マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則様々な会社で、「目標必達」という言葉が使われている。従業員に発破をかけるために用いられていると思うが、ひとつの疑問が常にあった。

常に「目標達成している」人物を、信用していいのだろうか?

という疑問だ。

 

確かに経営者からすれば毎度のように目標を達成してくれる人物はありがたい存在である。給料を上げたり、ボーナスを気前よく振る舞ったりもしたくなるだろう。

が、

一方でこのような話もある。

常に目標を達成できる、ということは、「目標が低く設定されていたからだ」ということではないか?

 

ピーター・ドラッカーは著作「マネジメント」の中でこのように述べている。

 

”成果とは長期のものである。すなわち、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないということである。
それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。

成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。
そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。

人は、優れているほど多くのまちがいをおかす。
優れているほど新しいことを試みる。 ”

 

 

もちろん、目標達成は、本人の努力の証であることは疑う余地はない。しかし、毎回のように目標達成をしている人間がいたら、上の話を疑ってみるべきだ。

 

「失敗できない」という状況ほど、人間を保守的たらしめることはない。

クレイトン・クリステンセンが指摘するように、大企業の中からイノベーションが起きにくい理由は、まさに「失敗を避ける」からであり、サラリーマンが受ける人事評価にとって失敗が致命的であるからなのだ。

すなわち、無難に目標達成をしていたほうが評価が良いから、イノベーションが起きにくい、と言い換えることもできる。

 

「成果は打率であり、長期のものである」というドラッカーの言葉を、経営者はもう一度よく考えて見る必要がある。

そうすれば、一年単位で目標必達を強制することが如何に意味のないことかがよく分かるだろう。

 

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ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第4回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第4回テーマ 地方創生×教育

2025年ティネクトでは地方創生に関する話題提供を目的として、トークイベントを定期的に開催しています。

地方創生に関心のある企業や個人を対象に、実際の成功事例を深掘りし、地方創生の可能性や具体的なプロセスを語る番組。リスナーが自身の事業や取り組みに活かせるヒントを提供します。

【日時】 2025年6月25日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
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当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【ゲスト】
森山正明(もりやま まさあき)
東京都府中市出身、中央大学文学部国史学科卒業。大学生の娘と息子をもつ二児の父。大学卒業後バックパッカーとして世界各地を巡り、その後、北京・香港・シンガポールにて20年間にわたり教育事業に携わる。シンガポールでは約3,000人規模の教育コミュニティを運営。
帰国後は東京、京都を経て、現在は北海道の小規模自治体に在住。2024年7月より同自治体の教育委員会で地域プロジェクトマネージャーを務め、2025年4月からは主幹兼指導主事として教育行政のマネジメントを担当。小規模自治体ならではの特性を活かし、日本の未来教育を見据えた挑戦を続けている。
教育活動家として日本各地の地域コミュニティとも幅広く連携。写真家、動画クリエイター、ライター、ドローンパイロット、ラジオパーソナリティなど多彩な顔を持つ。X(旧Twitter)のフォロワーは約24,000人、Google Mapsローカルガイドレベル10(投稿写真の総ビュー数は7億回以上)。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/6/16更新)