8208169549_f6ba96dd26_z企業内における人材育成は、難しい問題をはらんでいる。若手からすれば、先輩や上司が

「きちんと教えてくれない」

「教え方が悪い」

という不満をいだきやすく、逆に先輩や上司からすれば

「質問しに来い」

「技術は盗むものだ」

「時間をわざわざ割いてやっているのに、学ぼうとしない」

という若手の意識不足を指摘することになりやすい。

 

一体なぜ、このようなことになるのだろうか。それはひとえに、「意識のちがい」が明確だからだ。

若手にとって見れば、「上司や先輩が新人に教えることは、会社にとって重要な仕事の一つ」と考えているのに対して、

上司や先輩にとってみれば、「ベテランにとって必ずしも重要な仕事の一つではない」「忙しいのにわざわざ教えてなどいられない」

と考える人も多い。

 

事実、若手への教え方を熱心に研究している人はほとんどいない。せいぜい、

「自分のやり方をよく見て学びなさい」

「マニュアル読んでおいて、わからなかったら質問に答えるから」

といった程度である。

ひどい人になると、「会社は学校とちがって、丁寧に教えるところではない」と、平然と言い切る。それが会社にとってどれほどの機会損失になるかも知らずに。

だから、この意識のちがいは、双方にとって不満の温床となる。

 

では、ベテランたちが若手にきちんと教える会社は、何が違うのだろうか。それは、一点だけである。

会社が若手の教育を

「個人に任せるべきものではなく、会社が制度として設計しているかどうか」

だ。これにより、成果が大きく変わる。

ベテランたちが熱心に若手に教える会社は、教育を個人の意志ではなく、制度として設計されている。良い会社は、「個人の意志の有無」に、重要な事を任せたりはしない。

 

そして、制度として必要なのは以下の3点である。

1.教育することを評価する。

基本的に、若手にきちんと成果が上がるように教えることは、会社が評価するという意思表示をする。

ある会社では、社内で評価の高い先輩に若手をつける。教え方に偏りが出ないよう、また相性の問題を出来るだけ回避するため、担当は6ヶ月毎にローテーションする。

若手は担当の先輩だけではなく、あらゆる人に気兼ねなく質問できる。そして、若手は期末には教育担当者、社内の教えてくれた人に対して評価をつける。「◯◯さんによく教わった」「◯◯さんの教え方は上手だった」など。

これらは、成果と同じ扱いとなり、昇進の際の考慮事項、あるいは賞与の査定の材料となる。

 

2.ノウハウの伝達を奨励する。

「若手に教えることで、自分も学ぶ」ことは、常識である。

ある会社では、上司や先輩は、自由に社内勉強会を企画し、会社に申請したうえで「内容」と「参加者」の条件をクリアすれば、それを実施することができる。

また、それに参加した若手のパフォーマンスが向上すれば、しかるべき評価を受けることができる。

 

3.教わる側が、教えてくれる人に敬意を払うように教育する。

参加者の若手が、「教えてもらうのは当然」と思うのは間違いである。なぜなら、「教えてくれる人」に敬意を払うことで、教育は成果があがりやすくなるからである。

ある会社では、「ノウハウは、その人のものであり、分けてもらう」ので、教えてくれる人に敬意を払うように、若手に伝える。また、講師には、若手が勉強会への遅刻や課題忘れをした場合、会社に報告してもらうようにする。

また、若手には「同じことを何度も聞かなくて良い」ように努力をする義務が与えられる。メモを取り、自分なりにノウハウをまとめるように、会社から要請される。それをしないことは、教えてくれる人への敬意を欠いた行為であるとみなされるからだ。

 

 

人に教えることは、大変な労力を必要とする。「熱心に教える人」と「熱心に学ぶ人」が得をするように制度設計をするのは、会社としては当然のことだ。

 

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(2025/3/27更新)

 

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(Photo:Queen’s University