起業は難しく、一部の才能ある人間が死ぬほど努力し、それでもうまくいくかどうかわからないもの、という認識をもつ人は多い。
結論から言えば、これは正しくない。いや、正しくないというよりは「誇張されている」と言っても良いだろう。実際には、いまの学生たちはもっと気軽に起業している。
個人的には「スカイダイビング」や「バンジージャンプ」などのスリル系アクティビティに似ていると感じる。いや、「巨大なジェットコースター」と言っても良いかもしれない。
人がやっているのを見るとなにか面白そう、と感じるのだが、さりとて自分で試してみる勇気は…。けれど、一度やってしまえば「こんなもんか」と、拍子抜けしてしまうというイメージだ。
もちろん、GoogleやAppleのような会社を作りたい、という方がいれば、冒頭のイメージと同じなのかもしれない。いや、上場企業を創るのでさえも、同じことが言える。
だが、起業をする、ということと上場企業を創る、ということとは全く異なる。
起業をする、というのはもっと素直で、カンタンな、それでいて面白い行為だ。意外に思うかもしれないが、かなり多くの若手経営者の方々にお会いしたが、ほとんどのかたは至って「普通」の人々である。
なぜ起業したかを聞くと、
「成り行きでそうなった」
「なんとなくできそうだと思った」
「顧客に薦められた」
「友達と勢いで」
「試しに売ってみたら売れた」
綿密な事業計画に基づいて、戦略を打ちたて、資金を調達して…と、起業を難しく考えていた人のほうが逆に少ないのである。
もちろん、だからこそそれは単なる「怖いもの知らず」であるだけかもしれないし、数年後にその会社がなくなっている可能性もある。実際、私が訪問した後になくなってしまった会社もいくつかあった。
だが、面白いことに「失敗したけど、まあいい経験だった」という方がほとんどだった。業界にもよるかも知れないが、食っていけなくなるほどの失敗をする人はまず居ない。
というのも、おそらくここ10年位で起業のハードルがずいぶんと下がっている。「靴磨き」で起業する人、「自宅の棚を貸す」商売をする人、web家庭教師をする人、本当にちょっとしたことが起業のネタになる。
それが可能になったのは、webの発達により、以前であれば大きな費用がかかるようなことが、安く、そして選択肢が多くなったからではないだろうか。例えば
・起業の情報がwebで安価に手に入る
・webで広告費をかけずに集客できる
・どこでも仕事ができる環境がある
といった状況だ。要するに少額の元手で始められることが多くなったのだ。
もちろん、これだけを持って人に起業を勧めようとは思わないが、起業というものをあまり特別視する必要はないと思う。もっと気軽にチャレンジすればいいのだ。
(2026/10/26更新)
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