Microsoft_Exchange「商品」や「サービス」をつくってその「対価」を得るのがビジネスであるとの認識が一般的だ。だから、企業はお金にならないことは極力やらないようにする。それはそれで当然だとは思う。

なぜなら、経営者の力量は、「どれだけお金を稼いで、どれだけ利益を残したか」という、会計上の数値を元にステークホルダーから判断されることが圧倒的に多いからだ。Appleはついこの前の決算で、10年ぶりの減益を発表した。だから、株主離れを防ぐために、利益還元をするらしい。

 

でも、この「お金にならないことは極力やらないようにする」ってのは、結構クセモノだ。だって、「売上をあげられるかどうか」、ということが企業の行動の基準になってしまうから。

 

 

たぶん、本質的に「売上」や「利益」はおまけなのだと思う。

そもそも、交易の始まりは物々交換だった。ある人が布を作り、ある人がコメを作り、ある人が魚をとる。そうやって余った生産物を交換し、自分たちだけでは作れないものを手に入れることができるようにするシステムが、交易だ。

 

だが、それでは交易の幅は限られてしまう。布やコメはいいとして、魚などはすぐに悪くなってしまうので、となり村としか交換できない。だから、より多くの人と交易をするために一旦、貨幣という代替品を使い、交易ができる範囲をどんどん増やしていったのが、商売の起こりだ。(まあ、こんなことは小学生でもしっていることだけど)

 

「貨幣」はあくまで媒介品、それを思えば、「交換」が成立しさえすれば、「貨幣」を媒介させる必要は無いかもしれない。

 

 

例えば、「田舎からたくさん野菜を送ってもらったんだけど、自分だけでは食べきれない」とき、だれか料理してくれそうな人を探して、「料理を作ってくれたら、一緒に食べてもいいよ」という交換は、よく学生の時などに行なっていた。

 

企業対企業でもおそらく同じように、「無数の価格のついていない交換」があって、その中の一部に「価格」がついていて、お金のやり取りが発生する。そして、「価格が付いている取引」だけでは、「交換」はスムーズに行かない。世の中は価格の付いているもの、買えるものばかりではないだろうから。

 

営業としてお客様のところを一生懸命まわっていても、なかなか売上が上がらない事があるかも知れない。でも、「お金にならないこと」を全てやめていたら、「交換」の幅は非常に限られたものとなる。

 

「お金にはならないけど、お客様と交換できるもの」、たとえば情報などはたくさん交換すればいい。「面白い話」でも、「ちょっとしたお役立ち」でもいい。極端な話、「手作りのケーキ」だっていいのだ。お金がもらえなくても、「信用」はもらえる。

そうして、その中で相手が欲しがっていて、「貨幣」と交換できるものを探すのが企業が商売をやっていく上での本質なのでは、と思っている。

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第4回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第4回テーマ 地方創生×教育

2025年ティネクトでは地方創生に関する話題提供を目的として、トークイベントを定期的に開催しています。

地方創生に関心のある企業や個人を対象に、実際の成功事例を深掘りし、地方創生の可能性や具体的なプロセスを語る番組。リスナーが自身の事業や取り組みに活かせるヒントを提供します。

【日時】 2025年6月25日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【ゲスト】
森山正明(もりやま まさあき)
東京都府中市出身、中央大学文学部国史学科卒業。大学生の娘と息子をもつ二児の父。大学卒業後バックパッカーとして世界各地を巡り、その後、北京・香港・シンガポールにて20年間にわたり教育事業に携わる。シンガポールでは約3,000人規模の教育コミュニティを運営。
帰国後は東京、京都を経て、現在は北海道の小規模自治体に在住。2024年7月より同自治体の教育委員会で地域プロジェクトマネージャーを務め、2025年4月からは主幹兼指導主事として教育行政のマネジメントを担当。小規模自治体ならではの特性を活かし、日本の未来教育を見据えた挑戦を続けている。
教育活動家として日本各地の地域コミュニティとも幅広く連携。写真家、動画クリエイター、ライター、ドローンパイロット、ラジオパーソナリティなど多彩な顔を持つ。X(旧Twitter)のフォロワーは約24,000人、Google Mapsローカルガイドレベル10(投稿写真の総ビュー数は7億回以上)。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/6/16更新)