突然だが筆者は筋金入りのメシ狂いだ。三度の飯よりメシが好き。世界で一番美味しい都市・東京で生活できている事を心の底から感謝している。
東京には世界中から様々な美味しいものが集まってくる。が、しかし東京でも食べられない美味しいものがこの世にはある。その1つが、マジに新鮮な魚介類だ。本物の魚介は、腰を抜かすほどに美味しい。
今日は北海道、それも道東に絞って2泊3日で出来るグルメの旅を解説しよう(札幌とか富良野といった観光地も悪くはないけど、ご飯だけに限って言えば道東が極めて優れている)
一日目
出発
羽田→釧路空港(07:45 – 09:25)
朝食
まずは釧路空港に朝イチで行こう。北海道の旅はここから始まる。空港でレンタカーを借りて、まず向かうべき場所は釧路駅近くにある”喰い処 鮭番屋”である。
ここは釧路港で取れた新鮮な魚介類を、炭火で焼いて食べさせてくれるお店だ。店の中から食べたいものを自分で好きなだけ選んで、まとめてお会計をするスタイル。なお焼くのは店の人が全部やってくれる。
オススメはサーモンのハラス。魚と白米だけなら1000円程度で随分楽しめる。丼モノを頼むと2000円程度。サイズは小で十分。炭火で焼いた魚介類の美味しさに身悶えて欲しい。
関連サイト
昼飯
さて朝食を食べ終わったら、次は昼ごはんだ。そのまま車を30分程度走らせて、”厚岸漁業協同組合直売店”に行こう。
厚岸はカキマニアの間では有名な産地の中の1つである。この直売所では厚岸で育てられたカキをその場で買って食べることができる。
ここではマルえもんとカキえもんという二種類のカキが売っている。マルえもんは1年程度育った他所の稚貝を、厚岸海域で1〜3年育成させた牡蠣なのに対して、カキえもんは採卵・受精・飼育・育成を厚岸町で一貫して行ったものだと説明されている。マルえもんは身質が大きく食べごたえがあるのに対して、カキえもんはややサイズは劣るものの、その身質はマルえもんを遥かに上回る。
なお味だが、どちらも非常に濃い。オイスターバーで出て来る食べ放題のカキが、水なんじゃないかって思うぐらいの濃ゆさ。カキは海のミルクというが、ここのカキは海のコンデンスミルクである。
値段はサイズによって異なるけど、一個200円程度と激安。東京でカキを食べるのが馬鹿らしくなる・・・
なお食べ方は生で食べるか、レンジでチンして食べるかのどちらかになる(カキをレンジでチンするのって、ここで初めてみたんだけど・・・北海道では意外と当たり前の事なんだろうか?)
なお炭火で焼きたい人は近くにある厚岸の道の駅に行けば、炭火で焼いたカキが食べられる。こっちもオススメ。
関連サイト
デザート
お次はデザートだ。このまま車を東に一時間程度走らせて、根室駅の近くに行こう。
世間では全く知られていないが、根室には夏~9月程度にかけて”花咲ガニ”というカニが取られる。このカニがまた滅法美味しい。
花咲ガニは、タラバガニと同じくヤドカリの仲間の一種だとされている。その最大の特徴は、身の中に黄色い脂身がある事だろう。カニというと、白身を思い浮かべる人が多いだろうけど、このカニはなぜか白身に加えて脂身があるのである。
花咲ガニは根室の駅前に行けば、いろんな店が店頭で出しているので適当に選んで店の中で食べればいいだろう。鉄砲汁という、花咲蟹で煮込んで作られた味噌汁と共に食べるのがオススメだ。値段は小さいのなら一匹1000円程度。大きくても2~3000円程度で食べられる。安すぎである。
夕食
釧路から東へ東へ、ずんずんと進んできたが、ここで急遽進路を西に向けて北海道の中央である帯広へと向かおう。3~4時間と少し長いドライブになってしまうので、小まめに休みをとりながら安全運転を心がけて欲しい(なお帯広-釧路間はスピード違反の取締が激しいので注意)
長い長いドライブを通り抜けて帯広にたどり着いたら、向かう場所は帯広の名店・辰巳寿司である。
