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竹中平蔵氏が、その発言によって叩かれている。

竹中平蔵氏が非正規雇用について熱弁「正社員をなくしましょう」

派遣雇用が増加した原因について「日本の正規労働ってのが世界の中で見て異常に保護されているからなんです」と述べ、整理解雇の4要件について触れた。
さらに竹中氏は、同一労働同一賃金について「(実現を目指すなら)正社員をなくしましょうって、やっぱね言わなきゃいけない」「全員を正社員にしようとしたから大変なことになったんですよ」と、日本の問題点を指摘した。

竹中氏を叩いている人々は、「格差縮小のためにはむしろ、非正規雇用を減らして、正社員を増やさななければいけないはずだろう。」と言いたいのだろうから、議論は平行線だ。

 

私にも何が正しいのか、よく見えない。そこでちょっと極端に考えてみる。

「全員を正社員にしなくてはいけない」という法律ができたら、経営者はどうするだろうか?という思考実験だ。つまり、「契約社員」と「派遣社員」という形態を無くすと何が起きるのか、という想像をしてみる。

・現在の派遣契約や契約社員を一旦全部切って、アウトソーシング契約に切り替える。

・実績のある人は高給を持って迎える。「どうしても来て欲しい」と言う人だけ社員とするために、一部の人の給与は高騰する。正社員が特権階級に。

・単純労働はシステム化、自動化、無人化、ロボット化、オフショア、セルフサービス、海外移転と言う形で対策する。

「どうすれば最少人数で会社を回せるか」と言うノウハウが蓄積。「省エネ」ならぬ「省人」がキーワードに。オイルショック(1973~)時の省エネと同じように、長期的に現在の企業は10年で人員数を20%か30%カットする。正規雇用率は100%となるが、「正規雇用者数」は激減。代わりに増加する「個人事業主」という形態と、「失業者」。

参考:オイルショック時の日本企業の「省エネ」への取り組み

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(出典:みずほ情報総研  社会動向レポート日本の省エネルギー政策の最新動向と今後求められる方向性

・「正社員を自主退職させるためのノウハウ」が注目される。社会保険労務士業務が活況に。

・現在の新卒の非正規雇用率が4割ということを鑑みると、「新卒採用」は現在の半数程度になり、しわ寄せは若者に。

上の想定がまったくの間違いであってくれるといいのだが、冷静に考えると、あまり理想的な未来とはいえなさそうである。結局格差が広がりそうな気配だ。では逆に、「正社員をなくす」とどうなるか?という想像をしてみる。解雇規制がなくなる、と言う想定だ。

これは実例があるのでわかりやすい。要はアメリカのようになるだろう。

 

・レイオフが自由にできるので、流動性が高まり、長期失業者の割合は低くなる。(参考:労働政策研究・研修機構 データブック国際労働比較2012 http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2012/04/p137_4-3.pdf

・スキルの低い労働者とスキルの高い労働者の格差は広がる。現在の雇用情勢にマッチする労働者はすぐに職が見つかる一方で、単純労働者の職は見つかりづらく、見つかったとしても買い叩かれる。

・雇用の流動性が高まると景気が良くなるかどうかは不明。様々な意見がある。

こう考えると「いずれにしろ、格差は広がる」と考えられる。これは、格差拡大の原因を解雇規制では解決できないからだ。実際、格差拡大の原因は雇用形態よりも寧ろ、「経済成長率の鈍化」や、その他の要因によるものではないだろうか。

だから、政治的に困難な議題である「解雇規制」に手を付けるのは、はっきり言って時間の無駄なのではと思ってしまう。もっと合意が得られやすく、効果の高い分野から手を付けるのが正しいやり方ではないだろうか。それが政治家の手腕だろう。

 

 

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(2019/10/15更新)

 

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