5367717420_e684c23083_z起業は難しく、一部の才能ある人間が死ぬほど努力し、それでもうまくいくかどうかわからないもの、という認識をもつ人は多い。

結論から言えば、これは正しくない。いや、正しくないというよりは「誇張されている」と言っても良いだろう。実際には、いまの学生たちはもっと気軽に起業している。

 

個人的には「スカイダイビング」や「バンジージャンプ」などのスリル系アクティビティに似ていると感じる。いや、「巨大なジェットコースター」と言っても良いかもしれない。

人がやっているのを見るとなにか面白そう、と感じるのだが、さりとて自分で試してみる勇気は…。けれど、一度やってしまえば「こんなもんか」と、拍子抜けしてしまうというイメージだ。

 

もちろん、GoogleやAppleのような会社を作りたい、という方がいれば、冒頭のイメージと同じなのかもしれない。いや、上場企業を創るのでさえも、同じことが言える。

だが、起業をする、ということと上場企業を創る、ということとは全く異なる。

 

起業をする、というのはもっと素直で、カンタンな、それでいて面白い行為だ。意外に思うかもしれないが、かなり多くの若手経営者の方々にお会いしたが、ほとんどのかたは至って「普通」の人々である。

なぜ起業したかを聞くと、

「成り行きでそうなった」

「なんとなくできそうだと思った」

「顧客に薦められた」

「友達と勢いで」

「試しに売ってみたら売れた」

綿密な事業計画に基づいて、戦略を打ちたて、資金を調達して…と、起業を難しく考えていた人のほうが逆に少ないのである。

もちろん、だからこそそれは単なる「怖いもの知らず」であるだけかもしれないし、数年後にその会社がなくなっている可能性もある。実際、私が訪問した後になくなってしまった会社もいくつかあった。

だが、面白いことに「失敗したけど、まあいい経験だった」という方がほとんどだった。業界にもよるかも知れないが、食っていけなくなるほどの失敗をする人はまず居ない。

 

というのも、おそらくここ10年位で起業のハードルがずいぶんと下がっている。「靴磨き」で起業する人、「自宅の棚を貸す」商売をする人、web家庭教師をする人、本当にちょっとしたことが起業のネタになる。

それが可能になったのは、webの発達により、以前であれば大きな費用がかかるようなことが、安く、そして選択肢が多くなったからではないだろうか。例えば

・起業の情報がwebで安価に手に入る

・webで広告費をかけずに集客できる

・どこでも仕事ができる環境がある

といった状況だ。要するに少額の元手で始められることが多くなったのだ。

 

もちろん、これだけを持って人に起業を勧めようとは思わないが、起業というものをあまり特別視する必要はないと思う。もっと気軽にチャレンジすればいいのだ。

 

【安達が東京都主催のイベントに登壇します】

ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。


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ティネクト代表の安達裕哉が東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。
ティネクトでは現在、生成AIやマーケティング事業に力を入れていますが、今回はその事業への「投資」という観点でお話しします。
経営に関わる全ての方にお役に立つ内容となっておりますでの、ぜひご参加ください。東京都主催ですが、ウェビナー形式ですので全国どこからでもご参加できます。

<2025年7月14日実施予定>

投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは

借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。

【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである

2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる

3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください

(2025/6/2更新)

 

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(Photo:Charis Tsevis