「学歴不問」と書かれているのに、学歴フィルターが存在する。

「仕事ができる人」がほしいと言われたのに、容姿で落とされる。

 

よく聞く話だ。表立って「学歴採用しています」「顔採用しています」という企業はない。そんなことをしたら非難の嵐が巻き起こる。

でも、学歴採用も顔採用も、事実として存在している。学歴と顔を評価の対象とした採用がなくならないのは、学歴と顔に価値を見出す人が一定数存在しているからだ。私も、この2つには価値があると思っている。

 

問題は、価値の有無ではなく、採用の基準に用いて良いのか、ということだろう。

 

学歴採用や顔採用が批判される理由の1つに「仕事と関係ないように思われるから」というものがある。

学歴に関しては「学生と社会人では求められることが全く違うから、社会人になったら学歴は関係ない」という声が、顔に関しては「かわいくても、仕事で使えなければ意味がない」という声がある。

高い学歴も綺麗な顔も、仕事に役立たなければ意味がない。有能な人を雇うはずの採用で、「学歴」や「顔」といった、一見すると仕事では役に立たなさそうなものを評価している「学歴採用」や「顔採用」。批判されがちなのもうなずける。

 

一方で、学歴採用や顔採用を肯定する理由も存在する。

 

【学歴採用を肯定する理由1】学歴好きな人もいる

高学歴は、クライアントへの印象が良い。クライアントとは、意外と学歴の話にもなる(特に新人の時)。

 

「新しく担当になりました」

「新人さんね。どちらの大学だったの?」と、さらっと聞かれる。

 

ここで答える大学の偏差値が高い方が、低いよりは印象が良いだろう。

「そんなことで判断するなんて」と言いたくなるかもしれないが、「わかりやすい価値」だから仕方ない。

 

【学歴採用を肯定する理由2】能力が高い可能性がある

「学歴採用って、批判されつつも、しっかり残っていますよね」

「高学歴の人は、少なからず勉強してきた人だからね。勉強を楽しいと感じる人もいると思うけど、大変だと感じる人も多いでしょ。

それを乗り越えてきたということは、目標のために努力できる人ということだし、ある程度のストレス耐性があるということだから」

 

「なるほど」

「あとは単純に、地頭が良い」

 

実感ベースの話だが、周囲の高学歴集団は、多言語を使いこなし、論理的思考力・記憶力・理解力に優れ、知的好奇心が旺盛で、行動力があり、事務処理能力の高い人が多い。

 

「いやいや、仕事で最も求められるのは、コミュニケーション能力だから」

 

こんなツッコミを入れられる。

確かに、コミュニケーション能力が低い人も一定数いる。でも、大多数は世間と同じ、あるいはそれ以上のコミュニケーション能力を持っている。それ以上だと言ったのは、教養があり、それゆえに会話の幅が広い人が多いからだ。

 

 

【顔採用を肯定する理由1】モチベーションアップにつながる

「顔の綺麗な人が周囲にいた方が仕事を頑張れる」という人は結構いる。

なるほど、社員のモチベーションをいかに高めるか、考えている経営者が多いだろうが、それは顔採用をすればある程度クリアしてしまうのか。

 

【顔採用を肯定する理由2】顔で営業成績に差が出る

顔の綺麗な人は、社内だけでなく、社外の人にも良い影響を与える。営業の部署に、顔の綺麗な人を集めている会社がある。

 

「あの部署、容姿端麗な人ばかりだよね」

「わざとそういう人ばかりを集めているんだよ」

「なぜ?」

「営業メインの部署だから。最初は、容姿に関係なく配属させていたんだけど、容姿端麗な人とそうでない人とでは、全然結果の数字が違ってくることがわかってきた。だから、最近は容姿端麗な人を配属させているってわけ」

 

芸能人は容姿を磨くことを「仕事」として捉えている。芸能人は容姿が仕事に直結するからわかりやすいが、芸能人ほど極端ではなくとも、容姿は仕事に影響する。

 

 

☆★☆★☆

 

 

上記の理由を完全否定するのはなかなか難しいはず。それならいっそのこと、学歴採用も顔採用もオープンにしてしまえば良いのではないだろうか。

 

私は、学歴採用や顔採用について、「やりたいなら堂々とやれば?」という立場である。学歴や顔は、多様な価値のうちの1つだ。それらを採用基準にすることは、別にダメなことではない。

それよりも、学歴採用や顔採用をしていることを隠さなければならない社会であることが、少し残念である。もっとオープンになれば良いな、と思う。

 

学歴が重視される社会ではなくなったら、学歴採用もなくなるだろう。顔に左右されず完全に能力だけで評価される社会になったら、顔採用もなくなるだろう。

 

「学歴や顔を評価の対象とすること(=学歴採用や顔採用)」よりも、「実際はそこに価値を見出しているのに、それを隠そうとしていること」のほうが、よほど不健全に思える。

 

学歴だけ、顔だけで採用されることはほとんどなく、結局は総合的に判断される。ただ、企業によって何を重視するかが異なるだけだ。

学歴を重視する企業もあれば、顔を重視する企業もある。もちろん、それ以外の能力を重視する企業もある。それだけのことだと思う。

 

私は学歴で得をし、顔で損していると自覚している。そのため、自分の利益だけを考えたら、「学歴採用」を肯定し、「顔採用」を否定することになる。

でも、そんな社会であってほしいかと言われると、そうは思わない。求職者に「学歴」や「容姿」を求めるのなら、“堂々と”それを基準に採用してほしい。批判されてしまうため、現実的ではないことはわかっているが、それでも、本音と建前を使い分ける採用は嫌だな、と思う。

 

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本音と建前の使い分けは、本当に必要なのか。その「本音」は本当に隠すべきものなのか。私が疑義を呈したところで社会が変わるとは思えないけれど、それでも「もっとオープンな社会になってほしい」という思いは持ち続けている。

 

ではまた!

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システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。

岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。


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(2026/01/19更新)

 

【著者プロフィール】

名前: きゅうり(矢野 友理)

2015年に東京大学を卒業後、不動産系ベンチャー企業に勤める。バイセクシュアルで性別問わず人を好きになる。

著書 

Twitter:@Xkyuuri

ブログ:http://kyuuchan.hatenablog.com/「微男微女」