タイトル長すぎると思ったんですが、「自分が苦労していたんだから他人にも同じ苦労させたい症候群」ってなんか適切な呼び方あるんでしょうか。
軽くぐぐったんですが、うまい略称が見当たりませんでした。どなたか、適切な略称をご存知でしたら教えてください。
まあ、字面から言わんとしているところは了解していただけると思います。
例えばPTAとか。例えば町内会とか。例えばマンションの自治会とか。
もしかすると企業や学校でもそうなのかも知れませんが、「ある程度長く続いていて、硬直化した組織」では、しばしば下記のような状態が見受けられることがあります。
・どう考えても不要かつ無駄な作業が、何故か改善・撤廃されない
・改善しようとすると、そこに長くいた人から何故かよく分からない抵抗や圧力がかかり、改善することが出来ない
・現在の作業者も全員無駄な苦労だということを認識しているが、嫌々その作業を継続している
・本来なら改善を指示するべき上位の人間も、何故か見て見ぬ振りをしている
皆さん、上記のような経験ありませんか。
これ、別に組織の作業やフローに限った話ではないと思うんです。
例えば育児とか料理とか家事とか、およそ「多くの世代がやってきた、共通の作業」一般で、かなり広範囲に、「どう考えても無駄な苦労、ないし非効率な行為なのに、何故か継続する/以前と変えないよう圧力がかかる」という現象が発生することがあります。
子育てを既に完了なさった世代の皆さんが、「こんなことで親が楽をすると子供に悪影響ガー」とかやられることもよく聞く話ですよね。
これが、私が考える「自分が苦労していたんだから他人にも同じ苦労させたい症候群」の分かりやすい一例です。
ちょっと諸事情で詳細はボカしますが、しんざきの話をさせてください。
しんざきは、住んでいるマンションの理事長を持ち回りで担当した時、当番制で地元の町内会に所属していたことがあります。
「町内会」の「青年団」というものが、青年といっておきながら9割以上50歳以降の皆様で構成されていることを、私はこの時初めて知りました。まさか、35を過ぎてから「何かの集団の最若手」になるとは思いませんでしたよホント。
で、この時、妙に「何の意味もない、要らん役職」というものが多いなー、ということに気づいたんです。
例えば、実際には何のタスクも割り振られていないのに、何故か会議にだけ出席することになっている「町内会長補佐」であるとか。
町内会の印刷物を担当する役割の人は他にいるのに、その印刷物をコピーして保存しておくことだけが仕事となっている「書類管理係」であるとか。(印刷物の電子ファイルは別に保存されている)
区と交渉することなど実際には年に1回もなく、町内会長がやってしまえば済む話なのになぜかわざわざ役職が定められている「渉外」であるとか。
いや、上記はほんの一例なんですが。とにかく、「これなくていいよな」「これしなくていいよな」という、妙なポジションやタスクが目白押しだったわけです。
「一見無駄だけど、よく調べてみたら何かしら必要な部分もあるのでは?」じゃないんです。「かつては必要だったかもしれないけれど、今は完っっ全に無意味だよね」なんです。
これら役職は、持ち回りで必ず誰かしらが担当することになっており、その人たちは一年間、実質的なタスクもないのに会議やら連絡やらに追われることになります。
仕事柄、無駄なフローを見ると省略して工数を改善したくなる習性がある私は、町内会長にも掛け合って、その辺整理しませんかという話を持っていったんです。
あと、単純に無駄なタスクはめんどーくさいので。
帰ってきた答えは、「不要なのは分かるんだけれど、「ずっとやってきたのに、来年から楽になるのはずるい」っていう人が多いから。。。」というものでした。
なんか、以前にも会議の席上で「タスクの省略」が話に出たことは何度かあったらしいんですが、その度に立ち消えになってしまったらしいんですね。
正直、ちょっと驚きました。話には聞いていたけれど、実際にこういう「改善を嫌がる抵抗勢力」というものがいるものなのか、と。
確かに、かつてはそういうポジション、そういうタスクが必要だったこともあったかもしれないんですよ。
確かに、かつて色んな「めんどーくさいこと」を乗り越えた人たちの苦労は尊重するべきだと思うんですよ。
確かに、かつて「めんどーくさいこと」をやった人たちが、そのポジションがなくなることで、まるで自分たちの苦労が無になった、毀損されたような気分になることもあるかもしれない、と思うんですよ。
