リニア新幹線が京都を通らないというニュースを見た。どうやら奈良を通るらしい。

京都の政財界がルート変更を求めたが突っぱねた、というJRの決定がどのような影響をもたらすのか、京都にとってはありがたくないかもしれないが、経済圏に変化があるのかどうか、非常に楽しみなところではある。

 

だが、正直いうとルートの話より遥かにショックを受けたのが、「名古屋〜大阪間の開業が2045年予定」というところだった。

 

2045年といえば、今から約30年後である。30年後には私は約70歳、余命は平均的に10年あるかどうか、というところだろう。いや、祖父のように運悪く70歳に届かず死んでいる可能性も十分ある。

リニア新幹線が大阪に届くことを、生きている間に見届けることができないかもしれない、とふと思ったのだ。

 

すると突然、「私はそれほど遠くない将来、死ぬのだ」というリアルな感覚が襲ってきた。これが世代交代、ということなのだ。

おそらく30年後の世界は今とは大きく異なったものになっているのだろう。我々が30年前に今の世の中を想像することができなかったように。

 

また、生きていたとしても見たくない問題は山積みだ。下は、政府統計による2045年の人口推計だ。2045年に私の年齢は70、超ボリュームゾーンである。

2045

画像出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ (http://www.ipss.go.jp/)

 

そして、それとは逆に青い部分である生産人口(15歳〜65歳)は、全人口の半分程度でしかない。

我々の子どもたち、孫たちの事を思えば、これを見た本音は「社会の荷物になりたくない」だ。

 

70歳から年金?ありえない。75歳ですら怪しい。おそらく我々の世代は70歳、いや80歳になっても働くことになるだろう。

既に年金は破綻の兆しもある。

年金:2037年に積立金は枯渇、40代で1000万円の払い損に

社会保障論が専門の学習院大学・鈴木亘教授が「現実的な条件」で試算したところ、厚生年金の積立金が33年、国民年金の積立金が37年に枯渇するという結果に

(プレジデント)

したがって、65、70を過ぎて会社からお払い箱になっても、自分で自分の食い扶持を稼げるようになることは、現在40代前後の我々の世代にとって、危急の課題なのだ。

 

だが、そう悪いことばかりではない。ピーター・ドラッカーは、人口構造の変化は、企業家にとって実りあるイノベーションの機会となる*1と述べた。

すでに変化は起こっている。誰もそれを機会とするどころか単なる事実としてさえ受け入れようとしない。

したがって通年を捨てて現実を受け入れる者、さらには新しい現実を自らすすんで探そうとする者は、長期にわたり競争にわずらわされることなく事業を行うことができる

未来は常に現在行ったことの結果である。準備は早ければ早いほど良い。会社の外でも稼ごう、様々な人と共に老後まで働くことを楽しもう。それが現実を受け入れる、ということである。

 

 

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