北海道の寿司は異常に安い。この辰巳寿司も、東京と比較するとありえないぐらい安い。この辰巳寿司も、握りをおまかせで頼んで一人あたり大体3000円程度である。東京で食べたら普通に2倍は軽くする。
なお帯広にはいくつか寿司屋があるのだが、その中で辰巳寿司をオススメにあげたのは、この店で出てくるウニが驚異的に旨いからだ。どういう仕入れルートから入ってくるのか全くわからないのだが、ここのウニは銀座の超一流店で出される一箱5万のウニよりも圧倒的に美味しい。
9月だけは道東のバフンウニが例年入らないとの事なので、行くのならそれ以外がいいだろう。思う存分ウニまみれになって欲しい(なお今回の旅では追加でウニをボンボン頼んだが、2人で7000円だった。やっぱりこのお店、値付けがおかしい)
なおカウンター席は予約ができない。あと喫煙可能なので、運が悪いとちょっとタバコくさい。それでも行く価値がある名店だ。これからも末永く続いて欲しい。
関連サイト
さてこの後は温泉にでも入って疲れをゆっくり抜いて欲しい。これまた全然有名ではないのだが、帯広はモール温泉という全国でも非常に稀な源泉よりなる温泉がある。
お金がある人は、十勝川温泉に宿泊してホテル内の温泉に入るのがいい。宿にあまりお金をかけたくない人は、水光園という施設で温泉を楽しんだ後に、駅周辺の安いビジネスホテルにでも止まるのがオススメだ。帯広の宿泊施設は全般的にメチャクチャ安く、一泊3~4000円も出せば結構いいところに泊まれる。しっかりと寝て、次の日に備えて欲しい。
二日目
朝食
帯広の朝は六花亭・本店から始まる。
マルセイバターサンドで全国的に有名な六花亭だが、本店で賞味期限5分の限定スィーツが売られている事はあまり知られていない。
さくさくパイ、雪こんチーズ、十勝帯広発、そして今年からマルセイアイスサンドもラインナップに加わった(どれも150円程度)。これらを併設されている飲食スペースで、無料のコーヒーとともに楽しむのが僕の帯広でのささやかな楽しみだ。
なおケーキ類も売っている。これまた一個200円程度と驚異的な安さである。帯広にはもう一つ、柳月という有名なお菓子メーカーもあり、こちらも工場でケーキ類を販売している。甲乙つけがたいのだが、ケーキ類に関して言えば柳月の方が少し美味しいかもしれない。
関連サイト
六花亭 帯広本店 (ろっかてい) – 帯広/和菓子 [食べログ]
お土産購入
さて朝食を食べたら、昼間で時間が少し空くのでお土産でも買いに行こう。とかちむら産直市場が個人的にはオススメだ。
帯広では”ばんえい競馬”という、世界でも珍しい重たいものを引きずって競争するばん馬による競馬が行われてる。その競馬場に併設されたとかちむらでは、帯広という広大な土地で生産されている農産物の一部を買うことができる。
世間的には花畑牧場が有名だけど、個人的には共働学舎新得農場のチーズ類とランチョエルパソから出ているどろぶたのハム・サラミ類の購入をオススメする。特にどろぶたの白サラミはメチャクチャ美味しい(どろぶたの生ハムは東京の超予約困難レストランであるセララバアドでも出されている)
関連サイト
昼飯
さて11:00になったら、らぁめん とん平に行こう。売り切れ次第終了のお店なので、極力開店と同時に行ったほうが良い。
塩・しょうゆともに780円程度と、北海道のラーメンの値付けにしては割と高いここのラーメンだけど、一口そのスープを啜るとむしろ「安すぎでは?」といいたくなるような凄いスープを出してくれる名店である。
ここのラーメンの特徴だが、もう本当に出汁が濃い。いったいどれだけの量の魚介類を投入したらこんな濃いスープができるんだ?と言いたくなるような濃厚さである。
塩ラーメンは貝柱の出汁が、醤油ラーメンは宗田節の出汁が、決してエグすぎず絶妙な炊き出しかたをなされて提供されている。東京ではまず見られないタイプのラーメンだ(北海道でもほとんど類をみないけど)
関連サイト
デザート
