生き物の生存戦略は、基本的には資源をどう手に入れるのかという事にいきつく。

自分で狩りに出て資源を手に入れるという方法もあれば、狩りの上手いものからの施しを受けるという選択肢もある。

 

仮に前者を【ライオン戦略】、後者を【かわいい子犬・子猫戦略】と呼ぶとしよう。

ライオン戦略は、全てを手に入れるか死ぬかの2つに1つしかない。多くを手に入れる事ができるが、負けたものは死すら甘んじて受け入れる必要がある。

これはある意味では残酷な世界だ。けど基本的にはライオンは自立自存であり、ある意味では自分の好きに生きるという自由な権利を得ているとも言える(生きるのも死ぬのも、繁栄するのも孤独になるのも、腕一本次第である)

 

一方、かわいい子犬・子猫戦略の場合、基本的にはそういう残酷さとは無縁である。しかしその半面、基本的には飼い主に絶対服従をする必要があり、主張するという権利はほぼない。おねだりする位が関の山だ。

つまるところかわいい子犬・子猫には人間で言うところの、基本的人権のようなものはほぼないと言える。

犬猫がどういう扱いを飼い主にされようが、基本的にはどこにも訴える事ができない。

なぜならそもそも彼らには人権に相当するような権利が付与されてないからである。

 

さて突然きな臭い話をして恐縮なのだけど、日本は今現在少子化に悩んでいる。

日本国民が子供を作りたがらない理由は様々だと思うけど、その原因の1つとして見逃せないのが

「高所得な女性の異常なまでに高い未婚率」だ。

 

例えば、文藝春秋(2017年夏Special)を見ていたら、橘玲さんが、「テレビ局に勤務する女性の生涯未婚率は8割」と言っていた。

僕の本業である医者でも、半数以上の女性は結婚しないとされている。

 

これは大切なポイントなので強調しておくが、彼女らは結婚できないのではなく、そもそもしようと思わないのである。

実際、先進国では高収入女性の結婚したがらない問題はかなり大きく取り上げられているものの、その解決方法は全くといっていいほど見いだせていない。

 

傾向として、多くの女性は基本的に上昇婚を好む。最低でも自分と同等、できれば自分より上の人と結婚したいと思うのが ”統計上では” 普通の女性の認識として現れている。

 

それと相関しているのかはわからないが、多くの女性の頭の中には”男性を養う”という選択肢がそもそもインストールされていないようなのだ。

多くの女性がパートナーとして欲しいのは資源をくれる男性であり、女性が資源を分け与えなくてはならないような男性は、そもそもパートナーとしての対象として映らないらしい。

なので、「高収入な女性も男性を養う義務を遂行せよ。そうしないのはけしからん」という人が出てきている。

 

実は僕も最近まではそう思ってたのだけど、昨日街でテトテトと歩いているかわいい子犬をみて考えを根本から改めた。

 

たぶん問題があるのは女性なのではない。

むしろ男性に問題があるのだ。もっと端的に言ってしまうと、男性はもう絶望的にかわいくないのだ。

養いたいとだなんて絶対に思えないほどに、ね(´;ω;`)

 

狩りをして生きてきた男性、かわいそう・かわいいで生きてきた女性

大雑把にわけると、人間には4種類ある。

 

①総取り人間

これはいわゆる勝ち組。権力も力も十分にある

 

②キモくて金のない何か

これは力がない存在。見下される。

 

③かわいい人間

権力はないが強い保障がうけられる

 

④かわいそうな人

この人達はかわいそうという同情を誘う戦略で多少の資源を手にする事ができる。

②の「キモくて金のない何か」が上手く自己アピールをしてなるパターンと、③の「かわいい人間」が憐憫の情を誘うパターンの2つがある。

 

この観点を持ちつつ論点を整理していこう。

人類史上のこれまでにおいて、男性は基本的にはライオンゲームへの参加を意図せずとも要求されてきた。

昔なら武勲を必死で立てたりしてきただろうし、最近ならば必死になって受験戦争や就活で勝ち抜き、より多くの資源が獲得できるような存在を目指す事を暗に要求されている。

 

必死になって勉強して、いい学校に入っていい会社に入ろうとするインセンティブというのがどこに来るかというと、それはもう獲物を手に入れたライオンのような存在になりたいという動機が根底にあるといっても過言ではない。

 

この戦いで勝った人間が①強い人間だ。

この人は激しい競争に打ち勝った結果、自由と権利という強い資源を獲得することができた。勝ったライオンを想像してもらえばわかりやすいかもしれない。

 

一方で、この戦いに負けた人間は②キモくて金のないオッサン、と呼ばれるような存在となる。

彼は自由も権利もほとんど手に入れる事ができなかった、悲しい存在だ。荒野で獲物にありつけずに餓死したライオンでも想像してもらえばわかりやすいかもしれない。

 

不思議なことに、強さと可愛さは両立し得ない。漫画等ではかわいい顔をしたスーパーハイスペックキャラなんていうのは時折存在したりするのだが、現実世界では基本的には強くてかわいい存在はありえない。

だから戦った結果、強い存在になれなかった男子はキモくて金のない”オッサン”になる傾向にある。

 

