現在、私の自宅に滞在しているのは日本人の男性です。

旅人でもなく、学生でもなく、社会人です。六本木にある有名な美容室で1ヶ月研修をしている美容師です。

なるほど。

たしかに六本木で1ヶ月間程度の滞在場所って探すのに困ります。

ホテルだと30万円以上はかかるだろうし、賃貸借りるのに敷金礼金払うのもったいないし、ゲストハウスやシェアハウスは好き嫌いある。せいぜいマンスリーマンションでしょうか。

と思って、そう言えばマンスリーマンションのこと全く知らないなと思い調べてみたら、「あ、だからAirbnbひとり勝ちだったんだ」ということに気付きました。

今日はその話をします。ちょっと長くなりますが、とても大事なことを書いてるような気がするので、ぜひ読んでください。

 

まず「ウィークリーマンション 麻布十番」で検索してみたのですが、するとウィークリーマンションドットコムというサイトがトップにヒットしました。そこにはなんと麻布十番周辺だけで110件も登録されているじゃありませんか。

Airbnbで「麻布十番」だと70件ちょっとで、ウィークリマンションの方がはるかに多いのです。

そして価格は下記の通り、大体1日あたり5000円〜7000円が相場のようでした。

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あ、こういうところと競合していたのかと、はじめは思ったのですが、いえいえ全く競合してないとすぐ気付きました。

 

私、サイト見て一発でわかりました。理由は超簡単です。

英語に対応してないのです。

 

Airbnbが日本でなぜうまくいっているか?

海外で流行っていたから?自宅の余っている部屋に旅人を泊めるというアイデアが素晴らしいから?安く泊まれるから?

それらは間違ってないとは思いますが、Airbnbの本質を表すには不十分です。

この日本においてAirbnbがうまくいったのは、日本人が外国人なんか来るはすがないと思っていた場所を、全世界の見込み客相手に解放したことです。

英語ができないとか、外国人は慣習が違うとか、ガイジンは何するかわからないとか、多くの日本人がそう思い込んでます。(その思い込みを巧みに利用して「民泊」=「危ない」と情報操作しようとしている人たちがいるんですがここでは多くは語りません)

そういったいわば心理的障害の前に外国人を本気で招こうとしている人が日本にどれだけいたのかってことです。

もちろんアパホテルとか、ビックカメラなど爆買い中国人を中心に時流を掴み大儲けしているところもあるようですが、Airbnbはそういうことを意図的にやっていたのではなく、もともとグローバルにサービスをつくっているので、はじめからそうなのです。

 

AirbnbのWebサービスとしての根幹は、泊まりたい人と泊めてもいい人をマッチングすることです。

「誰かと誰かを繋げる」ことで素晴らしいことが起こりそうなことは、世界中の誰だって理解できます。ただし問題なのは、その価値観を共有できる人は世界中にいるはずなのに、他言語同士だとコミュケーションが取り辛くなることです。

でも今はインターネットがあるおかげで、他言語同士でも簡単に翻訳ができるようになりました。

さらに言うと、今時のイケてるWEBサービスは、ユーザーに翻訳すらさせないくらい言語の壁を超えたサービスを提供しています。

例えば世界中で使われているOS(iOSやWindowsなど)やWEBサービス(GmailやFacebookなど)はマルチリンガル対応になっていて、あらゆる言語が選べ、母国語さえできれば不自由なく利用できるようになっていますよね。

スクリーンショット 2016-06-18 3.25.59

もちろんAirbnbのサイトもマルチリンガル対応になっていて、例えばフィンランド語でAirbnbのサイトを利用している人が、日本の私の部屋を見ている時はもちろんフィンランド語で見ることができます。

唯一、ユーザー同士のメッセージやホストが入力している部屋の説明文などは翻訳はされてませんが、だからこそそういう部分は世界中のほとんどのユーザーは英語で入力します。

別に英語が決まりってわけじゃないです。でも、一番確実に伝わる言語が何かと言われれば英語です。歴史上そうなりました。そこに文句言っても仕方ありません。我々は日本人に生まれたのが運が悪かっただけです。

 

