楽しくて楽しくて仕方がなかった。
文字通り四六時中、起きている時間の間のほぼ全てを合気道のイメージトレーニングでもって消費していた僕は、3年目の途中から急に不思議な力に覚醒した。
好奇心は凡人から能力を引き出す
「あれっ?他人の力の流れがよめる…?」
それまで本当にメタメタな動きしかできなかった自分だが、ある瞬間から人をタイミングよく特定の方向に押せば割と簡単に倒せる事に気がついた。
もちろん達人・塩田剛三のように自発的にはバッタバッタとなぎ倒す事はできないのだが、タイミングさえ合わせられれば相手の力を利用して自分よりもデカい人間を投げられるようになっていた。
大きい人間が小さい人間を投げるのは普通の事だが、小柄な人間が巨漢を投げ飛ばすのはミラクルである。
これを試合でやると大歓迎が湧く。
こうしてそれまで全く注目を集めなかった自分が、いつの間にか小柄なのにデカいやつを時々ポーンと投げ飛ばす人間として認知されるようになっていた。
そして師範代に「お前は合気の才能がある」とまで言われるようになった。凡人以下だった自分がだ。
「人間、夢中になれれば才能ですら後から付いて来るんだな」という事をこのとき僕は実感した。
親ガチャが悪いと諦めるだなんて、あまりにも人生がもったいない
ちょっと前の記事で僕は「成功したかったら狂人になれ」と書いた。
この記事は狂気を身にまとって徹底した努力を続けていれば道が拓ける事があるという実例を元に解説したものだったのだけど、この狂気に等しいぐらいに人を駆り立てるものが実は好奇心である。
好奇心の力は凄い。「知りたい」という衝動だけで人は時に禁忌すら犯し、「なんかこれ面白そうだぞ」というだけで呼んでもいないのに人がワラワラと集まってくる。
「やれ」と他人に言われてもほとんどの人は動かないのに、好奇心を掻き立てられたら人は誰に何を言われずとも勝手に物事に夢中になる。
好奇心は人を動かす。そしてそれは時に凡人から才能すら発掘する。
だから僕は「自分には才能が無い」とか「親ガチャに外れたから」という風にやる前から諦めるのは本当に勿体ない事だと思うのである。
本当に心の底から”やってみたい”と思えるような事なら才能の有無なんて気にせずゴリゴリに取り組めばいい。
好奇心の持つ力を信じよう。本当にやりたい事ならば、必要な力は後から必ず付いて来る。
少なくとも僕には運動面における親ガチャ運は無かった。それでも夢中になってやり続けていたら、世界が変わった。
あの日に目覚めた”好奇心”だけがずっと色せずに僕の中で輝き続け、そしてそれは現実世界で花開いた。
好奇心は人を変えるのだ。
本を通じて、好奇心を人に植え付けてみたかった
以上が僕の経験した才能が開花した話である。
改めて痛感するのだが、冒頭で紹介した達人・塩田剛三のドキュメンタリーのコンテンツは凄い。
たった10分程度の映像であんなにも人をワクワクさせ、夢中にさせただから、あの動画の製作者は神のような能力者である。
あの日あの時あの番組を見なかったら、僕はたぶん合気道なんてやらなかった。
そう考えると、一つのコンテンツが人の運命を動かしたのだ。
あの番組をみてからもう十何年もの時が流れた。
本を書いている最中、ふとこの超偉人伝説 神様と呼ばれた男 合気道塩田剛三伝の事を思い出し、そしてこう思った。
「あの番組と似たような性質の本を書いたら、人の人生をいい方向に動かせるんじゃないか?」と。
故に僕が書いた本には人生を変えるような力…好奇心をそこかしこに仕込んでいる。
進路に迷った高校生が読んだら医者になりたくなってしまうかもしれないし、子供を医者にしたい親が子供が手に取るようば場所にソッと置いておいたら、子供の運命は転ぶかもしれない。
既に社会人となった人も面白く読めるはずである。
この本には医者でしか持ち得ない思考回路がそこかしこに仕込んである。
この本を読んだら医者と随分話しやすくなるだろうし、健康や命というモノに対するものの見方も相当変わるはずだ。
そして実は最も読んで欲しいのが医療系の学生ならびに医療関係者だ。
僕はこの本を通じて、現代社会における医者のアイデンティティの根源がどこにあるのかをかなり踏み込んで書いた。
このアイデンティティの根源こそが現代人が欲してやまない「何者かになった」感覚に通じる鍵だ。
これを手に入れる事ができたら己の使命を感じ取れ、日々の生活がイキイキとし始めるだろう。
楽しく働くには大義が必要だ
仕事は現代人のアイデンティティの根幹を成すものとなっている。
しかし同時に多くの人は「働きたくない」という感覚も同時に併せ持っている事だと思う。
自分も長年この感覚のねじれに随分と苦しんだが、最近になってこの働きたくなさが何に起因しているのかがやっとわかった。
誰かにいいように使われたくないというものだ。
しかし誰もが人を使えるような立場に身を置けるようなものでもない。
そんな状況下で楽しく働くのに一番必要なのは己の役割をキチンと認識し、それに全力を尽くす事だ。
役目をキッチリ果たしている人間に口出しできる奴は居ない。ちゃんと仕事を熱心にやっている人間の姿は尊い。
じゃあどうやったら人は仕事にキチンと向き合えるのだろうか?僕はその鍵はやっている事の中に意味や歴史的経緯を見いだせるか否かにかかっていると思う。
歴史を見渡すと、大義に殉じた人間は結構いる。共産主義や武士道など、イデオロギーを掲げて命がけで戦った人間の事を思い浮かべてもらえればわかりやすいだろうか。
もちろん平和な現代日本でこれらのような強い使命感を抱くのは難しいが、それでも職業理念というのは存在する。
しかし残念ながら多くの職業において、この職業理念はキチンとは説明されてはいない。僕はこれは非常に勿体ない事だと思う。
人間は理念を抱ければどこまでもシャカリキになれるし夢中になれる。金やQOLのようなものでは決して得られない真の満足がそこにはある。
楽しく働く為に最も大切なものは大義である。故に僕は自分のアイデンティティが何に根付いているのかのヒントが得られるような話をたくさん散りばめた。
それを本を通じて丁寧に拾っていって欲しいなと思う。
私たちはどこから来て、どこに向かうのか
若い頃は日本人としての民族意識だとか、どこの組織に所属しているかといった事に全くといっていいほどに興味を見いだせなかった。
自分は自分だ。それで十分じゃないか。そう思っていたのである。
それがいつしか年々歳を重ねるにつれ、その手の現象に強い興味を持つようになっていた。
これは自分だけの現象ではなく、周りの皆がそういう風な自意識を持つようになっていったので、加齢に伴う自然現象のようなものなのだと思う。
自分の立ち位置が、どのような歴史的経緯から定まって、そしてそれがどこに向かっていくのか。
現代が自分達に何を求め、そして自分達はそれに求められてどこに行くのか。
そういった自分の運命のようなものを感じ取れるようになると、人生は俄然楽しくなる。
せっかくなら人生、楽しまないと損だ。
人生を楽しくする為のヒントを僕の書いた本を通じて拾っていってもらえたら、これ以上の喜びは無い。
<ほんとうの医療現場の話をしよう 医学部を目指す君たちへ 単行本(ソフトカバー) – 2022/6/28高須賀とき (著)>
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奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。
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(2026/01/19更新)
【著者プロフィール】
都内で勤務医としてまったり生活中。
趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。
twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように
noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます
Photo by Kesara Rathnayake