現状では資源には限りがある。①と②は表裏の関係であり、残念ながらキモくて金のないオッサンは餓死するライオンのように今後も延々と生み出されていくことだろう。

 

まあ残酷な世界ではあるが、基本的には男性は種としてタネをまく存在なので、そういうハイリスク・ハイリターンな生存方式はある意味でも種の成り立ちとしてアリといえばありではある。

なお女性と比較すれば遥かに難易度は高くはあるが、キモくて金のないオッサンもかわいそうアピールをする事で④のかわいそうな人となり施しを受ける事は不可能ではない。

発展途上国で四肢が不自由な乞食が、五体満足な乞食よりも稼ぎが多い傾向にあるのは、かわいそうアピールがうまい事の証明である。

 

一方、女性の場合は近代以前まで、意図せずともかわいそう・かわいいゲームへの参画を要求されてきた。

狩りは男性の仕事であり、男性が取ってきた獲物をどれだけもらえるのかが女性の資源獲得の手法であった。女性は強さを磨く機会に乏しかった事もあり、可愛さやかわいそうといった形質が必然的に向上していく事となった。

今現在でも女性は守られるべき存在であり、男性と比較すれば圧倒的にかわいかったりかわいそうだと思われる傾向にある。

 

自分も男性を養いたくなるような感情を感じる事はほんどないけど、女性にはそれがあるような感じは確かにする。

これは僕以外の多くの人も、なんとなくそう感じるのではないだろうか?

 

ライオン型女子が増えれば増えるほどキモくて金のないオッサンが量産される

現代の資本主義制度下において、人間は知力と道具の2つで狩りを行う事を要求されるようになった。そこに筋骨隆々のパワーは必要とはされない。

それ故、多くの女性が受験や就活といった資源獲得ゲームに参画するようになり、今では女性でもライオン型の人生を選択する権利を手に入れる事となった。

 

これはまあ、男女同権という事を考えると歓迎されるべき事だとは思う。人生は自由であるべきだ。多くの人に、選択肢が開かれる事は良いことだとは思う。

 

ただ問題が1つある。それは多くの男性は以前の女性が採択したようなかわいそう・かわいい戦略を採択したくても、たぶんそれは絶望的に難しいという事である。

男性は、今に至るまでかわいそう・かわいいという遺伝を全くといっていいほど開発してこなかった。

かわいそう・かわいいの形質が現在の女性と同等のレベルで男性に現れるようになるためには、少なくともあと数百年は必要だろう。

 

ここにある意味では人権の非対称性がある。

多くの男は、【かわいそう・かわいい戦略】で女性が獲得してきた資源を手に入れるという手法を、選択したくてもできないのである。これはある意味では男女同権とはとてもいいにくく、非常に難しい問題であると思う。

 

そういう意味では、女性が権利を拡大していくと、男性は物凄く辛い現実に直面する事になる。

ライオン戦略を採択した女性が資源を持ってけば持ってくほど、②のキモくて金のないオッサンの割合がどんどん増えていくのだ。

ゲームのルール上、ハイリスク・ハイリターンなのだから負けた側は文句をいう資格はないといえばないのだけど。

 

現代の女性は、ある意味最強である

そもそも自然界では基本的には強さと可愛さは同時には手に入れる事はできないようになっている。

チワワのように超かわいくて強いライオンは地球上にいないし、超強くてかわいいハムスターもこの世にはいない。なんでかはわからないけど、そういう風にできている。

 

狩りが上手い×かわいい×かわいそうは最強だ。

例えばあなたの目の前に、超かわいいちっちゃいチワワの部下が現れたとしよう。この子が超絶仕事ができて、おまけに小憎たらしく守ってあげたくなるような存在だとしたら、なんかもう凄くズルいと思わないだろうか?

 

現状では、多くの女性はそれまでの進化の過程でかわいそうだとかかわいいと他者から思われる形質を必然的に遺伝子に抱え込んでいる。

そしてそれは、本人が好む好まないにかかわらず、外にある程度はどうしても表出されてしまうものでもある。

少し前に流行ったケモノフレンズのサーバルちゃんでも思い浮かべて欲しい。なんていうかあれ、最強じゃありませんか?

 

だからこそ電通で若いエリート男性が過労で自殺したと言われると、僕らは「ライオンになりたかったけど、なれなかったんでしょ?自業自得だよね」と思う一方、若くてかわいいエリート女性が過労で自殺したといわれると、僕らは必然的に「かわいそう」と思ってしまうのだ。

これはもう、ある種の脳のクセみたいなもので仕方がない。悲しいけれど、これが現代人の感覚なのだ。

 

今後はかわいそう・かわいい気質を有する男性というものも現れてくるかもしれないし、女性も徐々にかわいそう・かわいいの気質が失われた戦闘民族のような人が増えていくかもしれない。

けど現状では、僕はある意味では男性が社会で力を持っている事が多いというのは、それなりに平等性のある話だな、と思ってしまうのだ。

 

だって男性、かわいくないんだもん(´;ω;`)

 

 

<参考資料。これを見て何を考えるかは、あなたの自由です>

 

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)

 

 

【プロフィール】

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高須賀

都内で勤務医としてまったり生活中。

趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。

twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように

noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます→ https://note.mu/takasuka_toki

 

(Photo:Tommi Virtanen)