無能な上司の下で働くことは、しばしば仕事の面白さを大きく損なうことがある。しかも、「無能な上司」と言われる人の数は極めて多いため、現代社会のサラリーマンのストレスの種としては非常に一般的なものだ。「上司のせいで仕事が面白く無い」という人は多いだろう。

 

「上司のせいにするな」という声もあると思うが・・・実は、驚くべきことに「上司は無能」というのは実は「部下の主観」ではなく、「客観的事実」である可能性がある。

 

 

社会学における仮説の一つに、「ピーターの法則」というものがある。詳細は以下のとおりだ。(引用:wikipedia)

 

  1. 能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平(ひら)構成員も無能な中間管理職になる。
  2. 時が経つにつれて人間はみな出世していく。無能な平構成員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は無能な人間で埋め尽くされる。
  3. その組織の仕事は、まだ出世の余地のある、無能レベルに達していない人間によって遂行される。

 

この3.に当てはまるのが、よくパレートの法則で言われる「有能な上位20%の人々」なのだろう。したがって、「ほとんどの上司は無能」と言えるのだ。

 

 

これがもし正しいとすれば、会社においてはいずれ私もあなたも「無能な人」の仲間入りができる。万年ヒラ社員、万年課長、万年部長、万年役員、そして、万年社長もすべて「無能」だ。

 

 

さて、これを避けるにはどうしたら良いのか。カンタンである。Up or Outの人事を行い、一定期間同じ役職にとどまっている人を解雇すればよいのだ。そうすれば、組織の構成員全てが「出世の余地がある人」で占められることになる。

 

何?そんな会社で働きたくない?ごもっともである。大丈夫、安心して辞めて欲しい。あなたが辞めても、代わりに出世の余地があるもっと優秀な社員が代わりをつとめてくれる。

 

 

・・・、と多少極端なことを書いたが、言われていることが不合理とも言い切れない。

では、Up or Out の人事を採用せず、「無能な人で階層が占められる」ことを防止することはできるのだろうか。

 

カンタンだ。「階層」を固定せず、「プロジェクト形式」で動く企業を作れば良い。

ある時は「鈴木さん」が上司、ある時は「佐藤さん」が上司と言った具合に、管理職を流動的な地位として組織を作ることにより、この腐敗を防ぐことができる。これも、「新しい働き方」の一部なのかもしれない。

 

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【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
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(2025/6/2更新)