
千葉市美術館で6月28日まで開催されている
「特別展示ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画「マネジメントの父」が愛した日本の美」
を先日見学した。
故ピーター・ドラッカーが長年にわたって収集した日本の水墨画のコレクションを展示しているものである。
正直に言うと、私は美術についてあまり良く知らない。
美術は、それなりの鑑識眼、つまりそれを美しいと感じる脳の回路が形成されていないときちんと楽しめないのだが、私は水墨画を見慣れていないため、鑑識眼を持っていない。
つまり、それを「美しい」と感じるのが難しいということだ。
素人が現代美術を見て「理解できない」というのは当然であり、それはアーティストの見えている世界が素人には見えないからである。
アーティストが感じることを自分も感じるには、そういったものを見慣れる必要がある。
話を元に戻そう。
それでもあえて美術館に足を運んだのは、ドラッカーがどのような思想を持って絵画をコレクションしたのか、に興味があったからである。
展覧会の案内には次のようにある。
(ドラッカー)自身により「山荘コレクション」と名付けられたそのコレクションは、稀少な室町時代の水墨画を主とする点、大変珍しく個性的なものですが、さらに、桃山時代の武人画家海北友松や、江戸時代の池大雅や浦上玉堂などの文人画、白隠などの禅画、伊藤若冲や琳派の作品も含まれています。
本展は、知られざる存在となりつつあった本コレクションを改めて調査し構成した、初公開作品を含む111点の里帰りとなるものです。コレクションの軌跡をたどり、ドラッカーその人への関心と彼が美術を通じて見た日本という視点を加えながら、新たな切り口で作品の魅力をご紹介いたします。
展覧会はドラッカーの日本画に対する分析と、絵画の展示が交互に配置され、コレクションに対する思想がわかりやすく配置されていた。
その中でも、特に目を引いたのがドラッカーの西洋画と日本画の比較だ。
西洋絵画は基本的に幾何学的、写実的に描かれる。
それに対して日本画はトポロジカル(位相幾何学的)に描かれ、非写実的に描かれる。それは「デザイン、意匠」となっている。
常に最初に空間があり、そしてデザインによって余白を仕切られ、構築され、さらに限定される。
驚きなのは彼が何歳になっても、デザインという門外漢の分野で一所懸命学ぼうとし、突き詰めて考えていたその態度だ。
ドラッカーが初めて日本画に出会ったのは1959年、50歳になる年であったが、それ以後数十年にわたって絵画を研究し、大学で日本画について講義ができるほどの見識を身につけている。
人は何歳からでも深く学ぶことができる。ドラッカーが、「良いコレクターになるには?」という質問を受けた時、彼はこう答えた。
「良い先生を見つけることです」
それは、ドラッカーが皆に向かって生涯発信し続けた「継続学習の重要性」を体現している一言だ。
しかし、彼がなぜ学習を続けることができたのか、学びのモチベーションの源泉は何か。それは、次のやりとりに現れている。
画商「なぜ、水墨画に興味があるのですか?」
ドラッカー 「なぜなら、愛しているからです」
40年以上、学び続けることのできた理由は「愛しているから」であった。
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【登壇者】
奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、
メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。
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(Photo:IsaacMao)














