「『何のために働くのか』考えている」と言うと、「そんなの、生きるために決まっている」「そんなこと考える暇もなく働いている」といった答えが返ってくる。
「生きるため」は目的の1つだ。でも、それだけではない。
最近は「評価されること」は働く目的になるのか、について考えている。
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最近仕事が1つ増え、今までとは違う種類の仕事も手伝うようになった。
私は、評価されるために働いているわけではないと思っていた。そんな私に対して先輩が言った。
「評価の軸が増えてよかったね」
「評価のために働いているわけではないですけどね」と私は答えた。
「もちろん、それはわかっている。でも、評価されないと仕事の意味を見失う」
聞いてすぐ、そんなことはない、と思った。
楽しければ、評価されなくても仕事のモチベーションは維持できると思っていたのだ。
だが、先輩のこの言葉を聞いて、改めて評価について考えてみることにした。
どれだけ一生懸命仕事をしても、それを全く評価されなかったら……その仕事が楽しいものだったとしても、働くモチベーションを維持することはできるだろうか。
改めて考えて私が出した結論は、評価されないと「『割に合わない』感を抱く」だった。
仕事を楽しいと思っている時は、評価に関係なく幸せを感じていられる。今は楽しんでいるから、評価に関係なく満足している。でも、全てが楽しい仕事というわけではない。
仕事をしていて幸せを感じない時、評価されていないと「割に合わない」感が心を支配してしまうと思うのだ。
評価されると、承認欲求が満たされたり、満足感が高まったりする。評価されないと、必要とされていないのではないかと思ってしまう。このような気持ちへの影響は確かにある。
だが、気持ちより、給与への影響が大きい。年功序列の評価制度でなければ、評価は給与に反映される。
実際、上司に「うちは評価が給与にダイレクトに反映される。逆に言うと、給与こそが評価であり、それ以外に評価の反映先はないということだ」と言われたことがある。
給与が上がるということは単価が上がるということであり、同じ時間働くのなら、高い方がありがたい。
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ここで気を付けたいのが、評価は何に対してなされるものなのか、ということだ。
大抵の場合、成果に対して評価がされる。つまり、未来ではなく、過去に対して点数を付けるということだ。結果が先、評価が後。今評価が低いのであれば、これから頑張って、それに対して高評価を得る必要がある。
では、過去の評価に納得しておらず、割に合わないと感じている場合、どうなるのか。「私は100の成果を出したのだから、100の評価をしてもらえるはずだ。でも、50の評価しかしないのであれば、私は50の働きしかしない」とペースダウンしてしまう人もいる。
先日こんな話を聞いた。
「基本的に、人は自己評価が高い。みんな自分に150点を付けている。でもその場合、大抵他者からの評価は75点くらい。だから、自分の客観的な評価は自己採点した結果を2で割った方が良い」
つまり自己評価が100点で、50点の評価しかしてもらえず、「それなら50点分の仕事しかしない」とペースダウンすると、次は25点の評価になってしまう可能性が高いということだ。
会社が期待値に給与を支払うことは期待しない方が良いと思う。人件費に対して「投資」という考えを持ち、未来の成果に期待して給与を支払ってくれる会社なら別だ。だがそのような会社でも、期待値は過去の成果をもとに割り出されるのではないだろうか。
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今後も私は評価されることを目的に働くことはないだろう。でも、“割に合わない”評価だと感じてしまったら、果たしてモチベーションを維持できるか疑問である。
「楽しさ」「やりがい」「達成感」といった気持ちに関する支えがない時、働くモチベーションは給与によって維持されると思う。楽しさを感じなくなった時の保険として、評価を意識して働くのもアリなのかな、と思い直した1日だった。
ではまた!
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【著者プロフィール】
名前: きゅうり(矢野 友理)
2015年に東京大学を卒業後、不動産系ベンチャー企業に勤める。バイセクシュアルで性別問わず人を好きになる。
著書「[STUDY HACKER]数学嫌いの東大生が実践していた「読むだけ数学勉強法」」(マイナビ、2015)
Twitter: @Xkyuuri
ブログ:http://kyuuchan.hatenablog.com/「微男微女」