「ニセコに外国人が大挙して押し寄せて来ている」。

 

という話、もう何度も聞いたことがあるでしょう。

ニュージーランド人やオーストラリア人が自国で雪のない季節にやって来てるんでしょ。

お金持ち中国人がリゾート気分で来ているんでしょ。

雪に憧れたタイ人が珍しモノ見たさに来ているんでしょ。

 

それだけに留まりません。

スノーリゾートの本場アルプスがあるイタリアやフランス、さらにはアメリカからもゾクゾクと来ているのです。

 

 

スポーツ系のグローバルブランドもプロモーションビデオで日本の雪山を紹介しています。

エクストリームスポーツ系のユーザーに絶大な人気を誇るアクションカメラブランドGoProは、日本をパウダースノーの聖地として紹介しています。

 

数年前Patagoniaのプロモーションビデオでも北海道が特集されました。

 

今日本の「雪」が世界中の好きモノ(通称コアな)スキーヤー、スノーボーダーにとても注目されているのです。

世界中からコアなスキーヤースノーボーダーが訪れる2つの有名なエリア、北海道「ニセコ」と長野「白馬」をご紹介しつつ、その理由を紐解きましょう。

 

ニセコの良いところはまず雪質。

北海道にあるというだけでも雪質良いのですが、スキー場がいくつも集まっているニセコアンヌプリは北海道西部にあるニセコ連峰の最東部に位置し、日本海から程よく離れていることで、海側にしてはドライな雪が降るのです。

また、シーズン中は夜になるとよく「にわか雪」が降っていて、毎日何処かしらにパウダースノースポットができます。(つまり天気予報に出ている情報ではありません。例えば、山奥でにわか雨が降っても天気予報にはでませんよね?)

 

次にスキー場としての良さがあります。ニセコスキー場とは正確には「ニセコ花園リゾート」、「ニセコグランヒラフ」、「ニセコビレッジ」、「ニセコアンヌプリ国際」の4つのスキー場から成ります。

それぞれ独立した経営体がありますが、ニセコユナイテッドとして連携し、共通のスキーパスを販売することで、自由に行き来ができます。

 

それら4つのスキー場はアンヌプリ山上部で繋がります。

アンヌプリ山は標高1304mと高くはありませんが、約1000m以上からは森林限界(木が生えることができない地域)となっていて、そのおかげでスキー場上部に行くと、木が一本もない雪山を思う存分滑ることができるのです。

コースはどこも中斜面が中心ですが、グランヒラフには起伏に飛んだ滑りごたえのある急斜面がいくつかあり、しかもナイターで夜まで滑れるので、ニセコと言えばとりあえず「ヒラフ」というのは、ニセコ好きの共通の見解でしょう。

 

しかし、それだけではまだ魅力は半分も伝えきれていません。

ニセコの素晴らしいことろは、コース外を「正式」に滑ることができることです。

 

ニセコにはニセコルールと呼ばれるスキー場が定めている特別なルールがあります。

ニセコアンヌプリ頂上やコース外は管理区域外ではありますが、スキー場のコンロール化(ニセコなだれ情報)のもと、外部へのアクセスゲートを公式に開放している時に限って、自己責任でコース外で滑っても良いというものです。

ゲートが開放されている時は、アンヌプリ山頂まで歩いて登ることが可能です。

(写真はニセコアンヌプリ山頂上。左奥にみえるのは羊蹄山)

逆に言うとゲートを開けてない時は、絶対に出てはいけないと言うことでもあります。

また、ゲート外にでることができる日でも絶対に侵入していないエリアが明確に定められてます。

 

ニセコとは、よくコアな人々が口にする「山全体を滑ることができるんだよ」という形容が名実共にピッタリの山なのです。

 

 

白馬の良いところは、何と言っても雪が多いことです。冬の典型的な気圧配置である西高東低の時、日本海の水分を目一杯吸い込んだ空気が北アルプスにぶち当たりガンガン雪を降らせます。

 

そして、他のスキー場にはない、もう一つの大きな特徴は急峻な斜面をたくさん持っていることです。

特に八方尾根スキー場は日本でも有数の雪質豊富でかつアクセスし易い急斜面をたくさん持っています。兎平、黒菱といったコースが有名です。

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(写真は八方尾根スキー場兎平コース)

 

しかし、白馬の本当の魅力はその背後にある広大なバックカントリーです。こちらはニセコとは違い、奥が深くて急峻、簡単には入れない場所です。

入念な準備、装備を整えた人のみ入ることができるエリアです。その人たちにとってゲレンデトップは入口に過ぎないのです。

麓には多くのバックカントリーガイドが白馬を拠点にしています。

 

他にも、北海道の旭岳、野沢温泉などには多くの外国人が押し寄せてます。

それらのいづれも特徴は、豊富な雪、いい斜面とゲレンデ外(いわゆるバックカントリー)への容易なアクセス、さらに麓の街を含め食べ物がおいしいしところです。あ、温泉もある!

 

先日、白馬に行った時にペンションのオーナーが興味深いことを教えてくれました。

今では、宿泊者の半分以上が外国人。どうやってお客さんを呼んでいるんですか?と聞くと、エクスペディアホテルズドットコムなどに登録していると続々と来るとのことでした。

今はそういう時代なのです。特に英語ができる人(できなくてもそれに抵抗がない人)は観光協会や旅行代理店に頼らずに自ら上記のようなグローバルサイトに登録して、グローバルに客を呼んでいるわけです。かくいう私たちも、先日ブッキングドットコムからそのペンションに直接予約したのです。

 

それでも登録するだけでなぜ外国人がじゃんじゃん来るか、そんなおいしい話あるか?

雪がたくさんあるというだけで外国人が来るか?ヨーロッパならいくらでもスキー場あるだろうに。

 

来るのです。

日本の豪雪が特別なのは、人が日常生活をしている地域に大量に降るということです。(世界一の「豪雪国」、日本の現実 ナショナルジオグラフィック

アラスカの山奥、極寒のスカンジナビア、僻地のカムチャッカで雪が降るのとは違うのです。

 

それに加えて今は外国人にとって「日本」自体がブランド化されていて、とびきり安全で信じられない程清潔でしかも食べ物がおいしい国と認識されています。

 

つまりこう言うことです。

メッチャ雪が降るけど、人が普通に住んでいる街があって、すぐ近くにスキー場がある。バックカントリースキーだって簡単にアクセスできる。しかも超安全で綺麗な国日本。

 

そして日本に来た外国人は、敬意を込めてそれをこう表現するのです。↓

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「Japan」+「powder snow」が合体して「Japow」です。今ニセコや白馬でめっちゃ流行ってます。マジです。たくさんの外国人が「#Japow」(←インスタグラム)と叫んでいるのを聞きました。

 

まだ日本人の多くが知らない、世界で流行っているEnglish in Japanなのです。

 

スキー場が衰退?若者が来ない?地元の人たちはそれどころじゃないです。いい雪といい斜面探しに命懸けてる(つまり金に糸目つけない)人たちがニセコや白馬にたくさん来てるのです。(その中には自分も含まれている)

 

「あー、ついに見つかっちゃったよ」。

 

自分だけが知っていたクワガタが採れる木を、隣の小学校のヤツに見つかった気分です。

(おわり)

 

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安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
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(2025/6/2更新)

 

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