さて帯広を離れて、今度は北へ向かおう。目指すはサロマ湖である(なお帯広~サロマ湖間は食べスポットはあまりないので、口寂しいという人は帯広内でインデアンカレーやぶたいちでテイクアウトを頼むといい。インデアンカツと特性豚丼がオススメだ)
帯広~サロマ湖は車でだいたい2時間半程度である。観光スポットととしては足寄にあるオンネトーがメチャクチャ美しいので、余裕がある人は是非立ち寄るべきだ。
こうして北へずんずん車を走らせて、サロマ湖にたどり着いたら行くべきは北勝水産である。
北勝水産は不幸にも去年火災にあい全焼という憂き目にあったのだが、ありがたい事に今年から営業を再開している。ここで食べるべきはホタテ・ホタテ・ホタテである(一枚150円程度)
ホタテというと、なんかあのクニャッとした食感の貝柱をイメージする人が多いと思うが、とれたての新鮮プリプリのものは身質が完璧に異なる別次元の味である。
刺身で食べる新鮮なサロマのホタテは、程よく歯ごたえがありシャキっとしている。ほどよい甘さも兼ね備えており「お、おれが今まで食べてたホタテは偽物やったんか・・・」と愕然する事間違いなしである。もちろんというか、焼きホタテも美味しい。焼いた醤油の香ばしい香りとともに食べる焼きホタテ。たまらない。
なお海がシケてるとホタテが提供されない事もあるようなので、出かける前に電話で確認しておくといいだろう。
関連サイト
夕食
サロマ湖から東へ車を走らせ、向かうのは監獄で有名な網走だ。
ここ網走では、根室の花咲カニと同じく網走独自のカニが取られている。イバラガニと呼ばれているそれらは、花咲カニと同じくヤドカリの一種とされており、味はタラバガニとよく似ていると言われている。
このイバラガニだが、身も勿論美味しいのだが食べるべきは外子・内子である。
内子とは、カニのメスが体内に持つ卵子の事でありドロッとした外見をしている。これが受精すると、カニのお腹にプチプチとした小さな粒となって出てくる。これを外子という(外子と内子だが、色によりものが異なる。イバラガニの外子・内子はキレイなオレンジ色をしているのに対して、タラバガニの外子・内子はやや黒みががった紫色をしている。イバラガニの方が基本的には美味しい気がする)
この外子と内子だが、何故か網走でしか食べられていない。そして滅法美味しい。初めて食べた時は腰を抜かしそうになった程だ。
これらは網走の鮨屋なら基本的にはどこでも食べることができる(回転寿司でも扱っている)個人的にはイバラガニの外子・内子、タラバガニの内子がオススメだ。その濃厚な味に酔いしれて欲しい(食べられるのならタコのタマゴもぜひ食べて欲しい。とても美味しいので)
オススメのお店だが、前は鮨処むらかみという素晴らしい名店があったのだが、御主人が高齢にて今年で店を閉められてしまった。大変残念である。網走にはそれ以外にも鮨屋は沢山あるので、適当に選んで入ればいいかと思う。基本的にはどの鮨屋でも、内子も外子も用意されている。どこも握りのおまかせで3000円もあれば食べられるはずだ(網走も帯広に負けず鮨が安い)
さて二日目はこれでおしまいだ。温泉に入りたい人は、網走湖荘に併設されている温泉が比較的夜遅くまでやっているのでオススメ(宿泊者じゃなくても入れる。500円ぐらいだったはず)
適当に網走周辺の宿でも探して、ゆっくり休んで欲しい。5000円もだせば、まあ寝るのには困らないだろう。
三日目
朝食
7月中旬~9月中旬までしかやっていないけど、開催期間中にいけるのなら網走感動朝市には是非行くべきである。
朝市では網走にある様々な卸が集まって、いろいろなものを提供している。ほっけとか、サンマとか、その他網走の近くで取れる海産物を刺身や炭火焼きにしてくれ、美味しく食べさせてくれる。一通り回ってみて、美味しそうなものをピックアップするといい。なお僕はホタテの刺身と焼きホッケ、焼きサンマを、イクラの筋子を白米に載せたものと合わせて食べた。美味しかったなー。
関連サイト
