就活の面接において、学生に「リーダーシップをとった経験」を聞く会社は多いだろう。
それに対して学生は、「アルバイトのリーダー」や、「サークルのリーダー」の経験を語ることがもはや定番と言っても良い。
「コンビニのアルバイトのリーダーをつとめました、店舗の売上の改善に寄与しました」
「サークルのグループリーダーとなって、チームをまとめました」
面接で何度こういった話が繰り返されただろうか。
多分、面接官も「また同じような話」と思っているに違いない。
もちろん、学生の側も「なぜ、こんな話に興味をもつのか」と、不思議かもしれない。
事実、私は、ある学生の方から、質問を受けたことがある。
「すぐに管理職になるわけでもないのに、なぜリーダーシップの話を聴くのか、実際に皆が管理職になるわけでもないのに、なぜリーダーシップの話を聴くのか」と。
おそらく、根底には学生と社会人の「リーダーシップ」に関する意見の相違がある。
学生の側から見れば、「リーダーシップ」を問われる理由は、人を使ったり、人の相談にのったり、何かチームで成果を上げたり、そういった「人の上に立つ」能力を見られていると思うかもしれない。
しかし、「リーダーシップ」に関する質問の意図は、別のところにある。
面接官が知りたいのは、「人の上に立つ能力」ではない。
では、何を知りたがっているのか。
実は、ほとんどの面接官が本当に知りたいのは「進んで誰もやらないことを引き受ける責任感」だ。
そういった「責任感」は、マニュアルで身につくものではない。また、人に言われて身につくものでもない。
そして「社会人だから持っている」というわけでもない。
それは、涵養されるものであり、人生が反映されるものであり、「当事者意識」そのものである。
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日本企業は、多くの外資系企業と異なり、「職責」が曖昧である。
すなわち、「これは私の責任、これはあなたの責任」という境界線がハッキリしていないのである。
だから、多くの日本企業の現場で重視されるのが、「これは私の仕事ではない」と、言わないことなのだ。
仕事において、「これは私の仕事ではない」と事ある度に言う人は、職場で信用されない。
「中間に上がったフライ」を声をかけて自分からキャッチしに行くような人物が、日本企業で求められている人材だ。
断っておくが、これが良いことかどうかは、別問題である。
「もらっている給料以上のことを求められる」
「できる人に仕事が集中する」
と言った、弊害もあるのかもしれない。
だが、多くの日本企業がこういった責任感を重視しているのは、間違いない。
だから、前述したように面白いことに、日本で言う「リーダーシップ」とは、人の上に立つことではない。「皆がカバーできていない場所をすすんで見つけて、間を繋げる役割」が、「リーダーシップ」と解釈されている。
そのために、「リーダーシップ」という表現を用いて、学生の能力を検証しているのである。
「これは私の仕事ではありません」という人を採りたくない。これが日本企業の本音だ。
(2023/3/15更新)
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