けれどそれは、現実に「改善するべき点」を無視する理由にはならない。
「かつて苦労をした人たち」は、「次の世代が苦労をしなくて済むこと」を喜んで欲しいし、「俺たちが苦労したからこそ、今、苦労しなくて済むようになるんだ」と誇りを持って欲しい、と思ったんです。
この時、私が考えた「処方箋」は、下記の二つでした。
・役職等は表面上そのままで残しつつ、中身を省略しまくって有名無実化する
・改善をいやがる人に個別で掛けあって地道に根回しをする
どっちがいいかなあ?と思ったんですが、当時は割と時間があったのと、町内の人たちに興味があったこともあって、二つ目を選択したんです。
会議の席でいきなりぶち上げると面倒なことになることが予想されたので、「こういう人たちが改善を嫌がっている」ということを町内会長からお聞きして、その人たちと個別にお話をしてみることにしました。
この時、「昔苦労したことは理解できるし、尊重する」というスタンスが相手に伝わるように、なるべく腰を低くお話することを心がけました。
細かいところは省きますが、結果からいうと、面と向かって「そういう改善をされるのは納得がいかない」という話をされることはありませんでした。
皆さんお話をするとご納得いただいて、拍子抜けする程あっさりと、「役職の簡略化」「不要タスクの省略」は前に進みました。
正直、私のスタンスが功を奏したのかはよくわかりません。
「現役世代に不満を持っている人が多かったから」というパワーバランス的な前提があるのは間違いありません。
実際には町内会長の心配が杞憂というか気にしすぎで、抵抗勢力というほどの勢力は残っていなかったのかも知れません。
一対一だったから頑固なことを言い出せなかったのだ、という可能性もあります。
実は町内会長自身が改善を望んでいなかったという可能性も、表面上文句が出なかっただけで、実際には私が裏で顰蹙を買いまくっていた、という可能性も勿論あります。今のところ実害は出ていませんが。
ただ、一般的な「処方箋」として、
・かつて苦労した人たちに、「私は、あなたたちの苦労を尊重している」ということを伝えること
・その上で、「みんなが苦労しなくて済むこと」を受け入れて欲しい、と伝えること
・根回しは事前に個別にやっておいた方が楽だ、ということ
この三点が言えることは多分確実だろうと思い、今後とも同じような状況では心がけていきたいと思った次第なのです。
今日書きたいことはそれくらいです。
(2024/8/12更新)
ティネクト株式会社・一般社団法人ノーコード推進協会・株式会社UNISON HYBRID
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<2024年9月19日実施予定ウェビナー>
業務の内製化が
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13:00~13:05 オープニング、企画趣旨説明(進行:西舘聖哉)
13:05~13:20 一般社団法人ノーコード推進協会の紹介(ノーコード推進協会)
13:20~13:35 AUTOMAGICの紹介と現場に与えるインパクトについて(ティネクト)
13:35~14:15 パネルセッション ~ノーコードとAIで起こす仕事変革~(進行:梅田悟司様)
14:15~14:25 質疑応答(事前質問を募集している場合はその回答も含む)(進行:西舘聖哉)
14:25~14:30 クロージング、アンケートのご案内や告知など(進行:西舘聖哉)
【対象者】
・現場を指揮する経営者の方
・中小企業、大企業、行政などに関わらず、現場で働く業務担当、マーケティング担当
講師紹介-
【パネリスト】
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安達裕哉(ティネクト株式会社)
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【全体司会進行】
西舘聖哉氏(株式会社UNISON HYBRID 代表取締役)
日時:
2024年9月19日(木)13:00〜14:30
参加費:無料
Zoomウェビナーによるリアルタイムストリーミング配信となります。
お申込みは
こちらティネクウェビナーお申込みページをご覧ください
【プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城