昼食
さて朝市で腹いっぱい食べたら、網走監獄にでも行って適度に時間を潰そう(近くにあるリスの森というジェラート屋が結構美味しいので、甘いものが欲しい人はいくといいだろう)
さて北海道の食事もこれで最後だ。最後は豪勢に、是非とも茹でたてのカニをまるまる一匹食べるのがいい。
大きな釜で茹でられたばかりのカニをハフハフいいながら食べる。そんな贅沢な事が頼める場所が、網走にはある。カネ活渡辺水産である。
基本的には北海道で食べるカニは、全て茹で上げられてしばらく時間がたったものである。実は茹でたてが食べられる場所は、そう多くない。
しかしここカネ活渡辺水産は、なんと昼の一時まで茹でたカニを食べさせてくれるというサービスを提供している(行く一時間前に電話すれば、それに合わせて茹でたてを提供してくれる)
提供しているものはイバラガニとタラバガニだが、ここま是非ともイバラガニを食べるべきだろう。値段はサイズによるが、だいたい6000円~ぐらいである。ちょいと高いけど、まあ2人で割って食べれば1人3000円程度だ。それでかなり満腹になる。
茹でたてのカニを食べるという贅沢。まさに北の大地・北海道のなせる技だ。
関連サイト
さて、ここでタイムアップだ。楽しい旅もここでおしまいである。女満別空港へと行きレンタカーを返して、故郷へと帰ろう。
———————————————————————
いかがだっただろうか?北海道には、こんなにも一般的には知られていない素晴らしい食文化がある。
三連休でここまで濃密に食を楽しめる場所があるのに行かないだなんて、損以外の何物でもない。とりあえず上のモデルに従って、北海道を旅してみてはいかがだろうか?
なお夏の北海道はメチャクチャ優しいが、冬は途端に試される大地へと化すので注意が必要だ。冬は冬で凄く楽しいのだけど、ちょっとどころじゃないぐらい寒い。
ぜひとも北の暴力的なまでの食材のパワーに圧倒されて欲しい(なお空港でのお土産はマルセイバターサンドとじゃがポックルがオススメ)
-スパークル株式会社- 1.企業の課題解決に向けたDX推進人材の採用・育成に関する状況 -ティネクト株式会社- 1.「営業リストが尽きた時に次に取るべき行動とは?」
(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)
【ウェビナーのご案内】
中堅・中小企業の経営者や人事担当者様向けに仙台を拠点に活躍するベンチャーキャピタル・スパークル株式会社様と共催セミナーを実施します
営業リストが尽きたらどうする?生成AIを使って自社で始めるDX人材育成とweb集客
社員が主導で新規顧客を呼び込む体制づくり ~成功事例をベースにわかりやすく紹介~
<内容>
2.DX推進人材の具体例とスキル要件
3.人材育成の進め方とそのポイント
4.弊社の支援内容の紹介
2.【STEP 1:自社で始める生成AIを使ったWEB集客の基本ステップ】
3.【STEP 2:成功事例で学ぶ生成AIを使った具体的なアプローチ】
4.生成AIを使った自社社員が動ける仕組み作り
5.まとめと次のステップへ
日時:
2024/11/22(金) 10:00-11:30
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込みは
ティネクトウェビナーページ
ご覧ください
【プロフィール】
著者名:高須賀
都内で勤務医としてまったり生活中。
趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。
twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように
noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます→ https://note.mu/takasuka_toki