「目標を持とう」とよく言われる。人生の目標を持って頑張っている人は、どれだけいるのだろう。
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「夢はでっかく、根はふかく」
中学生の頃、先生がよく言っていた言葉だ。当時は知らなかったが、調べてみたところ、どうやら相田みつをさんの言葉らしい。
そうか、夢は大きいほど良いんだ。
高校生の時の先生はこう言っていた。
「目標を下げることは簡単だけど、上げることは難しい。だから、目標は高く設定した方が良い」
そうか、目標は高いほど良いんだ。
良く言えば素直。従順とも盲信とも言える。夢は大きいほど、目標は高いほど良いなんてことはないと、今ならわかる。
手に届かないほど高い目標を設定しても頑張れず、結局目標は達成できないからだ。
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とある会社の執行役員とカフェでお話した時も、目標についての話になった。
「何かやりたいこととかありますか?」と聞かれ、
「ないですね」と、私は答えた。
「ないんですか。僕の周りにいるあなたと同じくらいの年齢の人たちは、みんな夢に向かって全力で走っていますよ」
「素敵ですね。私の夢はなんだろう……」
「好きなことはないですか?」
「文章を書くことが好きです」
「文章を書く時の目標は?」
「うーん……できるだけ多くの人に読んでもらいたいですね」
「そんな“曖昧な願望”ではなく、もっと“明確な目標”を持った方が良いと思いますよ。たとえば、何かの賞に応募して受賞するとか。
応募の締め切りが3ヶ月後、文字数が6万字だとしたら、単純計算で1週間に5000字書く必要があるわけでしょう。今すぐにでも執筆に取り掛かろうと思うのでは?」
夢や目標があることのメリットは、今とるべき行動を導き出せることだ。期限付きの目標を決めれば、逆算して今やるべきことが見えてくる。逆に目標がないと、ただ流されるように今を生きてしまう。
この時、「このままではダメだ」と思ったことを覚えている。
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社会人1年生の時、先輩にこう言われた。
「あなたはふわふわしているように見えるね」
「ふわふわ……?」
「目標を持っていないでしょう?目標を持たずに、ふわふわと働いているように見えるってことだよ」
「そんなふうに見えるんですね」
「目標は持った方がいいよ。自分がどうなりたいのか考えれば、それに向かって頑張れる。一度、会社という枠を取っ払って考えてみたらどう? 自分の実現したいことが会社の求めるものと一致しないのであれば、それに気づかないのは、お互いにとって不幸だから」
その通りだと思った。時間は有限だから、自分がどうなりたいのか、早めに考えた方が良い。
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会社の研修でも、目標について考える機会があった。自分のなりたい姿は何なのか、しっかり自分と向き合って考える。その上で、なりたい姿に近づくためには、今何をするべきなのか考えるというものだ。
言葉で書くと簡単そうだが、実際はとても難しい。私以外の社員も、トレーナーの先輩社員に質問してもらったり、アドバイスをもらったりしながら、何時間もかけて自分と向き合っていた。
2日間の研修後も、私は考え続けた。同僚や先輩に話を聞いてみたりもした。やっぱりわからない。結局
「私は、目標を持つことが目標です」
と言った。言ってみて、自分でもおかしいと思った。なんだそれ。
目標を持つことの大切さを理解しているから、目標を持ちたいという思いは持っている。一方で、「目の前のことに、ただ一生懸命取り組むだけではダメなんだろうか」という思いもある。
そんな状態のままで、半年が過ぎた。先日、取締役の人にこう言われた。
「あなたは余計なことを考えず、そのまま頑張れば良いと思うよ。今のまま頑張って、ある時後ろを振り返ったら『あれ、こんなところまで来ているんだ。こんなに頑張れているんだ』って気づくはず」
この言葉を聞いて、目標がなくても、振り返れば多くの経験をしている、何かを成し遂げている、ということもアリなんだと思えた。
「目標を持つ必要はない」と言われたわけではない。それでも、走ることさえやめなければ、最初にゴールを定めなくても、自分だけのゴールにたどりつけるのかもしれない。
目標を持つことは大事だ。だが目標を持つことに執着して悩み続け、足がとまってしまうなら、目標はなくてもただ走っていた方が、結果的にはゴールに近づける気がしている。
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迷子だけど、走る。
とりあえず明日も走るかー。
ではまた!
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(2025/3/27更新)
【著者プロフィール】
名前: きゅうり(矢野 友理)
2015年に東京大学を卒業後、不動産系ベンチャー企業に勤める。バイセクシュアルで性別問わず人を好きになる。
著書「[STUDY HACKER]数学嫌いの東大生が実践していた「読むだけ数学勉強法」」(マイナビ、2015)
Twitter: @Xkyuuri
ブログ:http://kyuuchan.hatenablog.com/「微男微女」