最近、「会社をやめようと考えているんですが…」という相談をよく持ちかけられる。

今働いている会社を辞めるべきか?辞めざるべきか?判断はとても難しい。

 

私はキャリアの専門家ではないし、転職の世話をしてあげるわけでもない。だから、そういった人々に大したことは出来ない。話を聞くくらいだ。

ただ、多くの人達から聞いた話の内容はどれも皆似ていた。要約すれば、次のようなことだ。

「今の会社で働くのがとてもつまらないです。自分では一生懸命やっているつもりですが、上司はどう見ているかわかりません。私が単にワガママなだけかもしれないので、上司のせいには出来ないのですが、時に疑問を感じます。他の会社に行っても同じような気もしますし、辞めるのも大変です。かと言って、他に強くやりたいことがあるわけではありません。どうすればいいのでしょう。」

 

なるほど、彼らは別に上司のせいにもしていないし、それなりに成果を出しているのかもしれない。ただ、漫然と「会社や仕事があまり面白くない」と感じているようだ。

確かに私も駆け出しの頃、同じようなことを思った時があった。だから彼らが「甘ったれ」とは思わないし、「それは普通だから、つべこべ言わずに頑張れ」などと陳腐な言葉をかけるつもりもない。彼らは皆、そんなことは百も承知なのだ。

現在の世の中で、一つの会社で定年まで勤めあげる人がどのくらいいるのだろう。おそらく、現在20代、30代のサラリーマンにおいては、そういった人々はほとんどいないのではないだろうか。

 

事実、厚労省の資料によれば、40代以下の人々の勤続年数はますます短期化している。(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000cguk-img/2r9852000000cijb.pdf)

だから、遅かれ早かれ誰であっても、「辞め時」を考えざるを得ない時がやってくる。それは間違いない。

 

では、「辞め時」をどのように判断したら良いのか。私がはっきりと、「そんな仕事やめちまえ」と言い切るのは次の条件の会社だ。

 

1.社長や上司がクソ

「あんな人になりたくない」という人ばかりなら、あなたにその会社は合っていない。やめても後悔はないはずだ。多くの場合、サラリーマンは「仕事の内容」よりも、「誰と働くか」のほうがはるかに重要なのだから。しかも、あなたが辞めれば上司らも嬉しい。一石二鳥だ。

 

2.残業代を支払っていないなどの法律違反をしていて、それを会社が認めている

当然、労働者は法律に甘えてはいけない。仕事は善意から行われなくてはいけない。法律を盾にとって会社を脅しても何もいいことはない。しかし、同時に経営者も労働者の善意に甘えてはいけない。それはとても基本的なことであり、最低限のルールを守れない会社はいずれ市場から退場する。よって、いずれ潰れる会社なら、早い所辞めたほうがいい。

 

3.やりたいことがある

やりたいことが見つかるのは、幸運な人だけだ。もしそんな幸運に恵まれたなら、迷うことはない。

 

4.仕事に飽きている

「退屈」は死に至る病だ。挑戦もなく、新たな知識もなく、ルーティンを守ることを要求される。これからの時代はそれで食えるほど甘くないし、かなりリスキーな生き方だ。人生の貴重な時間をそのようなことに費やせば、死ぬ間際に後悔あるのみ。自分から辞めたほうがいい。

 

5.体を壊した

会社よりも健康のほうが大事なのは間違いない。会社は変えられるが、自分の体は変えられない。

 

 

逆に、これ以外の理由なら一旦留保して考える必要がある。会社の状況もコロコロ変わる。今の状態が永遠につづくこともない。運命なんて、どこで好転するかわからないもんだ。

 

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・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
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お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください

(2025/6/2更新)

 

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