翻って、ウィークリーマンションのサイトをあらためて見ると、Airbnbより物件数は多いし、利用料だって安い場所も多い。

でも、肝心の英語対応してないじゃないですか。マルチリンガル対応なんてもってのほか。(もしかしたら他のサイトに掲載してるかもしれないですが、どちらにしろ外国人旅行者には届いていないことは明白なわけで)

ついでに、ウィークリマンションだけでなく、じゃらんとか楽天トラベルも見てみましたけど、英語、中国語、韓国語、タイ語は対応しているけどマルチリンガルになってないじゃないですか。

やってない理由は、もちろんコストパフォーマンス(費用対効果)の問題だと思いますが、でも要するに全世界の外国人相手にしようなんて思ってなかったわけですよね、せいぜい中国、韓国くらいで、それはそこは確実に来ることがわかってるからやってるわけですよね。

それにそもそも外国人を日本人が受け入れるののは、英語ができるある意味特別な日本人にしか無理だろって心の底で思ってたんじゃないですか?

エアログのるってぃが「心の鎖国」(テレビで民泊の現状を伝えました。日本はかなりヤバいと思いますより)

ってブログで叫んでましたが、そういうの頭のてっぺんから足の先まで意識的にも無意識的にも日本人にしみこんでんじゃないですか?

 

はじめからグローバルに客を集めようとしているAirbnbとグローバルに及び腰の国内のサービスと、そりゃ勝負にならないです。「空いてる部屋に旅人を泊める」という突拍子もないアイデアであっても、本気で70億人を相手に商売しようとしてるわけですから。

 

Airbnbが、日本でこんなにもうまくいった理由って、日本人の「心の鎖国」のせいと逆説的にも言えるわけで、多くの日本人が外国人に先入観を持っている隙をついて、Airbnbが入り込んできたんですよ。

証拠?私の「心の鎖国」はAirbnbに完全にぶち壊されましたよ。

言語や国境の違いなんて、人間が古から持っている「善意」とか「思いやり」というコモンセンス(良識)に比べたらハナクソみたいなもんだってわかりました。

日本人の多くの人が、外国人に先入観を持っている間に、私は「心の鎖国」を解放し、多くの外国人を自然に受け入れるようになりました。心の鎖国を解いたらブルーオーシャンが広がってました。(※ブルーオーシャン→競争が少ない良質な未開拓マーケットのこと)

 

マンスリーマンションのこと調べてたらこんなことに気づいちゃいました。別にマンスリーマンションにケチつけたかったわけではないのです。

むしろ、マンスリーマンションだって、「民泊」という言葉に惑わされないで、法律の許す範囲内で外国人旅行者にどんどん解放してあげればいいわけです。さっさとAirbnbに登録して、Airbnbから客を供給してもらえばいいと思います。ゲストだって選択肢増えて喜びますよ。

一応知らない人いるかもしれないので言っときますけど、Airbnbって登録手数料0円で手数料3%です。こんなノーリスクで低コストな集客方法ってありますか。

Airbnbが好きな人たちって、Airbnbをうまく使いこなしているのであって、決してAirbnbに使われている人たちではないです。なのでAirbnbを叩く理由なんて、既得権益がおびやかされている以外に思いつかないです。

 

“Airbnbに「心の鎖国」を解いてもらったらブルーオーシャンが広がっていた Airbnb日記 vol.191”

おわり(Vol.192へつづく)過去のAirbnb日記一覧

 

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東京大学経済学部卒業後、ドイツ証券に入社し投資銀行業務に従事。
2020年に株式会社TOKIUMに参画し、当時新規事業だった請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」の立ち上げを担当。
2021年にはビジネス本部長、2022年より取締役に就任し、経費精算・請求書処理といったバックオフィスDX領域を牽引。
業務効率化・ペーパーレス化の分野で多くの企業の課題解決に携わってきた実績を持つ。

安達 裕哉 氏(ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO)
Deloitteで大手企業向けの業務改善コンサルティングに従事した後、監査法人トーマツにて中小企業向け支援部門を立ち上げ、
大阪・東京両支社で支社長を歴任。2013年にティネクト株式会社を設立し、ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年には生成AIに特化した新会社「ワークワンダース株式会社」を設立。生成AI導入支援・生成AI活用研修・AIメディア制作などを展開。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計71万部を突破し、2023年・2024年と2年連続でビジネス書年間1位(トーハン/日販調べ)を記録。


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(2025/5/8更新)

 

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